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#07 バランスファンドのクッション役、債券って?

公開日

ポイント

  • 「長期積立」による資産形成に債券は不要と言ってもいいかも

  • まとまったお金で買う場合には、債券が混ざったバランスファンドは選択肢。債券の基本的な知識を押さえておいて損はありません

まとまったお金をどうするか

毎月のお給料から自分なりの「本気の積立」(当社オリジナル用語)の金額でコツコツ投信積立を続けることで、将来のどこかで「大笑い」してやろうという「人生設計プロジェクト」なら、株式100%で良いケースが多いのだろうと思います。

一方、同じ人でも性質の違うお金は持っているものです。例えばコツコツと銀行の定期預金などで貯めてきたまとまったお金。もしそれが数百万円などの大きな金額なら、毎月の投信積立と同じ考え方を採用する必要は必ずしもありません。

このお金は何かあった時のためのまとまったお金。使わなければならない時に大きく減っているのは困るなぁ。かといってこのまま銀行預金に置いておくのはもったいない。――そういうお金で投信を考えるなら「株式100%」のリスクを取るべきではないかもしれません。

「債券」という選択肢

その時考えてみたいのが「債券」です。

「国債」は聞いたことありますよね。日本国が財政調達のために発行する「借用証書」が日本国債です。

最初から年限と利率(「クーポン」と言います)が決まっている。満期が来たら元本が返ってくる。それまでの間は決まった日(半年に一度など)に決まった利息が受け取れる。これが、「債券」という金融商品の特徴です。

発行する主体が国なら「国債」、県や市などの地方自治体なら「地方債」、企業なら「事業債(社債)」と呼ばれますが、仕組みは基本的に一緒です。

したがって、債券の強味は元本の安全性と利率があらかじめ確定している、つまり投資開始時点でリターンが「読める」点にあります。株式でそれはあり得ませんよね。はい、まったく読めません。

この性質はそのまま値動きの安定性に繋がります。実は満期までの間には債券の価格も動くのですが、「読める」部分が多いために株式の値動きに比べて相当マイルドです。

債券の価格って?

例えば数日後の満期時に元本で返ってくることがわかっているなら、その価格は元本に近いところに張り付くに決まってますよね。

でも状況によっては、債券価格がマイナスになる場合があります。それは世の中の金利水準が上がった時。例えば1年前に3%の利率で出た債券の価格は、1年後の今、もし金利水準が5%に上がっていたなら、残念ながら下がっています。

だって、1年前に3%の利率で買った100万円の債券を今誰かに売ろうとしても、同じ100万円では売れないですよね。今なら5%の債券が買えるのですから。そうなると、100万円で買い手がつかない1年前の債券は、値下げして売りに出されることになります。

「5%の世の中でこの債券の3%はあり得ないけど、満期時に100万円で返ってくるものが100万円より安く買えるっていう話ならアリだな」――そう考える人が出る水準まで価格が下がり、取引が成立するわけです。

逆に、景気悪化時など世の中の金利が低下する局面では、債券の価格は上がることになります。つまり、景気が悪くて株式などが下がっている時に、債券は価格が上がってくれていて多少の「クッション」になってくれるわけです。

債券の性質と魅力はつまり、定められた利率のクーポンが定期的に入り、満期には元本も返ってくる点。世の中の金利の変化などによって価格は動くが、株式に比べるとマイルドな点。株式などの変動に対する「クッション」の役割を担える点。にあります。

「バランスファンド」のクッション役

こうした性質の債券を株式などと一緒に組み合わせた「バランスファンド」は、株式100%の投資より上昇力は劣りますが、「読める」性質と「クッション」の性質を持った債券を一緒に組み入れるおかげで安定力が高まります。まとまったお金の投資先として、債券をうまく活用した「作戦」を立ててみるのも一法です。

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