日興アセットの「東証上場ETF」から、米国株のメジャーな指数の3つのETF、そして資産運用のクッション役である債券のETFを5つご紹介します。
海外の国債などに投資する債券ETFは、株式の変動リスクを和らげる“クッション役”として持っておきたいETFです。
また、組み入れ債券のクーポン(利払い)を主な原資とした分配金も、債券ETFの大きな魅力。定期的に日本円で手にできる、ある意味“おこづかい”的な楽しみとする人も多いようです。
「債券5姉妹」、まずは長女から。
カッコ書きの中にある「FTSE WGBI」は、業界では「フィッチー」「ウィグビー」と呼びます。FTSEはMSCIなどと同じ指数算出会社の名前、WGBIはWorld Government Bond Indexの略で、世界中の国債の指数という意味です。
アメリカの国債が半分くらいでユーロ圏が3割くらい、次にイギリスなどと続きますが、要は日本を除く世界主要国の国債を丸ごと持てるETFです。
これはある意味すごいこと。投資信託のインデックスファンドでも同様なものはありますが、よりストレートに「自分が何をしているか」を理解しながら、株式とのポートフォリオ構築ができるパーツとして、とても便利な優れモノといえます。
分配金は毎月分配の設計となっています。投資額(このETFは最低取引金額が55万円ほど*1と結構大きいのが玉にキズ)に対する分配金利回りは2.17%*2と高いのが魅力です。
株式の投資信託やETFで資産を作りながら、値動きのクッション役にすると同時に分配金でキャッシュを創出する―そんなツールとして使えるETFです。
*1 2024年1月31日時点。手数料などの費用は含みません。世界主要国を丸ごと押さえる、バランス良い優等生の長女に対して、次女はちょっと個性的で魅力的。
新興国は株式投資の“スパイス役”として昔から有力な選択肢ですが、実は債券投資においても新興国は重要なオプションです。
株式投資においては、株価の大きな上昇を期待するのが新興国株式ですが、債券の場合は相対的に高い利回りがその主な目的であり、魅力です。
組み入れる国債は韓国、マレーシア、インドネシア、中国などで、投資額(このETFは4.8万円ほど*3から購入可)に対する分配金利回りは4.58%*4と、非常に高くなっています(毎月でなく奇数月に支払われます)。
簡単に言えばそれは、組み入れた債券の国の信用が相対的に低いからこそ。信用力が低い分、利回りの魅力が高くないと買い手が付かないという市場原理によります。
「信用力が低い」というと気になる人がいるかもしれませんが、それこそが、たくさんの国・債券に分散するETFの存在意義であり、株式ではなく債券によって新興国に投資する意味だといえます。
*3 2024年1月31日時点。手数料などの費用は含みません。世界最大の規模と取引量を誇る米国債券だけで十分、S&P500など米国株のクッション役なら同じ米国の国債がシンプルで分かりやすい!―そういう考えならこのETFが便利。7~10年の年限の米国債の指数に連動するETFです。債券価格の値ブレの決定要因となる満期までの長さが十分に分散されているのが、このETFの特徴です。
政策金利の引き上げにともない、分配金利回りは3.19%*5という高さも特徴です。分配金は、1月と7月の年2回支払われます。
このETFは金融機関といった機関投資家にも人気のあるETFです。ポートフォリオ分散ツールとしてプロが使っているのと同じものが、数万円から個人でも買えるのが、まさにETFの醍醐味です。
そうしたプロのニーズもあって、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類を上場させています。
*5 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)の2024年1月31日時点の分配金利回り。分配金利回りは、税引き前であり、2023年2月1日~2024年1月31日に支払われた分配金の合計を2024年1月31日の基準価額(信託報酬控除後)で除したものを使用しています。運用状況によっては、分配金額が変わる場合または分配金が支払われない場合がございます。分配金利回りは過去のものであり、投資者の皆様の実質的な投資成果を示すものでも、将来の運用成果や得られる期待利回りを示すものでもありません。世界中にバランスした長女、新興国に分散した次女、米国一本の三女に加えて、2022年2月17日に誕生した四女、豪州債券のETFです。
豪州は先進国の中でも良好な経済と健全な財政状態を持つ国として、プロの間でも債券投資の重要な国として知られています。債券投資で特に気になる「格付*6」も最高位のトリプルAです(2024年1月31日時点)。
*6 ムーディーズ社の長期債務格付最低購入金額は4万円ほど*7で、政策金利の引き上げにともない、分配金利回りは3.58%※と高い水準です。分配金は2月、5月、8月、11月の年4回支払われます。
*7 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)の最低購入金額です。手数料などの費用は含みません。金利水準も先進国の中では相対的に高く、「米国一辺倒にしたくはないが、分散しすぎで把握しづらいのはイヤ」と思う方にはピッタリのETFといえます。
最低取引金額が多額になることの多い「長女」の海外債券ETFを買う代わりに、「三女」の米国債券ETFとこの豪州債券ETFをメインとし、スパイス的に「次女」の新興国債券ETFを加える―そんな“自分流”で分散投資のかたちを作るのにも便利なETFといえます。
2022年8月、「債券ETF姉妹」に五女が誕生しました。四女の豪州に続く単一国の債券ETFは、なんとフランス国債。日本初*8です。
フランスというと馴染みがない方も多いかもしれません。でも日本を除いた海外債券の指数、つまり“長女”の国別の内訳を詳しくみると、(時点にもよりますが)実は米国国債の次に多いのがフランス国債(2024年1月31日時点)。米国だけでなく欧州にも分散したい方にとって、自然な選択肢のひとつがフランス国債だといえます。
ユーロ圏で上位の発行残高を誇り、利回りはドイツよりやや高く、格付*9もダブルAと「欧州の優等生」、フランス国債(すべて2024年1月31日時点)。最低購入金額は5万円ほど*10で、分配金利回りは1.98%※です。分配金は2月、5月、8月、11月の年4回支払われます。
三女の米国債を中心にした自分なりの債券ETFポートフォリオを組みたい方には、また楽しみな姉妹が増えたといえそうです。