Series2.「投信の仕組み」これだけは

5. 基準価額は「額」でなく「率」で
「マイナス200円」などという日はビックリしますが、あくまで大事なのは「率」ですから。

投信を保有していると、どうしても日々の基準価額が気になるもの。最も早く載るのは運用会社のホームページで、日興アセットでは18時から19時頃に「基準価額速報」としてアップされます。

その時、前日比で200円も下がっていたら少しビックリするかもしれません。「次の行にある投信は30円しか下がっていないのに、失敗した...」などと考えるかもしれません。

しかし以下の通り、大事なのは「額」でなく「率」です。考えてみれば当たり前ですが、基準価額が20,000円の投信の200円と3,000円の投信の30円は同じなのです。

「200円も下がった!どうしよう...」と考えるのではなく、「それは何%なのかな?」と変化率で考えるクセをつけることが大切です。最近の運用会社のホームページでは「額」と「率」を併記しているところも増えてきました。

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単なるモノサシ

もうひとつの誤解が「もう12,000円?そんな高い投信は買いづらいよ」といったものです。感覚的にはよく分かるのですが、実はそれも正しくありません。

基準価額とは、買った時点からの変化率(リターン)を測るモノサシでしかありません。そもそも下の絵のように、ファンドAとBが生まれた時点が①と②のように異なれば、同じ運用であったとしても③の時点では10,000円と5,000円となっているのです。ここで「5,000円のBがAより劣っている」とか「Bに比べてAが高くて買いづらい」と考えるのが正しくないのは明らかでしょう。

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大切なのは買った後に「その投資対象が」上がるかどうかであり、基準価額の水準自体に「高い・安い」の意味はありません。もし③で買った後にその投資対象が1割上昇すれば、ファンドAは10,000円が11,000円になり、ファンドBは5,000円が5,500円になり、投じたお金が100万円なら110万円になっているのですから*。

大事なのはやはり「率」なのです。

*簡易的な説明をしています。投資対象の変動率と投信の変動率とは、その投信の投資目的やインデックスファンドかどうかなどの商品性の他、様々 な要因により異なります。また投資金額がいくらになっているかどうかについては、税金や手数料等のコストを考慮していません。