Series1.まずは「お金のキホン」から
3. 一番大事な「必要利回り」という概念
「ホントは嫌だけど、自分のためにリスクを取ろう!」という前を向く人のためのツールが投資信託です。
趣味で株式を売買するためのお金は別として、将来の自分や家族のための大事なお金に関しては、誰もが元本保証がいいに決まっています。
しかし、そのお金がまだ十分な大きさでなく、将来のためにもっと増やしておきたいと願うなら、前を向いた本気の資産運用こそが、検討すべきアクションのひとつとなります。
スタートラインは「いくらにしたいか」「何歳でどれくらいの耐久力のあるお金を持っておきたいか」という目標金額、いわばゴールです。それが明確になれば、以下の3つを検討できるようになります。
①元本―――― 将来のために、今いくらくらい投じられるか
②期間―――― どれくらいの期間をその将来のための「作戦」に充てられるか
③必要利回り― では、どの程度の利回りが必要か
「必要利回り」が預貯金金利より高い場合、それは何らかのリスクテイク(リスクをとること)が必要であることを意味しています。
例えば15年後に今のお金を2倍にしておくことが必要なら、必要利回りは年平均4.7%。もしもっと早く、10年で2倍にしたいと欲張るなら、さらに高い7.2%が必要ということ。いずれも裏にある何らかのリスクを受け入れなければ、実現しない利回りです。
必要利回りが高ければ高いほど、裏にあるリスクは一般に高くなります。一方、過去のリターンを平均したところで、実はこれからの予想にはほとんど意味がありません。なぜなら今後の値動きは過去とは別物だからです。
しかし、感覚的に言って、数年以上の運用の結果として年平均5%を期待しようという場合は、株式を多めにしたバランス型ファンド(株式や債券など複数の資産をパッケージした分散型)か、株式100%のファンドを選ぶ必要があると言えます。年平均10%以上などの場合は、「株式100%のファンドをしっかり長期で持ち切ること」が必要な場合がほとんどと言えるでしょう。