本稿は2021年12月15日発行の英語レポート「2022 Asian Fixed Income and FX Outlook」の日本語訳です。内容については英語による原本が日本語版に優先します。

2022年の展望

2022年は世界の経済成長が持続するものの、そのペースはより緩やかなものになると予想される。米国では、旺盛な内需や追加財政出動がGDP成長を下支えしている。米FRB(連邦準備制度理事会)は、景気の回復が続き、特にサプライチェーン関連の問題点が解決されたあとにはその傾向が特に強まるとの見方をしており、2021年11月には資産購入プログラムのテーパリング(段階的縮小)を開始した。FRBは2022年の中頃に資産購入を終了し、続いて新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束に向かうなかで利上げを開始する可能性がある。これが世界の市場において概ね織り込み済みのシナリオである。欧州では、ワクチン接種率が引き続き上昇しており、人の往来再開が引き続き進んでいることで、経済活動の拡大が続いている。

FRBとは対照的に、ECB(欧州中央銀行)は緩和的な金融政策を維持しており、クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は先日、引き続きインフレ圧力は経済再開に関連する一過性の要因に起因していると言明した。

2021年に世界の景気回復をリードしてきた中国の経済成長は2022年に鈍化すると予想している。明らかに、中国政府が多数のセクターにおいて規制強化を決定したことで、成長がどれだけ減速する可能性があるかという点に対する懸念は強まっている。企業や投資家の懸念を和らげるために、中国人民銀行は「健全な不動産市場」を確保すると明言しているほか、政策当局者は銀行に対して不動産セクター向け融資をある程度拡大するよう指示している。こうした動きは、良好なGDP成長を確保するために的を絞った緩和策の拡大を発表していく準備があるしるしであるとみられる。

一方、中国を除くアジア諸国では、2022年に景気回復が大幅に加速するとみられる。各国は新型コロナウイルスの感染をゼロに抑え込もうとする戦略を捨て、「コロナとの共存」へと移行しており、ワクチン接種率が上昇してきているなかで経済活動と国境の再開を徐々に進めている。シンガポールでは、現時点で人口の85%超がワクチン接種を完了しており、ワクチン接種者であれば隔離なしで渡航できるワクチン・トラベル・レーン制度の対象国を2021年11月中旬現在で15ヵ国超へと拡大している。韓国では、人口の70%超がワクチン接種を完了しており、政府は幅広い制限を緩和している。タイは人口の50%以上がワクチン接種を完了している。2021年11月以降、60ヵ国を超える指定国からのワクチン接種済み旅行者について隔離を免除している。これらの動向は民間部門の信頼感を高め、中国を除くアジア諸国の2022年の経済成長にとって重要な追い風をもたらすと予想している。

2022年を迎えるにあたり、利回り水準が中程度~高い債券を選好する姿勢を維持している。特にインドネシア債券については、国内のインフレ率の低さや魅力的な実質利回りが支援材料になると予想する。中国では、中国人民銀行が公開市場操作(OMO)や中期貸出制度(MLF)による資金供給オペを通じて当面は流動性を安定的に維持する見通しである一方、政策金利や預金準備率の引き下げなどの緩和策については、経済のファンダメンタルズが大幅に悪化した場合に限定した最終手段として温存する可能性が高い。国債発行は問題なく消化できる水準にとどまる見込みであるが、インフラ投資のための地方政府特別債の発行は増加するとみられる。その他、利回り水準の低い国の債券は米国の金利動向の影響を一段と受けやすくなると予想する。

通貨については、米国債利回りの上方への再調整やFRBの利上げ開始に伴い、米ドルが対アジア通貨で再び上昇し始めると予想している。アジア通貨のパフォーマンスは、原油やコモディティ価格動向による域内諸国の経常収支への影響、さらなる国境再開の成功度合い、経済成長見通しなど、影響度が様々に異なる要因に左右されるとみられる。総じて、アジアの良好なファンダメンタルズに支えられ、域内通貨は引き続き比較的底堅く推移するだろう。

世界中の市場にとっての最大の下方リスクは、需給不均衡の継続を受けてインフレ圧力がこれまでの市場予想以上に根強く続くことであるとみられる。そうなれば、FRBによる金融引き締めの実施が想定以上に早まる可能性があるからだ。また、冬の間に新型コロナウイルス感染者数が再び急増する場合は、これも経済活動の正常化を遅らせかねない潜在的リスク要因となる。その他に各国固有の要因には、韓国やフィリピンの大統領選挙など、政策の方向性に影響を及ぼし得る政治動向が含まれる。

図表1

各国の展望

中国

中国の経済成長は、2021年に世界の景気回復の牽引役となったが、2022年には鈍化すると予想している。中国政府による規制強化の動きは成長鈍化懸念を招いているが、中国人民銀行は「健全な不動産市場」を確保すると明言しているほか、政策当局者は銀行に対して不動産セクター向け融資をある程度拡大するよう指示している。こうした動きは、良好なGDP成長を確保していく準備があるしるしであるとみられる。

中国の消費者物価指数(CPI)上昇率は、2021年10月に加速を示したが、今のところ比較的低水準にとどまっている。この先に目を向けると、比較対象となる前年の水準が低いことによるベース効果やコモディティ価格の上昇を受けて、CPI上昇率が加速する可能性がある。ただし、需要全般の弱さがインフレ加速の足かせになるとみられる。対照的に、生産者物価指数(PPI)上昇率は2021年10月に過去最高の13.5%に達したものの、ベース効果が剥落してきていることや、新型コロナウイルス関連の制限を解除する国が増えるにつれて外国の生産能力が戻ってきていることなどから、この先鈍化していく可能性がある。

中国人民銀行がOMOやMLFによる資金供給オペを通じて当面は流動性を安定的に維持する見通しである一方、政策金利や預金準備率の引き下げなどの緩和策については、経済のファンダメンタルズが大幅に悪化した場合に限定した最終手段として温存する可能性が高い。総合的にみると、同中銀の政策は緩和寄りになると考える。

国債発行は問題なく消化できる水準にとどまる見込みであるが、インフラ投資のための地方政府特別債の発行額は増加するとみられる。中国国債は成長の鈍化や、2021年10月にFTSE World Government Bond Index(WGBI)へ組み入れられたことなどを受けて増加している外国人投資家からの資金流入や、問題なく消化可能な国債供給量が追い風となっている。中国人民元については、同国の大幅な貿易黒字が追い風となり、十分に下支えされている。今後の中国人民元は、比較的好調な純輸出や外国人投資家の資金流入の継続によって下支えされると予想しているが、規制環境をめぐる不透明感の高まりや米中金利差の縮小によってその需要が一部相殺される可能性がある。

韓国

韓国のGDP成長率は、主に好調な輸出が追い風となり、アジア他国と比較して引き続き底堅く推移した。2022年のGDP成長率は減速するものの良好な水準にとどまるとみられる。世界的な半導体不足を受けた生産体制の拡大は、中国の成長減速や新型コロナウイルス流行に伴うテクノロジー需要の正常化により勢いが和らぐ可能性がある。2021年11月以降、人口のワクチン接種完了率が78%を超えたなか、同国政府は様々な制限を緩和し、段階的な国境再開案を採用した。こうした動向により人の往来が増し、個人消費支出が下支えされると予想している。その他、2022年3月に控える大統領選挙および同年6月に控える地方選挙は、韓国に財政政策面の追い風をもたらす可能性がある。

韓国銀行(中央銀行)は、アジア域内で最初に金融政策の正常化を開始し、金融の安定を確保するとともにインフレ圧力の高まりに対処するために2021年後半に政策金利を合計0.5%引き上げた。同中銀は、政策ミスを回避するために着実かつ徐々に金融政策正常化を引き続き進めていくとみられる。2022年4月にイ・ジュヨル現総裁が任期満了を迎えるなか、韓国銀行のトップ交代が注目される。

2022年の韓国の現地通貨建て債券は、他のアジア諸国の債券に比べて米国債との相関性が高い動きを示すと予想している。一方、韓国ウォンは、同国の成長鈍化や貿易黒字縮小を受けてアンダーパフォームする可能性がある。

マレーシア

マレーシアのGDP成長率は、国内経済活動の正常化や国境再開を受けて2022年に加速するとみられる。政府は新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させることに成功し、2021年11月現在で人口の77%超がワクチン接種を完了している。それを受けて、政策当局者は、新型コロナウイルスの取り扱いをエンデミック(一定地域で普段から継続的に発生する状態)に移行し、2021年12月までに経済を完全に再開させる準備を進めている。2021年11月には隣国のインドネシアおよびシンガポールとのワクチン・トラベル・レーン制度が開始されており、また、2022年1月1日までに他の国々からの渡航者を対象に国境を再開する計画も進められている。

今後、入国制限緩和に伴い経済活動が加速していくなか、インフレには上方圧力がかかると予想している。しかし、物価上昇に向けた動きは徐々に進む見通しであり、2022年前半はマレーシア中央銀行が現行の金融政策を維持できるとみられる。同中銀は、初期段階にある景気回復を下支えするため、現在の緩和的なスタンスを長期にわたって維持していく可能性がより高いと考えられる。

2022年を迎えるにあたって、マレーシアの現地通貨建て債券については有望視している。2022年は財政赤字が対GDP比6.0%にのぼるとみられるなど、国家予算の拡大が続くなか引き続き国債供給量が膨らむ見込みである。とは言え、中央銀行がながらく政策金利を据え置いていることに加え、実質金利水準が相対的に高いことから、供給面のリスクに起因する圧力は十二分に相殺されている。一方、マレーシアリンギットは、コモディティ価格の高止まりの恩恵を受けると予想している。

なお、マレーシアの政治動向が投資家信頼感にとってのリスク要因になり続けるであろうことを忘れてはいない。2023年7月までに行われる予定の総選挙が早ければ2022年後半にも実施される可能性があることには注意している。

シンガポール

シンガポールは、国境再開および経済活動正常化の両取り組みにおいてアジア諸国をリードしてきた。日次感染者数の急増を受けて国内経済活動の再開に遅れが出ているものの、新型コロナウイルスをエンデミックとして取り扱うという政府の全般的な戦略に変わりはない。シンガポールでは、現時点で人口の85%超がワクチン接種を完了しており、ワクチン接種者であれば隔離なしで渡航できるワクチン・トラベル・レーン制度の対象国を18ヵ国超へと拡大している。2022年の経済成長は、シンガポールの観光業や消費者関連分野の活動が拡大するものの、中国経済の鈍化が重石となり、失速するとみられる。

インフレについては、2021年後半に急激に加速している。10月に1.5%に達したコアインフレ率は、当面高水準にとどまる可能性がある。インフレ圧力は労働市況の改善やエネルギー価格高によって支えられると予想している。コアインフレ率が高止まりしていることを受けて、MAS(シンガポール金融通貨庁)は為替政策をさらに引き締める可能性があり、シンガポールドルはアジア通貨に対して引き続き魅力的であるとみられる。

シンガポール国債は、米国債との相関性が相対的に高い状況が続くと予想されるなか、国内の潤沢な市場流動性やシンガポールドルの投資魅力を背景に、米国債をアウトパフォームする可能性がある。

タイ

経済に占める国際観光の比重が大きいタイでは、これまで景気回復が遅れてきた。2022年を迎えるなか、2021年11月に開始された積極的な国境再開の動きを受けて、経済成長は持ち直すと予想される。しかし、中国が新型コロナウイルスの感染をゼロに抑え込もうとする戦略をとっており、中国人観光客の流れが抑制されるなか、しばらくは海外から訪れる観光客数がコロナ前の水準に戻る見込みは薄い。一方、ワクチン接種の進み具合は大幅に改善している。タイ人口の57%近くがワクチン接種を完了しており、複数の主要観光都市ではワクチン接種完了率がさらに高い水準に達している。こうした状況が、民間消費の改善を後押しすると考えられる。

総合インフレ率については、燃料価格の上昇を一因として足元で徐々に加速しているが、引き続き中央銀行の目標レンジ1~3%内に十分に収まっている。コアインフレ率(エネルギー価格と生鮮食品価格を除く)は、需要面からのインフレ圧力が依然弱いなかで引き続き低迷している。政府は、ディーゼル燃料の上限価格据え置き期間延長を含め、国内の物価を抑える措置を発表しており、それを受けてこの先数ヵ月はインフレ全般がやや落ち着くものとみられる。

タイ銀行(中央銀行)は緩和的な金融政策を維持してきており、政策における優先事項として景気回復を支える必要性を引き続き強調している。直近の金融政策委員会において、同中銀の政策声明では景気見通し全般について慎重なトーンが維持されたが、成長に対する下方リスクは低下したとの言及はあった。同中銀は、景気回復の勢いを削いでしまわぬようにしばらくは政策金利を据え置くとみられる。

政府は、2021年9月に公的債務の上限を対GDP比60%から同70%へと引き上げた。また、2022年度の国債発行額の目標を1.1兆~1.3兆タイバーツへと大幅に引き上げること(2021年度は8,470億タイバーツ)を明らかにし、それを受けてタイ国債イールドカーブはスティープ化した。このことについてはすでに市場で消化済みであり、この先のタイ国債は主に米国債の動きに左右される展開が続くと予想される。タイバーツの動向については、観光収入の増加状況によって大きく左右される可能性がある。

政治リスクは引き続き低い。反政府抗議デモは行われてきたが、概ね問題のない状況に収まっている。2023年序盤に予定されている次期選挙を控えて政治活動が加速する可能性があり、2022年には政治に大きな注目が集まるだろう。

インド

インド経済は、新型コロナウイルス感染流行の第2波により大打撃を受けたのち、2021年には盛り返して力強い回復を遂げた。そのV字回復の大きな原動力となったのは、民間投資や消費者支出の伸びだった。一方、インドは2021年10月にワクチン接種回数が10億回を超え、成人人口全体が年内に少なくとも1回の接種を済ませるという目標を達成する見込みだ。ワクチン接種率の上昇、パンデミック下で導入された移動制限の緩和、繰延需要の解放は、2022年の景気回復の主な原動力になるとみられている。

インフレについては、旺盛な内需を背景に2022年も高止まりする見通しだ。コアインフレ率が高止まりしていることに加え、需要回復の兆しが強まっていることを受けて、市場では金融政策正常化期待が一段と強まるとみられる。インド準備銀行(中央銀行)は、これまでのところ緩和的なスタンスを維持しているが、国債買入れプログラムの終了発表や、変動金利リバースレポのオペレーションの拡大を通じて、異例の政策支援の終了に向けて歩みを進めている。好調な経済成長やインフレの高止まりを背景に、インド準備銀行による利上げは間近のように見受けられる。とは言え、同中銀は政策ミスのリスクを低減するために金融政策正常化を徐々に進めていくと考えられる。インドルピーについては、原油価格にさらなる急激な動きがみられる場合にその影響を受けやすいと予想している。

その他、国内で人口が最も多いウッタルプラデシュ州を含む5つの州において2022年の早い時期に州議会選挙が予定されている。目下の世論調査によると、モディ首相率いるインド人民党の政権維持が確実視されている。

インドネシア

中国を除く他のアジア諸国のなかでもインドネシアは、政府がコロナとの共存への移行を進めており、ワクチン接種率が上昇するなかで経済活動や国境を徐々に再開していることを受けて、2022年に景気回復が大幅に加速すると予想される。2021年11月現在において、同国人口の約33%がワクチン接種を完了している。政府はこれが2021年内に50%まで上昇するとの見方を示している。2021年通年のGDP成長率については、中央銀行が3.5~4.3%と予想している一方、財務省は4%とみている。

インフレ率は低水準にとどまる見通しであり、市場センチメントがリスクオフへと大きく振れる場合を除き、中央銀行は政策金利をしばらく据え置くことができるとみられる。中央銀行は直近の会合において、もう1年間は政策金利が低水準にとどまる見通しであると明言した。しかし、インドネシアと他の域内諸国の間の金利差が過度に拡大するとはみられず、同中銀は景気回復の下支えと2022年後半のインフレ加速リスクのバランスを取るなか、最終的には政策金利を調整していくと予想される。

インドネシアの現地通貨建て国債は、米国債が軟調に推移するなかでも比較的底堅い推移を続けてきた。緩和的な金融政策、低水準のインフレ、現地金融機関からの旺盛な需要、良好な債券供給動向などが、インドネシア国債の需要を支える主な追い風要因となった。2022年を迎えるなかインドネシア国債に対しては、国内のインフレが低水準にとどまっていることや実質利回りが魅力的な水準にあることから、ポジティブな見方をしている。足元において外国人投資家の保有比率は比較的低水準にとどまっている。全般的なリスク選好心理が改善すれば、新興国債券市場への外国人投資家の資金流入が増加する可能性があり、そうなればインドネシア国債にとっては良好な兆しとなるだろう。インドネシアルピアについては、コモディティ価格高を受けた同国の貿易黒字が追い風となり、この先数ヵ月間においても他のアジア諸国の通貨をアウトパフォームし続ける可能性がある。

フィリピン

フィリピンの2021年第3四半期のGDP成長率は、それまで数ヵ月間続いてきたロックダウン(都市封鎖)措置を受けた繰延需要を背景に個人消費の伸びが急加速するなか、市場予想を上回る結果となった。2021年11月現在において、人口の40%近くがワクチン接種を完了している。感染者数も大幅に減少しているなか、政府は国内の移動制限を一部緩和しているが、同国は外国人旅行者に対する実質上の国境封鎖状態が続いている。この先、人々の往来増加を追い風とした個人消費の回復や、2022年の国政選挙を前にした政府のインフラ投資拡大を受けて、GDP成長率は持ち直すと予想している。

総合インフレ率は、2021年の大部分においてフィリピンの中央銀行が目標とする2~4%を上回っており、経済状況の正常化に伴う需要拡大を受けて比較的高水準での推移が続く可能性がある。中央銀行はこの先1年間のインフレリスクについて警鐘をならしているものの、当面は確実に景気回復を持続させるために金融政策面のサポートを優先し、金融政策正常化については徐々に進めていくと予想される。とは言え、連鎖効果によりインフレの高止まりが一段と長引く可能性がある場合には、フィリピンの中央銀行はおそらく域内諸国の中央銀行のなかでもいち早く利上げを実施するだろうと考えられる。

2022年を迎えるにあたって、フィリピンの現地通貨建て債券については実質金利がマイナスであることを踏まえ慎重な見方をしている。また、フィリピンペソについても低調に推移するとの見方をしている。海外出稼ぎ労働者からの国内向け送金が底堅く推移していることから、同国の対外収支が依然良好な水準にあることは認識している。しかし、経済活動の正常化を受けて2022年には輸入の伸びがさらに持ち直すと予想しており、今度はこのことが同国の経常収支や通貨の重石となる可能性がある。

同国は2022年5月に総選挙を控えており、登録有権者は新大統領などの顔ぶれを選ぶことになる。現時点において、明確にリードしている候補者はいない。その行方は不透明であるものの、総選挙は比較的クリーンなものとなり、暴動などの発生は限定的にとどまると予想している。5月の選挙に向けて、フィリピンペソはボラティリティが高まるとみている。

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