ステファニー・ドゥルーズ
真のグローバルカンパニー
ステファニー・ドゥルーズ
代表取締役社長
2014年日興アセットマネジメント入社。2016年8月プロダクト&マーケティング共同グローバルヘッドに。2018年7月より、コーポレート・サステナビリティ部長を兼務、2019年5月常務執行役員に就任し、2022年4月より現職。オックスフォード大学卒業、ハーバード大学経営大学院(MBA)修了。当社入社以前はモルガン・スタンレー、バークレイズ・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメントにて要職を歴任。

――日興アセットが他の運用会社と違う点は?

日興アセットは「日本が本社のグローバルハウス」という、“誰にも似ていない”運用会社です。日本における強固なビジネス基盤の上に、特にこの10年ほどでグローバルビジネスが大きく進展し、日本本社と海外拠点とが真に連携した体制が完成しました。

当社は60 年以上前、他の大手証券の系列運用会社と同様、日興証券(当時)の子会社としてスタートしました。その後日興證券とは“親子”の関係から、一時期(外資系金融機関が株主となって並列されたという意味で)“兄弟”の関係となり、その後それぞれが別々の株主を迎えることとなって、もう10年超です。
この60年を超える年月の伝統の上に、いわゆる外資系の文化とスピード感、そしてプロフェッショナリティを最重視するカルチャーとがうまく交わり合い、かつ、それぞれの良い部分をDNAとして残しながら変わっていったと思います。これは一朝一夕に完成するものではなく、まさに当社の競争優位性のコアだと思います。

早い時期に、いわゆる系列関係に頼らないビジネスに舵を切った、切らざるを得なかったのが、結果的に奏功した面があるかもしれません。しかしありがたいことに、今もSMBC日興証券様との緊密な関係は続いていますし、他の証券会社様や全国の銀行様にも広く当社ファンドを販売いただいています。ここ数年は自己資金運用でも多くのご用命をいただいています。系列関係に頼ることなく「商品力」と「サービス力」を磨き上げてきた結果だと信じています。そして、その上にグローバルビジネスの力が備わってきたのが現在です。

私は2014年の入社以降、グローバル企業としての成長を追求する仕事をしてきました。その結果、商品開発・マーケティング・クライアントサービス・広報などの分野において、グローバルに統合し協業する体制を構築できました。

私たちの「グローバル」とは単なる日本人のための海外運用拠点ではなく、それぞれの地の投資家に当社ならではのソリューションを提供する「グローバルビジネス」を意味します。日本には販売会社様との強固なリテールビジネスと、近年ますます緊密なお付き合いをいただく機関投資家のお客様とのビジネスがありますが、海外拠点での機関投資家および販売会社ビジネス、そしてETF ビジネスも急速に伸びています。その背景には伝統的な資産に加え、クリエイティブなソリューションを含むプロダクトラインナップがあります。

現在私たちは11の国・地域でビジネスをし、26の国籍を持つ800人超の社員がワンチームとして働いています。38%を超える社員が「ノンジャパニーズ」であり、社内の人員構成としてもグローバルカンパニーといえるでしょう。まさに誰にも似ていない、唯一無二な運用会社です。

――新社長としてのプランは?

まず、卓越した運用実績を実現し続けることに力を注ぎます。また、日本だけでなく海外においても当社の成長に資すると考える「唯一無二さ」のもと、お客様第一とフィデューシャリーデュティーを貫き、投資家としての正しい行動を常に最優先事項とします。

私は①ビジネスの成長、②デジタルトランスフォーメーション(DX)、そして③イノベーションの3つのキーエリアにフォーカスします。まずビジネスの成長については、日本での成長はもちろんのこと、海外の販売ネットワーク拡大とイノベーティブなソリューションをもって、引き続き海外ビジネスの拡大に注力します。

次のDX については、これまでもレポートの自動化や効果的なバーチャルイベントなど、お客様のより良いサポートのためのテクノロジー導入を積極的に行なってきましたが、今後さらに深化させていきます。

最後のイノベーションですが、私は寛容かつ多様な意見を許容する社風こそが、イノベーションを生む成長の源だと考えています。当社はもともとオープンなカルチャーを持っており、定期的な全社会議「アイディアジェネレーションフォーラム」では新しいプロセスやプロダクトが自由に提案され、実現してきました。こうしたイノベーティブな社風が、今後も競合他社との差別化要因となることを期待しています。

――引き続きコーポレートサステナビリティも担当する?

私は個人的にも仕事としてもサステナビリティにコミットしています。これまで同様、私は当社のサステナビリティの代弁者であり、2018年に発足したサステナビリティ部門は私にレポートします。

今、社内には9つのワーキンググループがあり、グローバルな社員自主参加型の組織として活動しています。この活動への社員の参加率は現在8%ですが、2025年までには15%になることを目指しています。

当社は①ダイバーシティ&インクルージョン、②不平等の是正、③気候・環境問題の軽減の3つにフォーカスしており、すべての活動はこのどれかのテーマに基づいています。そして、すべて社員のボトムアップの活動によって運営されています。

サステナビリティは当社の継続的発展のカギであり、私と経営陣は最大限のサポートをしています。また当然運用部門とも強く連携を行なっており、すべての投資戦略とリサーチ活動においてESG機能を深めています。

足元では特に、女性のキャリア推進と脱炭素に関するイニシアティブに注力しているところで、今後も続々と施策を打っていきます。

改めて当社の「唯一無二さ」に戻りますが、トップダウン発でサステナビリティを推進している会社と異なり、当社はあくまでも社員のボトムアップによるグローバルな活動が行なわれてきた意味が大きいと思います。社会に貢献したいという純粋なモチベーションを持つ多くの社員の存在、それこそがあらゆる面で当社を次のレベルに引き上げる原動力になるものと信じています。

投資家としてのESG / フィデューシャリー・デューティー

ESGやフィデューシャリーは、運用会社である当社にとって最高位に位置する概念であるため、同原則に関連する決議、報告、議論は、当社の取締役会にて行なうこととしています。(なお、スチュワードシップ&議決権政策監督委員会は、議長含め社外委員が過半数以上を占めるメンバーで構成されています)

投資家としてのESG / フィデューシャリー・デューティー

事業会社としてのESG / サステナビリティ

当社ではESGに関する課題に積極的に対応し、会社としてのサステナビリティへの取り組みを進めています。

サステナビリティ活動

6拠点においてワーキンググループを立ち上げました。各D&I*ワーキンググループでは、誰もが働きやすい会社を目指して活動しています。また、2021年に環境方針を刷新し、事業活動における環境負荷の削減に取り組んでいます。

  • ダイバーシティ&インクルージョン
  • 東京オフィスにおけるワーキング・グループ/障がい者/環境/女性活躍/LGBT
子ども用車いすの整備会ボランティア
子ども用車いすの整備会ボランティア

チャリティ&ボランティア

社会貢献の重点施策は全従業員のアンケートにより決めています。
現在当社におけるチャリティとボランティア活動は、子どもや若者のための教育支援に重点を置いています。

さまざまな国際大会でも活躍
さまざまな国際大会でも活躍

車いすラグビー支援

当社では車いすラグビー選手が社員として勤務しています。また、日本車いすラグビー連盟オフィシャルパートナーとして、障がい者アスリートと車いすラグビーの社会的認知を広める支援も行なっています。

大盛況の「夏休み親子お金研究室」
大盛況の「夏休み親子お金研究室」

子どもたちへの投資啓蒙

私たちは「正しい投資文化」を子どもたちにも根付かせたいと思っています。毎年夏休みに親子で学べるセミナーを開催したり、子どもたちに楽しみながら学べる機会を提供しています。