4会合連続で政策金利を据え置き
米FRB(連邦準備制度理事会)は、6月17・18日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、市場予想通り、政策金利(FFレートの誘導目標)を4.25~4.50%で据え置くことを決定しました。声明では、経済見通しに関する不確実性はやや和らいだものの、依然、高水準との認識を示しました。また、会合参加者の見通し(中央値)では、年内の利下げは2回(1回の利下げ幅=0.25ポイントとの前提)と、前回3月の見方と変わりませんでした。
18日の米金融市場では、FOMCの結果発表後、株価が堅調となり、長期金利は低下しました。しかし、パウエルFRB議長が会見で、米関税政策の影響で、モノのインフレ率が夏にかけて上昇するとの見方を示したことなどを受け、引けでは、主要株価指数および長期金利とも、小動き、マチマチとなりました。また、米ドルは、円を除く主要通貨に対して上昇したものの、対円では軟調に推移し、1米ドル=145円台前半で引けました。
年内は利下げ無しと見込む参加者が増加
米関税政策が明らかになって以降、初の公表となったFOMC参加者の見通しでは、GDP成長率が26年にかけて下方修正された一方、物価上昇率は27年にかけて上方修正となりました。政策金利については、26、27年の見通しが上方修正され、将来の利下げペースの鈍化が示唆されました。なお、今年の見通しについても、中央値でこそ前回と同じく、2回の利下げが見込まれているものの、個々の予想を見ると、年内は利下げ無しと予想した人数が前回の4人から7人に増えています。
パウエル議長は会見で、金融政策スタンスの調整を検討する前に、経済の見通しについてより多くの情報を待てる状況にあるとの見解を示しました。また、関税の影響については、夏の間に多くが明らかになると述べ、特に物価上昇率については、関税引き上げの影響が消費者に及ぶまでには時間がかかるとし、夏にかけてさらに上昇する見込みだと指摘しました。
金融市場では年内2回との利下げ見通しが優勢
米金融市場では、次回7月の会合での利下げの可能性は10%程度と、低くなっています。ただし、年末までには0.25ポイントの利下げが2回という見方が優勢です。
![【図表】[上図]年内のFOMC開催予定(下段:議事要旨の公表日)、[下図]25年6月のFOMC参加者の見通し(中央値)](/files/market/rakuyomi/images/rakuyomi_vol-2107_01.jpg)
![【図表】[左図]米国の消費者物価上昇率(前年同月比)と金利の推移、[右図]米労働市場の主要指標の推移](/files/market/rakuyomi/images/rakuyomi_vol-2107_02.jpg)
- 米労働統計局、全米経済研究所(NBER)、FRBなどの信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
- 上記は過去のものおよび見通しであり、将来を約束するものではありません。