2022/09/30 作成
2023/05/27 更新

「投信ならでは」の仕組みが効いた2つのファンドでスタート


阿部 慎太郎(資産運用サポート部):
第1弾は「Tracers S&P500ゴールドプラス」と「Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)」。これらはどちらもまさに「投信ならでは」の仕組みを使ってルールに沿って純資産の2倍相当に投資するファンドです。単純なブルベア型や指数レバレッジの商品とは異なり、株式と金、あるいは全世界株式に分散してレバレッジをかけることは、まさに投信を通じないとアクセスできない領域です。

有賀 潤一郎(商品開発部長):
日興アセットの商品開発の特徴がよく現れているファンドかなと思います。

「投信という箱」で先物を上手に活用することで、個人の方では難しいリスクリターンの投資機会を提供していくことを目指しています。長期投資家の効率的な資産形成ツールとしてTracersのスタートにふさわしい2ファンドだと思います。

金澤 拓也(商品開発部):
純資産の2倍に投資をする、いわゆるレバレッジをするのですが、そこに先物を活用しています。先物では現金(証拠金)を差し入れることによって、その元本以上の取引が可能になります。今回の「Tracers S&P500ゴールドプラス」で言うならば、S&P500の部分の一部を株価指数先物にすることによって資金を浮かせます。それを証拠金として金先物に投資します。そうすることでS&P500を純資産総額の100%、そして金にも純資産総額の100%、トータル200%分の投資ができるという仕組みです。うまく先物を使ってお金を浮かせて、それを元手に追加の先物に投資するという発想を実践しています。

阿部:
「つみたてNISA」を使って長期の資産形成をしようという方々が増えていますよね。特に若い世代の方もどんどん始めています。ただ、もっと積立投資をやりたいと思っても資金が潤沢でない可能性もあります。投資資産の2倍、3倍相当のレバレッジをかけて運用することで、たとえば毎月1万円の積立投資をしていても毎月2万円、3万円の積立投資をしていることと同じような投資効果を得ることができる。投信ならではの仕組みで適度な倍率でレバレッジしていくことは、長期の資産形成にも有用だと考えています。

有賀:
ただし、レバレッジするならしっかり分散していることが大事になります。リスクをいっぱい取るからこそ、分散されてなければならないんです。「Tracers S&P500ゴールドプラス」と「Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)」は両ファンドとも、長く持っていただけるよう分散して2倍化しており、ルールに基づき「トレース」しています。


―S&P500とゴールドの組み合わせ

金澤:
Tracers S&P500ゴールドプラス」の商品開発では、まず株と金を組み合わせたら面白そうだという案があり、最初はS&P500以外にもいろいろな株価指数が候補に挙がりました。

阿部:
株価指数の部分を何にするかで議論しましたよね。金澤さんも様々な指数でシミュレーションをされていました。

金澤:
そうです、たくさんシミュレーションをしましたね。ただ、実際ファンドとして立ち上げるとなったときに、やはり株式の部分にはある程度知名度があって、名前を見ただけでどんな商品性かすぐに分かってもらえることが大事だということになりました。S&P500は非常に認知度が高いインデックスなので、金と組み合わせることで、たとえば今すでにS&P500を持っている方にも興味を持ってもらえそうだという意見がありました。

今任 英信(投信インフォメーション部):
金の活用も当社ならではの着眼点かなと思います。わたしはS&P500との組み合わせで「金」と聞いたときに、「来たな!」って思ったんです。

当社にはすでに金へ投資するファンドや金を組み入れたバランスファンドがあります。長期投資を続けるための商品設計に金を活用してきたという、当社のこれまでの歴史があったからこそ今回のアイデアが生まれたのかなと思いました。

金澤:
このファンドのリターンの源泉はとてもシンプルで、S&P500のリターンと金先物のリターンの合計になります。S&P500は一部の先物部分を除き現物に投資しますので、為替の影響があります。一方、先物部分は為替変動の影響を受けませんので金のリターンはそのままとなります。

阿部:
S&P500だけで200%にするのではなく金で2倍化。S&P500のリターンを削ぐことなく、プラスで金のリターンも得たいという方に興味を持ってもらえるのではと思っています。また金は現物ではなく先物に投資しているというところは、私はある意味で新しいと思っています。

※市況動向および資金動向などにより、上記のような運用が行なえない場合があります。

金澤:
商品開発にあたり、実際シミュレーションをしてみたら非常にパフォーマンスが良好だった、というところも当然ありますね。相性も良いです。S&P500と金先物の相関もマイナスの相関になっており、何か危機が起きたときにS&P500が下がっても、金がクッションの働きをしてくれる時もあります。

●S&P500:S&P500指数(税引後配当込み、円換算ベース)●金先物:ブルームバーグ金サブ指数(エクセスリターンベース、米ドルベース)●S&P500(100%)+金先物(100%)(シミュレーション):S&P500と金先物を100%:100%の割合で合成し、月次リバランス●S&P500(50%)+金先物(50%)(シミュレーション):S&P500と金先物を50%:50%の割合で合成し、月次リバランス※エクセスリターンとは、先物取引のロールオーバーなどを考慮したものです。 ※金先物は米ドルで決済される先物取引を活用しますが、買建額に対する為替変動の影響がないことから米ドルベースを掲載しています。なお、実際の金先物取引では、評価損益分や外貨建て証拠金については為替変動の影響を受けます。※上記指数は、当ファンドのベンチマークではありません。※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は、過去の指数データをもとに算出したシミュレーションの結果であり、将来の運用成果などを約束するものではありません。当ファンドの運用においては、売買コストや信託報酬、運用資産の規模、設定解約に伴なう資金流出入などによる影響が生じます。そのため、当ファンドの運用成果が、上記シミュレーションと同様のリターンを達成することを約束するものではありません。当ファンドの実際のパフォーマンスなどについては、開示資料などをご覧ください。※純資産の200%の運用を行なうことなどから、当該シミュレーション期間中の値動き(リスク)が大きかった点には十分ご留意ください。

●S&P500:S&P500指数(税引後配当込み、円換算ベース)●金先物:ブルームバーグ金サブ指数(エクセスリターンベース、米ドルベース)※エクセスリターンとは、先物取引のロールオーバーなどを考慮したものです。 ※金先物は米ドルで決済される先物取引を活用しますが、買建額に対する為替変動の影響がないことから米ドルベースを掲載しています。なお、実際の金先物取引では、評価損益分や外貨建て証拠金については為替変動の影響を受けます。※上記指数は、当ファンドのベンチマークではありません。※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

金澤:
また、リターンの向上だけでなく運用効率も上がりました。S&P500も金も過去から長期的にみればリターンはプラスになっていますが、それぞれ単体で持つよりも、両者を100%ずつ併せ持ち、合計で200%に投資するほうがメリットがあるということです。

阿部:
レバレッジするなら分散していることが大前提だと有賀さんが言ってましたが、まさにそれですよね。S&P500にしても組入銘柄数は500などに分散されていますが、資産を超えた分散という考え方はそもそもあるべきで、指数を単体で持っている方にとっても真の分散効果を提供できそうです。

今任:
資金効率アップの手法としては、S&P500とかNASDAQなどの指数を2倍にするといったファンドもありますが、投資家にとって長期投資であればあるほど「リターンの源泉」と「リスクの要因」をしっかりと分散した上で2倍化(レバレッジ)していこう、という当社ならではの考え方を実践しているのがこのファンドですね。

金澤:
同じ指数をレバレッジしているのか、または分散効果がある金と株式を組み合わせているのかというところですが、当ファンドと各指数を2倍にレバレッジした場合のシミュレーションをしたところ、特に当ファンドでは最大ドローダウンが非常に抑えられていることが分かりました。また運用効率(リターン/リスク)も優れていました。ですので、より投資家に長く持っていただきやすい仕組みになっているのかなと考えています。

●当ファンドのシミュレーション:S&P500 (税引後配当込み、円換算ベース)と金先物ブルームバーグ金サブ指数(エクセスリターンベース、米ドルベース)を100%:100%の割合で合成し、月次リバランス●S&P500 2倍レバレッジシミュレーション:UBSマーケット・ベータ・米国株式インデックス・エクセスリターン(米ドルベース) の月次リターンを2倍化し、円キャッシュ(円1ヵ月LIBOR)の運用収益を加味●NASDAQ100 2倍レバレッジシミュレーション:UBSマーケットベータ・米国グロース株式インデックス・エクセスリターン (米ドルベース)の月次リターンを2倍化し、円キャッシュ(円1ヵ月LIBOR)の運用収益を加味※エクセスリターンとは、先物取引のロールオーバーなどを考慮したものです。 ※リターンは月次リターンの平均、リスクは月次リターンの標準偏差を、それぞれ年率換算。※上記指数は、当ファンドのベンチマークではありません。※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※上記は、過去の指数データをもとに算出したシミュレーションの結果であり、将来の運用成果などを約束するものではありません。当ファンドの運用においては、売買コストや信託報酬、運用資産の規模、設定解約に伴なう資金流出入などによる影響が生じます。そのため、当ファンドの運用成果が、上記シミュレーションと同様のリターンを達成することを約束するものではありません。当ファンドの実際のパフォーマンスなどについては、開示資料などをご覧ください。 ●純資産の200%の運用を行なうことなどから、当該シミュレーション期間中の値動き(リスク)が大きかった点には十分ご留意ください。

阿部:
ただし、金と分散しているとはいえやはり「投資金額を2倍化」している分、値動きは大きくなる可能性もあります。そういった意味でも、長期投資の時間とリスクを取る覚悟はあるけれど、毎月積立にまわすお金は多くできないといった方などに、少額からの長期的な資産形成ツールとして活用いただけるのではと考えています。

今任:
投資家の方の中にはマーケットの変動に対して大きなリスクを取りたくない方もいらっしゃると思います。またレバレッジすることにも抵抗感がある方もいらっしゃると思います。「有事の金」はそのような方々の“心の用心棒”になれるかもしれないと、わたしは思います。また、なかなか投資の第一歩を踏み出せなくてどうしようかと考えている方にも、よく知る「S&P500」と有事の「金」の組み合わせの分かりやすさが、投資を始めるきっかけとなれたら嬉しいです。

阿部:
足元のようにインフレが常態化しつつある中で、金を投資対象に入れるという選択はこれまで以上に必要というか、かなりニーズは出てくると思います。ですから、このファンドは本当に“ゴールデンコンビ”なのではないかな、とそう思っています。




―地球上の株式に徹底分散し 2倍にして投資

*市場規模や流動性、取引規制などの投資環境を考慮し、当社が投資可能と判断した世界各国の株式へ分散して投資を行ないますが、現時点ではカバーできない国・地域も存在します。


阿部 慎太郎(資産運用サポート部):
Tracers グローバル2倍株(地球コンプリート)」は2021年12月に設定したファンドですが、今回、名称変更してTracersシリーズとなりました。

有賀 潤一郎(商品開発部長):
このファンドは、正式名称にもカッコ書きしているように新興国株式を含む世界の株式を投資対象として、地球全部、隅々のところまで徹底的に分散して、それを2倍のエクスポージャー(投資している状態)にしていくという発想のファンドです。決めたルール通りにまさに「トレース」するということで、Tracersシリーズに加えることになりました。

※市況動向および資金動向などにより、上記のような運用が行なえない場合があります。

奥村 崇(資産運用サポート部):
単一指数連動の2倍ではない、という点がユニークなポイントになりますよね。

有賀:
「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(以下、MSCI ACWI指数)」の2倍レバレッジのイメージに近いですが、全体が200%の投資比率になる中で、1つの国への投資上限を100%というルールを定めており、米国株式への投資比率は全体の半分までに抑えます。

*純資産総額比

阿部:
現在、世界の株式時価総額の約50~60%は米国が占めていますので、インデックスベースで考えるとどうしても米国への投資比重が高くなりがちな投資家の方も多いのではと思います。このファンドでは強い企業が集まる米国はしっかりと100%分押さえた上で、それ以外の国の企業にも、もう100%分投資するかたちを持つことになりますね。シンプルに世界の株式のリターンを追求したいという方にも興味を持ってもらえるのではと思っています。

有賀:
S&P500などの主要指数先物はもちろん、ETFも駆使して時価総額ベースで世界の株式市場の大半を、いわゆる「MSCI ACWI指数」よりも広範にカバーするルールをつくり、それをトレースしていきます。指数を2倍にするという考え方もありますが、このファンドではリスクテイクの水準を高くするにしても、できるだけ分散したかたちで2倍にしたいと考えました。投資対象としては株式のみですが、とにかく広く世界中の株式に分散することを目指しています。

*市場規模などを考慮して世界各国の株式市場に分散して投資を行なうことで、時価総額ベースで世界の大半をカバーした運用。

上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

阿部:
投資対象がインデックスの先物やETFなので実はファンドの中で発生しているコストも抑えられていますよね。コスト意識の高い方や世界株式に興味のある方にも注目してもらえるのではないかな、と思っています。

有賀:
そうですね。このファンドで使う先物やETFは非常に流動性の高いものばかりで、またコストの点でも、売買取引の点でも非常に効率的な運用ができる商品設計になっています。

実はSNSなどで、「MSCI ACWI指数」なのか「グローバル2倍株(地球コンプリート)」なのか、といった議論をしてくださっている方もいらっしゃって、非常に嬉しいです。当ファンドは新興国も含めた世界中の株式が投資対象です。現時点では流動性などの関係からカバーできないエリアも、将来的にはカバーして「コンプリート(完成)」させることを目指しています。

奥村:
現状、先物やETFを通じて約8,000銘柄に投資していますが(2022年7月末時点)、今後も投資する国・地域・銘柄の数は増加していくと。このファンドのユニークさはそこにもありますよね。

上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

有賀:
地球全体を塗りつぶしていく(極力広く国・地域に投資する)という発想です。今後、純資産残高の増加に応じて異なる先物やETFなどにも投資を行なうことで、投資する国・地域・銘柄の数は増加する見込みです。ファンドの成長とともに地球上の株式を徹底分散して「コンプリート(完成)」させていきながら「地球2つ分」の投資をしていきます。

*株価指数先物取引の活用によって、純資産総額の2倍相当額を世界各国の株式に分散して投資を行なうこと。


阿部:
2倍でレバレッジをかけているので、為替リスクも2倍になるの、というご質問をいただくことがあります。このファンドは株式指数先物を活用していることがポイントです。実質的に為替変動の影響を受けるのは、主に新興国株式部分です。先進国部分については、先物取引の証拠金や評価損益部分にのみ為替リスクが発生しますが、それ以外は発生しません。

※先進国の株価指数先物取引においては、買建額に対する為替変動の影響がないものを中心に投資対象とするため、為替変動の影響を受けるのは、主に評価損益分と外貨建証拠金となります。また、米ドル建て資産の部分(ETFや証拠金など)と、新興国の株価指数先物取引における実質的な米ドル売り(新興国通貨買い)の部分が相殺されることによって、実質的に米ドルについての為替ヘッジを行なった場合と同等の効果が期待されます。

奥村:
確かに投資家の中には、世界株式のリターンを得たいけれど、一方で必ずしも為替リスクを取りたいわけではない方もいらっしゃると思います。普通の海外株式インデックスですと100%の為替リスクを持つことが多いので、その点も当ファンドのユニークさですね。

阿部:
「グローバル2倍株(地球コンプリート)」は、例えば1万円投資すると、米国に1万円と米国以外にも1万円分を投資していることになります。もちろんリスクはその分大きくなる可能性がありますが、だからこそ長期の資産形成ツールとして、少額からでも、長い時間軸とともに活用していただきたいファンドです。



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