最近、身近な日本株ではなく米国株や世界株のインデックスファンドが 証券会社の「買付ランキング」の上位にあがることが多いようです。
いいと思います。それはきっと、将来に向けた“本気の資産形成” をする人が増えた結果だと思います。最大の経済大国でありながら、次々に新しいイノベーションを生み出す米国の懐の深さとポテンシャルは、悔しいけれど認めざるを得ないところですから。
ところで皆さんはETFはご存知ですか?
ネット証券に自力で口座を開いた方なら多分耳にしたことはあるはず。でも「詳しくはあまり...」という方も多いのでは?
ETFは「上場投資信託」 という日本語訳が与えられる通り、証券取引所に上場しており、ひとことで言えば「個別銘柄と同じように売買できるインデックスファンド」 です。
「上場」しているということは、証券会社を通じて証券取引所に発注する必要があるので、銀行では買うことができません。でも証券会社で口座を開いている方なら、すぐに銘柄コードを打ち込んで注文 することができます。そう、例えばトヨタ自動車なら[7203]のような4桁のコードがそれぞれのETFにも振られており、それを用いて発注するのです。それを「東証ETF」といい、日興アセットが作ったものだけで、28銘柄あります。
※2021年3月末時点。上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものではありません。米国人のミレニアル世代の何と33%は、「証券口座」でETFを持っているそうです*。
日本では「証券口座」は個別株が好きな人の、どちらかといえばマイナーな存在で、それとは別の「投信口座」でファンドを持つ方がメジャーですよね。でも、欧米では資産形成の最初のステップは「証券口座」を開いてETFを持つことのようです。
一方、若者だけでなく、あの著名投資家であるウォーレン・バフェット氏も、死後には資産の9割をS&P500のETFにするように と、すでに遺産管財人に指示しているそうです。
個別株と同列で売買でき、証券口座でワンストップで管理ができるインデックスファンド=ETF。確かにシンプルで極めて合理的なツールです。なぜ日本ではマイナーなのか不思議なくらいです。
*出所:BlackRock ETF Pulse Surveyすでにネット証券などに口座を開いている方にぜひとも紹介したいのが、つみたてNISAと東証上場ETFの”合わせ技” 。
つみたてNISA枠については(年間の枠が40万円なので)毎月3万3千円までを上限に、給与などフローのお金から最適な金額を、いわゆる「世界株式インデックスファンド」などでセットアップすればいいでしょう。
その毎月の積立に加えて、ボーナスなどで大きなお金が入ってきたり、お金が少しまとまったタイミングで活用したいのが、東証ETFのスポット(単発)買いです。つまり「つみたてNISA」の毎月コツコツ買い + 「東証上場ETF」でのスポット買い、というスタイル です。
このあと紹介する「東証上場の米株ETF」は数万円くらいから買える ので、使わないお金が出来たらタイミングを計らず少しずつ買ったり、ボーナスなどまとまったお金が入ったりしたらその時に、いつもの証券口座に4桁の銘柄コードを打ち込んで買っていくわけです。
「つみたてNISA」と「東証ETF」の合わせ技を自分のスタイルとして決めてしまうことで、資産運用の管理は「つみたてNISA」と「証券口座」のワンストップで完結 することになります。「証券口座」のリストには、以前気に入って買った「トヨタ100株」などと一緒に「S&P500 ETF 」が一覧で並び、シンプルで主体的な管理 ができるようになります。
こうした管理状態そのものを“気持ちいい”と感じる人は多いはず。投資信託における非課税口座(つみたてNISAなど)と課税口座の違いを気にすることも不要ですし、投資信託だとどうしても多めになる書類の山に煩わされることも抑えられます。まだまだあるメリットを、具体的に「東証の米株ETF」で見てみましょう。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものではありません。冒頭でも触れた通り、米国株式を丸ごと買うS&P500やNYダウのインデックスファンド(の投資信託)が人気です。
それを投資信託でなくETFで押さえようとするとき、実は「米国市場に上場するETF」を日本から買うという方法が以前は主流でした。つまり、アメリカ人が買っているものを、日本から米国の証券取引所にアクセスして買うわけです。でも色々と面倒なハードルがあって、それがETFがメジャーにならない理由のひとつだったかもしれません。例えば外国株式口座の開設、為替手数料、そして何より大きいのが時差..。日米は基本的にほぼ真逆ですから、この時差は大問題。リアルタイムで値動きをウオッチしながら米国市場にETFを発注しようとすると、日本の夜中に起きていることになります。
「東証上場の米株ETF」はそれらのハードルを極めて低くしたETF です。S&P 500やNYダウや、さらには新進気鋭の銘柄で構成されたNASDAQ 100(ナスダック100)の指数までもを、日本時間で、日本円で、いつもの証券口座で取引することが可能なのですから。
ニューヨークの市場が終わったあとにも続く「指数先物」という取引の値を使うことによって、そのあとの各指数の動きを「東証上場の米株ETF」は捉えていきます。つまり、夜中に起きている必要もなければ、為替の交換に発生するコストも不要です。
何より投資信託ではどうしても発生する、注文と価格決定の間の大きな時間差が発生しないことがETFの一番のメリットかもしれません。
ご存知かもしれませんが、投資信託は1日に1回だけ値段(基準価額)が決まります。米株指数のインデックスファンドでいえば、今日15時の締め切りに間に合って注文したとしても、買う値段は翌営業日の夜に発表される基準価額になります。つまり、今知っている指数の値より高いところで買うのか安く買えるのかは、発注時には分からない仕組みなのです。
これは投資家の公平性を担保するための「ブラインド方式」という仕組みなので、どうしようもありません。毎月のつみたてNISAならまだ、毎月の買付日を決めた時点でその部分(いくらで買うか)を諦めているからいいものの、スポットで買う場合には「いくらで買うか分からず発注する」という点が、いささか“気持ち悪い”という人はいるかもしれません。この気持ち悪さが「東証上場ETF」にはないのです。
もちろんETFの場合だって、「この値段で!」と入れた指値(さしね)で買えるかどうかは分からないままの発注ですし、成行(なりゆき)注文ならその時のタイミングで取引価格が決まってしまいます。それでも、少なくともライブな時間の中で自らコントロールしようとしている点が、投信とETFの取引における感覚の大きな違いなのだと思います。
一方「東証上場ETF」は、投資信託で一般的な毎月の自動積立はできないことがほとんど(可能な証券会社もあります)。これは証券会社など金融機関のシステムの問題ですが、当面はETFは「スポット買いのツール」 として割り切ることが必要です。ETFの買付時に資産全体を見回す機会と捉えてもいいかもしれません。もし「つみたてNISA」の月3万3千円以上に毎月の自動積立をしたいなら、投資信託を選ぶしかないでしょう。
逆にいえば、米国株にインデックス投資をするにおいて、「東証上場ETF」にはそれくらいのデメリットしか思いつきません。
定番である米国株の3つのメジャー指数、NYダウ、S&P500、NASDAQ100のETFが揃ってます。
NYダウ は米国を代表する優良企業30社を平均して算出する指数で、日本でいえば「日経平均株価」的な存在。歴史も古く、日本のニュースでも日経平均と一緒に毎日報道される点で、最も身近な米国株へのインデックス投資です。
日興アセットの「東証上場ETF」の「米株指数・3兄弟」のいわば、“皆が知っている安定感ある長男” です。
なおこの銘柄は「為替ヘッジあり」で価格形成がされています。株価変動以外でETFの値段を左右する、その時々の為替変動の影響を極力減らしたタイプということです。
S&P500 は米国を代表する500社程度を対象に算出する指数で、日本でいえば「TOPIX」的な存在。NYダウに比べて幅広い業種から500社程度を押さえているため、プロの投資家などが参照する指数として有名で信頼度も高い指数 です。投資信託でも、この指数のインデックスファンドが人気のようです。
日興アセットの「東証上場ETF」の「米株指数・3兄弟」のいわば、“実力たっぷりの信頼の次男” です。
なお、S&P500の「東証上場ETF」についてはプロ投資家のニーズも高いため、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2本を上場させています。為替変動への対処は別途手当てしたプロ投資家などにとっては、「為替ヘッジあり」は却って使いづらいとの声もあるのです。
NASDAQ(ナスダック)100 は、若く勢いのある新興企業をパッケージした指数。
最近ではニュースで「昨日のNYダウとナスダック総合指数は...」と報道されるようになったナスダックですが、日興アセットが「東証上場ETF」にしたのは、そのナスダックの中でも金融株(または、金融セクター)を除いた組入比率が高い100社だけで算出する「NASDAQ100」という指数 です。
日興アセットの「東証上場ETF」の「米株指数・3兄弟」いわば、“伸び盛りの元気一杯の三男坊” です。
なお、NASDAQ100の「東証上場ETF」についても、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2本を上場させています。