S&P500とダウ平均の違いって?米国の2大株価指数を大解剖!
- 最終更新日:2022年12月16日(公開日:2020年3月17日)
米国を代表する株価指数のS&P500とダウ平均 。どちらもニュースや新聞で目にしたことはあっても、その中身の違いは意外と知られていません。今回はこの2つの株価指数の中身の違いやそれぞれの特徴についてご紹介します。
目次
1.S&P500とは
S&P500は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスにより算出され、ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca、NYSE Amex)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。
1-1.S&P500の誕生
S&P500の起源は1923年。スタンダード&プアーズ社の前身となる企業が26業種・233の企業を含む複数の指数を開発したのが始まりです。現在の形になったのは1957年。60年以上にわたり銘柄を組み組み替えながら市場を反映してきた指数です。
1-2. S&P500の組入銘柄
S&P500の組入銘柄は、様々な条件によってスクリーニングされ決定します。スクリーニング条件には、時価総額や流動性、浮動株の比率や、業績などが含まれており、条件を満たす企業の中からセクターのバランスを加味したうえで決定されます。
2.ダウ平均とは?
ダウ平均は正式名称を「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(Dow Jones Industrial Average)」とい、ダウ、NYダウ、ニューヨークダウ等の名前で親しまれています。その名の通り30銘柄の株式で構成されており、S&P500同様、ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca、NYSE Amex)、NASDAQに上場している銘柄から選出されます。計算方法はダウ式と呼ばれる、株価を全て足し合わせて除数で割るという方法を採用しています。
2-1.ダウ平均の誕生
ダウ・ジョーンズ社が1884年に、ダウの前身となる世界初の株価指数の算出を始めました。現在のダウ平均は1896年に誕生したもので、12銘柄からスタートし、1926年に現在の30銘柄となっています。
2-2.ダウ平均の組入銘柄
実はダウ平均の組み入れ銘柄は話し合いによって決定されるのをご存じでしょうか?銘柄選定には定量的なスクリーニングのルールが存在しないのです。株価平均委員会(Average Committee)のメンバーにより銘柄の見直しが行われており、主に企業の評判、成長の持続性、投資家の関心などを総合的に評価して決定されます。
3.S&P500とダウ平均の銘柄比較
では、S&P500とダウ平均の組入銘柄はどう違うのでしょうか?上位10銘柄で比較してみましょう。
S&P500の上位10銘柄
上位10銘柄 |
---|
アップル |
マイクロソフト |
アマゾン |
アルファベット(クラスA) |
バークシャー・ハサウェイ(クラスB) |
アルファベット(クラスC) |
テスラ |
ユナイテッドヘルス・グループ |
ジョンソン・エンド・ジョンソン |
エクソンモービル |
ダウ平均の上位10銘柄
上位10銘柄 |
---|
ユナイテッドヘルス・グループ |
ゴールドマン・サックス・グループ |
ホーム・デポ |
アムジェン |
マクドナルド |
マイクロソフト |
キャタピラー |
ハネウェルインターナショナル |
ビザ |
トラベラーズ |
※2022年11月末現在
※信頼できる情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものでも、将来の組入れを保証するものでもありません。
S&Pは勢いのあるIT企業が中心、ダウ平均は業種さまざま
S&P500は、時価総額順に組入比率が決まるため、現在勢いのあるIT企業が上位を占めているのが分かります。
一方で、ダウ平均は株価の平均により算出されるため、単純に一株当たりの価格が高い銘柄が組入比率上位となります。
上位10銘柄の合計が全体に占める割合は、S&P500が約3割なのに対し、ダウ平均は上位10銘柄が全体の約半分以上を占めています。S&P500とダウ平均に、一部共通の組入銘柄はありますが、組入比率は異なります。
※2022年11月末現在
※信頼できる情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものでも、将来の組入れを保証するものでもありません。
4.S&P500とダウ平均のパフォーマンスの違い
大まかな特徴でいえば、ダウ平均の方が銘柄数が少ない分、組み入れられている個別銘柄、その中でも組入比率の高い上位10銘柄の株価の変動の影響を受けやすくなります。組入上位の企業の業績が良い時はS&P500よりもパフォーマンスが良くなり、業績が悪ければS&Pをアンダーパフォームする(下回る)ことになります。一方で、組入銘柄の多いS&P500は、分散効果が高いため、個別銘柄の影響を受けにくくなるという傾向があります。
過去20年間で比較
※2002年12月2日を100として、公表値をもとに、日興アセットマネジメントが指数化しています。
過去約65年間で比較
※1957年3月4日を100として、公表値をもとに、日興アセットマネジメントが指数化しています。
※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成
※グラフおよびデータは過去のものであり、将来の運用成果などを約束するものではありません。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものでも、将来の組入れを保証するものでもありません。
5.S&P500とダウ平均の概要
S&P500の概要
項目 | 内容 |
---|---|
名称/ティッカー | S&P500/SPX(米ドル建て、配当再投資を行わない価格指数) |
特徴 | ・米国の大型株500銘柄で構成されており、米国の代表的な株価指数となっています ・様々な条件によってスクリーニングされ決定します。スクリーニング条件には、時価総額や流動性、浮動株の比率や、業績などが含まれており、条件を満たす企業の中からセクターのバランスを加味したうえで決定されます ・銘柄入替は必要に応じて行われます(1年または半年など定期的な見直しを行うわけではありません) |
構成銘柄数 | 500銘柄 |
指数の計算方法 | 500銘柄の株価の浮動株調整後の時価総額比率の加重平均方式で計算されます |
算出開始日 | 1957年3月4日 |
評価通貨 | 米ドル |
計算・公表の頻度 | ・1日に1度、構成銘柄の株価終値に基づいて指数の終値が計算されます ・リアルタイム指数が、米国の取引時間中に計算されています |
指数の算出要領 | S&Pダウ・ジョーンズ作成の「S&P 500®メソドロジー」に記載されています WEBサイト https://japanese.spindices.com/documents/methodologies/methodology-sp-us-indices-japanese.pdf |
ダウ平均の概要
項目 | 内容 |
---|---|
名称/ティッカー | ダウ・ジョーンズ工業株価平均/DJI(米ドル建て、配当再投資を行わない価格指数) |
特徴 | ・ダウ平均の組入銘柄を選択する際の母集団は、S&P 500の構成銘柄になります ※ただし、世界産業分類基準(GICS)の運輸及び公益事業に分類される銘柄は除きます ・構成銘柄は主として、企業の評判が高く、持続的な成長を達成し、多くの投資家が高い関心を示すものに限られますまた各企業は米国で設立されかつ米国に本店を構え、売上高の大部分が米国からもたらされている必要がありますさらに指数内で適切な業種配分を維持できることも考慮されています ・銘柄選択は定量的なルールに従ったものではなく、銘柄入替は必要に応じて行われます(1年または半年など定期的な見直しを行うわけではありません) |
構成銘柄数 | 30銘柄 |
指数の計算方法 | 株価加重方式で計算されています。具体的には、全構成銘柄の株価を合計し、それを除数で割った値です |
算出開始日 | 1896年5月26日 |
評価通貨 | 米ドル |
計算・公表の頻度 | ・1日に1度、構成銘柄の株価終値に基づいて指数の終値が計算されます ・リアルタイム指数が、米国の取引時間中に計算されています |
指数の算出要領 | S&Pダウ・ジョーンズ作成の「ダウ・ジョーンズ平均メソドロジー」に記載されています WEBサイト https://japanese.spindices.com/documents/methodologies/methodology-dj-averages-japanese.pdf |
※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成
6.まとめ
いかがでしたか?どちらも米国を代表する株価指数であり、普段耳にすることも多いダウ平均とS&P500ですが、実は成り立ちや中身の構成に様々な違いがあります。S&P500は、インデックス投資の代名詞とも言える指数ですが、ダウ平均の特長や組入銘柄を見て、ダウ平均の方がより自分の投資イメージに合っていると感じる方もおられるかもしれません。それぞれの違いをきちんと理解した上で、より自分にあった投資に役立てていただければ幸いです。
日興アセットでは、S&P500とダウ平均への連動を目指す銘柄として以下のETFをご提供しています。
【S&P500に連動する運用をめざすETF】
1547 - 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)(愛称:上場S&P500米国株)
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商品概要
2521 - 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり(愛称:上場S&P500米国株(為替ヘッジあり))
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【ダウ平均に連動する運用をめざすETF】
2235 - 上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジなし (愛称:上場ダウ平均米国株(為替ヘッジなし))
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留意事項
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2562 - 上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり (愛称:上場ダウ平均米国株(為替ヘッジあり))
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留意事項
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著作権などについて
「S&P500®指数」の著作権などについて
・「Standard & Poor’s®」「S&P®」「スタンダード&プアーズ」は、スタンダード&プアーズ ファイナンシャル サービシーズ エル エル シーが所有する登録商標であり、日興アセットマネジメント株式会社に対して利用許諾が与えられている。スタンダード&プアーズは、「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)」、「上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり」(以下、「本商品」)を支持、推奨、販売、販売促進するものではなく、また本商品への投資適合性についていかなる表明・保証・条件付け等するものではない。
・本商品は、スタンダード&プアーズ及びその関連会社(以下、「S&P」)によって支持、保証、販売又は販売促進されるものではない。S&P は、明示的にも暗示的にも、本商品の所有者もしくは一般の者に対して、有価証券全般または本商品に関する投資について、またS&P500指数が市場全般のパフォーマンスに追随する能力について、何ら表明、条件付け又は保証するものではない。S&P の日興アセットマネジメント株式会社に対する唯一の関係は、S&P 及びS&P500指数の登録商標についての利用許諾を与えることである。S&P は、S&P500指数に関する決定、作成及び計算において、日興アセットマネジメント株式会社又は本商品の所有者の要求等を考慮に入れずに行なう。S&P は本商品の販売に関する時期、価格の決定、又は本商品を現金に換算する式の決定もしくは計算に責任を負わず、また関わっていない。S&P は、本商品の管理、マーケティング又は取引に関する義務又は責任を何ら負うものではない。
・S&P は、S&P500指数の計算及びその元になるデータの正確性や完全性を保証するものではない。S&P は、S&P500指数に含まれるいかなる誤り、欠落又は障害に対する責任を負わない。S&P は、S&P500指数 又はそれらに含まれるデータの使用により、日興アセットマネジメント株式会社、本商品の所有者又はその他の人や組織に生じた結果に対して、明示的にも暗示的にも保証しない。S&P は、S&P500指数 又はそれに含まれるデータに関して、商品性の保証や適合性について何ら保証するものではないことを明示し、かつそれに関して明示もしくは暗示の保証を行なわない。以上のことに関わらず、特定の、罰則的、間接的あるいは結果的な損害(利益の損失を含む)について、仮にその可能性について事前に通知されていたとしても、S&P が責任を負うことはない。
「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」の著作権などについて
・ダウ・ジョーンズ工業株価平均はS&P Dow Jones Indices LLCまたはその関連会社(「SPDJI」)の商品であり、これの使用ライセンスが日興アセットマネジメント株式会社に付与されています。S&P®、S&P 500®、US 500、The 500、iBoxx®、iTraxx®およびCDX®は、S&P Global, Inc.またはその関連会社(「S&P」)の登録商標で、Dow Jones®は、Dow Jones Trademark Holdings LLC(「Dow Jones」)の登録商標です。これらの商標の使用ライセンスはSPDJIに付与されており、日興アセットマネジメント株式会社に一定の目的でサブライセンスされています。「上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジなし」、「上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり」は、SPDJI、Dow Jones、S&P、それらの各関連会社によって後援、推奨、販売、または販売促進されているものではなく、これらのいずれの関係者も、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行なわず、ダウ・ジョーンズ工業株価平均のいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切責任を負いません。