Series2.「投信の仕組み」これだけは

4. 基準価額って要は何?
毎日1回だけ算出される、1口当たりの時価。
日々のコストの負担もガラス張りです。

投信の1口当たりの価値を基準価額と言います。基本的に1日に1回だけ決まり、日興アセットのような運用会社のホームページに夕方から夜にかけて掲載され、翌日の日経新聞などに載ります。秒単位で刻々と変わる株価とは違う、ずいぶんとノンビリした仕組みです。

基準価額は下図のように「資産」と「口数」との割り算で計算されます。つまり、1口当たり*の投信の時価が基準価額というわけです。

投信の資産は毎営業日、証券取引所などで付いた最終値段を、保有している量と掛け合わせた「時価総額」として求めます。もし海外資産が入っている場合は、海外市場での最終値(昨晩の米国市場など)に今日の10時の為替レート**をかけて円換算するなどのルールに基づいて算出します。

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*一般的に10,000を掛けて表示されています。
**一般的な公募投信の場合。ファンドオブファンズなどでは異なる為替適用ルールのものもあります。

分母は保有者全員の口数の合計です。一般的なタイプの投信であれば、計算する今日にも買った人と売った人の両方がいるため、毎日変動します。

毎日引かれるコストー信託報酬(運用管理費用)

分母の口数と分子の資産の時価とが決まれば割り算ができますが、実際には信託報酬の1日分を差し引いてから割り算をします。それが「信託報酬」と呼ばれる、お客様の保有期間中ずっと日割りで徴収される手数料です。

割り算の前に引き算をするので、当然引く前よりも基準価額は下がっています。つまり信託報酬とは、保有中のコストとして「毎日少しずつ基準価額を下げるかたち」で差し引かれ、関係する3社で按分される手数料と言えます。

これ以外は損も得もすべてお客様のもの。ある意味「ガラス張り」の商品と言えるかもしれません。

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