【ETF用語集】トラッキングエラー

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  • 2019年09月11日

はじめに

今回は『トラッキングエラー』について解説します。

そもそも、トラッキングエラーと聞いてもイメージがわかないのではないでしょうか。しかし、ETFを知るうえでとても重要な用語です。わかりやすく一緒に勉強していきましょう。

トラッキングエラーとは

連動対象とする指数の収益率とファンド(ETFを含む)の収益率との差のばらつき具合を標準偏差で表現したものです。ETFを含めたインデックス運用(パッシブ運用)の場合、0に近いほど連動性が高い運用がなされていると判断されるものさしです。

なぜトラッキングエラーが注目されるの?

大前提として、ETFなどのインデックス運用(パッシブ運用)では、その運用をする際に指数に連動することを目指します。指数には、例えば「TOPIX」や「日経平均株価」などがあります。しかし、運用を行う中で、様々な要因によって指数とファンドのリターンのズレ(乖離)が発生することがあります。

例えば、皆さんが資産形成をお考えになった際に「よし、TOPIXに連動するETFを買おう」と思われたとします。しかし、このETFがTOPIXに連動しなかったとしたらどうでしょうか。形成されていく資産が、当初イメージしたものと大きくかけ離れてしまいますよね。それでは困ってしまうので、これまでこのETFはどれくらい上手に指数に連動できているのか、その指標となるのがトラッキングエラーです。

トラッキングエラーって、どうやって見たらいいの?

では、次の3つのETFの中で、指数との連動が最も上手なETFはどれでしょうか。

TOPIX連動型ETFトラッキングエラー(年率)
A社ETF 0.0760%
B社ETF 0.0984%
C社ETF 0.1134%

※上図は例です。



正解はA社ETFになります。トラッキングエラーの数字は、小さいほど、連動する指数からの乖離が小さい、つまりは運用の質が高いということを表します。

まとめ

トラッキングエラーをどれだけ小さくできるかは、各運用担当ファンドマネージャーの腕の見せ所でもあります。ETFを評価する指標のひとつとして参考にしてはいかがでしょうか。

ご参考

コラム もっと知りたいETF No.3 ETFの価格について整理しましょう(1)~「市場価格」と「基準価額」

関連用語

用語

指数:
一般的に指数とはある事象の性質や程度を示す指標として、特定の方式で表した数値のことを指します。金融では、ある目的、例えば日本やアメリカの経済の状況や、日本の新興企業等の状況を示すために、その企業の株価などを、ある一定のルールに従って選んで計算して出した数値が指数です。東証株価指数(TOPIX)ですと、東京証券取引所に上場している企業すべての株価をもとに数値を計算しています。
インデックス運用:
対象指数と同じ銘柄・比率で株式や債券を保有する方法や、定量的な分析によってその株式や債券の保有比率を工夫する方法、また派生商品を使う方法で、指数の動きに連動する投資成果をめざす運用手法です。市場平均並みの投資収益の確保を目標としています。インデックス運用は、パッシブ運用とも呼ばれます。一方、市場平均以上の投資収益の確保を目標とし、調査や分析により投資銘柄を選別し投資する投資手法はアクティブ運用と呼ばれます。