Series5.ファンドの持ち方

1. 買った後が実は一番大事
いつでも情報が取れる相談相手を持っておくのは悪くない選択肢です。

投信は「銀行や証券会社の窓口で買ってはいけない」という意見が、ややヒステリックに広まっていることが気になります。

業者側の利益や手数料が決して明らかにされない自動車や携帯電話のキャリアサービスを普通に店舗で購入する人も、こと投信には(コストがガラス張りであるにも関わらず)相当に疑心暗鬼で、金融業者を最初から「騙す人」のように考えてしまうメディアの風潮は、結果的にいつまでたっても「一歩を踏み出せない人」を増やすだけなのではないかと心配です。

自分でとことん勉強し、ネット取引で自己完結できる日本人は今後確かに増えるはず。そういう人は窓口でのアドバイスなしに、ノーロードで購入することを選ぶでしょう。

しかし資産運用の成否のカギは、当初のコスト以上に買った後の「気流変動」時にあります。その時にいつでも電話できる、情報を送ってもらえるパートナーを持つことは、決して悪い選択肢ではありません。

alt

投信を買う時のコストのひとつである「申込手数料」は、日興アセットには渡らず100%販売会社(銀行や証券会社)が受け取ります。購入時の商品選びのサポートの対価であるのはもちろん、購入後の情報提供、いわゆるアフターケアの料金を先払いしているとも言えます。

仮に最安値でなくても店舗スタッフと一緒に、様々なメーカーを比較しながら自分に合った冷蔵庫を買いたい人は、きっとネット通販でなく家電量販店に行くでしょう。また、故障したらすぐに家まで来てくれる「街の電気屋さん」の人気も復活中と聞きます。

「買った後が実は一番大事」な投信は、大学駅伝の伴走車のようにそっと寄り添い、後ろから必要なアドバイスをくれる人が必要な側面があると言えるかもしれません。

alt
alt