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#04 投資信託のリスクって要は?

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ポイント

  • 日々のリスクは気になるけれど、私たちにとっての真のリスクとは、将来の目的が達成されないこと

  • 「途中のリスク」と「最後のリスク」を切り分けて、リスクと上手に付き合うことが大切です

投資は「曲線」?

「預貯金は直線で増えるが、投資は必ず曲線になる」――これ、スゴく大事な投資の本質です。株式や債券といった、刻々と値段が変動するものを利用して行なう投資というものは、必ずあなたのお金の価値(評価額と言います)を曲線にしてしまいます。

その「曲線」の振幅度合いを数学的に処理した数値が「投資理論におけるリスク値」です。
5年で50%上がったこの↓例で、その考え方を見てみましょう。

A時点からB時点まで赤線の直線のリターンは50÷5=年率10%です。それに対して水色の曲線は、プラスだったりマイナスだったりして直線との毎年のリターンとの差があります。その緑矢印の長さを平均したものが、投資の計算に使われる「リスク値」(数学的には標準偏差と呼びます)というヤツです。

以上終わり、です。難しく考える必要はありません。
あくまでも、“過去に起こった”振れ幅を計算したら「〇%のリスク値だった」という専門家の共通言語に過ぎません。過去の話です、あくまで。

実用的には、株式100%のファンドは過去、“運”が悪い時には1年あたりで4割から5割くらい下がる時が結構あった、だから今後もそれくらいの覚悟は必要かも――くらいに覚えておけば十分です。

ただ、その後には続きがあります↓

楽観と失望の振幅

その下落の後にはやがて同じような迫力で上がることが多く、その繰り返しで結果、100が150になるような大きなリターンを見せてきました。これがよく言う「ハイリスク・ハイリターン」の意味です。

長く持つと価値が増えそうだと皆が期待する株式は、短期的には期待への楽観と失望とが繰り返されるため振幅が大きくなりがちです。

一方、満期が決まっていて定期的に利息が受け取れる債券は、「読める部分が大きい」ため価格の振れ幅は小さくなります。その代わり価格の上昇による高いリターンは望めません。「ローリスク・ローリターン」
ってやつです。

「途中のリスク」と「最後のリスク」?

さて、個人の資産形成を考える私たちにとって最も重要な「リスク」とは何でしょうか。

それはこの計算で求められるリスク値ではなく、自分がゴールとしているタイミングにおいて「100は果たして150になってくれるかどうか」のはず。

150になると期待して人生設計していたのに110にしかなってくれなかったり、110どころか80で使う時を迎えてしまうことが、一番怖い「真のリスク」ではないでしょうか。

足もとばかりを見ているとつい、その日々の変動を怖がって尻込みしたり、始めたものを止めてしまったりしがちな私たち。

大切なことは、自分にとっての「真のリスク」が何かを理解すること。長期の資産形成なら、「日々のブレを示すリスク」は、無視する努力をすること。つまり、リスクを「途中のリスク」と「最後のリスク」に分けて理解するのが、極めて重要です。

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