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#08 REIT(リート)と投資信託の関係って?

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ポイント

  • 「不動産賃貸業に特化した企業の株式みたいなもの」がREIT。安定収益イメージを持つのはちょっと違います

  • 株式と同じように考えて、まずはバランスファンドの「パーツ」として検討しましょう

誤解されやすいREIT

投資信託が投資する資産は、主に3つ。REITは「Real Estate Investment Trust」という、海外で生まれた名前の頭文字がそのまま名称になっており、その日本語訳が「不動産投資信託」であるため誤解されやすいのですが、私たちが買う「投資信託」というわけではなく、あくまで株式と債券と同じ「有価証券」がREITです。

それにも関わらず、REITのことを「不動産の大家さんになるようなもの」で、「家賃がコツコツ入ってくるので安定的な投資」だとする解説を目にすることがあります。でもそれは投資信託の投資対象としてのREITの説明としては正しくありません。

投資信託の投資対象としてのREITは、あくまでも株式や債券と同じように市場で取引されている有価証券であり、日々投資家に売買され、価格が上がったり下がったりしています。

しかもREIT価格の変動率は結構大きいので要注意。株式に比べて市場規模が小さいため、上にも下にも値動きが大きくなりがちなのは知っておきたい特性です。

株式と債券の性質を併せ持ち?

一方、REITの魅力は株式と債券の両方の性質を併せ持っている点にあります。REITには債券の利子にあたる定期的なインカム(証券の保有者が受け取れる現金)がありますが、それは債券の利子や株式の配当金に比べて高めであり、しかも比較的安定しています。

その背景には、REITの運営主知の収益源泉である賃貸物件の賃料が、そんなにコロコロと変わるものではない、という点があります。

さらに、株式のようにREITの価格の値上がりが期待できる点も魅力です。REITの証券を発行するREIT法人は、いわば賃貸業に特化した不動産会社みたいなものであり、賃貸物件を自ら保有して賃料を収入としています。オフィスビルに特化したREITもあれば、ショッピングセンターを保有して入居する店舗を入れ替えたり、リノベーションをしたりして賃料を稼ぐREITもあります。

景気が良くて不動産市況も良ければ、そうした有料なREITの価格も、株式のように上昇が期待できます。これは債券にはない性質です。
このように「債券の利息収入的な側面」と「株式の価格上昇期待の側面」の両方を持つのがREITの魅力。ただ、まだ市場の規模や成熟度が株式に比べて劣るため、時に意外なほど値動きが大きくなるのはデメリット、と覚えておきましょう。

単体だとやや上級者向け、まずはパーツとして

したがって、REITのファンドは単体で持つのはやや上級編の選択肢。まずはバランスファンドの「パーツ」として取り入れることから考えるのが良さそうです。

バランスファンドとは、株式と債券、そしてREITなどを一定の比率で組み合わせた、あらかじめ分散投資のかたちとなっているタイプの投資信託。株式だけの投資信託に比べると環境が良い時の「上昇パワー」は劣るものが多いですが、悪い時の下落率がマイルドになることが多く、高いリスクを取れないお金には向いた投資信託です。

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