【インデックス投資】一般的な投資信託と上場投資信託(ETF)の違い
- 2021年5月6日(2024年11月5日一部追記)
投資を始めようと考えた時に「日経平均株価」や「NYダウ」といった代表的な指数に連動するファンドへの投資を検討する人も多いのではないでしょうか。
指数に連動することを目指す投資は「インデックス投資」と呼ばれ、値動きがわかりやすく、幅広い銘柄に分散投資ができ、比較的低コストであることから、最近では初心者の方にもおすすめの投資手法のひとつとして広く知られてきました。
インデックス投資ができる金融商品には、一般的な投資信託と上場投資信託(ETF)があります。今回は、一般的な投資信託と上場投資信託(ETF)の違いを解説します。
インデックス投資の2つの方法
はじめに、一般的な投資信託と上場投資信託(ETF)はどちらも投資信託で、同じ指数への連動を目指すインデックス運用であれば、中身にほとんど違いはありません。大きな違いは、投資信託が「証券取引所に上場しているかどうか」です。ここでは非上場の投資信託を“投資信託”として説明を進めます。
ポイント
・投資信託とETFでは購入できる金融機関が異なる
・ETFは証券会社ならどこでも購入可能
投資信託 | ETF | ||
---|---|---|---|
証券取引所への上場 | 非上場 | 上場 (東京証券取引所) |
|
購入できる金融機関 | 銀行、証券会社、郵便局などの金融機関 *投資信託の取扱いは金融機関ごとに異なる |
国内のすべての証券会社 |
取引方法
ポイント
・投資信託は、基本的に定期・定額での購入が可能
・ETFは、株価(価格)を見ながら、リアルタイムでの売買が可能
投資信託 | ETF | ||
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取引通貨 | 日本円 | 日本円 | |
最低購入金額 (2021年4月27日時点) |
100円から取引可能な金融機関も | 数百円から約50万円* | |
金額指定での購入 | 〇 | × | |
定期購入 | ○ | △ 一部の証券会社では可能 |
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つみたて購入 | ○ | △ 一部の証券会社では可能 |
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リアルタイム取引 | × | ○ 取引所の取引時間中のリアルタイム取引が可能 |
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成行注文 | × | ○ | |
指値注文 | × | ○ | |
分配金再投資 | ○ | × 自動再投資はできない |
*日興アセットマネジメント調べ
価格の決まり方
ポイント
・投資信託の価格が決まるのは、1日に1回だけ。購入申込してから価格が決まるまでタイムラグがある場合も。
・ETFは、株式と同様に東証の取引時間中に需給により価格が変動するが、約定したタイミングで取得価格が決まる。
投資信託 | ETF | ||
---|---|---|---|
取引時間 | 一般的に、当日申込は15:00まで | 9:00-11:30, 12:30-15:00 (東京証券取引所) |
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取得価格 | 1日1回算出される基準価額 | 約定したタイミングでの市場価格 |
<注1>2024年11月5日、東京証券取引所の取引時間の延伸が実施され、ETFの取引時間の終了時刻は15:30となりました。
<注2>2024年11月5日以降、投資信託の取引時間の当日申込締切は、原則として15:30となりました。申込締め切り時間はファンドによって異なります。
手数料
ポイント
・ETFは、株式と同様、売り買いの際には売買手数料がかかる。
・ETFやインデックスタイプの投資信託は、アクティブファンドと比べて信託報酬は低めに設定されていることが多い。
投資信託 | ETF | ||
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購入時手数料 | あり *取扱金融機関により異なる。ノーロード(=販売手数料がかからない)商品も増えている |
あり *証券会社により異なる。キャンペーン等で無料の場合も |
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信託報酬 | あり *アクティブファンドと比較すると低めに設定されている |
あり *アクティブファンドと比較すると低めに設定されている |
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売却・解約時の費用 | ファンドによる *信託財産留保額や換金手数料がかかる場合がある |
あり *証券会社により異なる。キャンペーン等で無料の場合も |
税金関係/NISA
ポイント
・ETFの分配金は、運用収益を分配するため、元本払戻金(特別分配金)がありません。
・つみたてNISAはETFでは対象銘柄・取扱い金融機関が少ない。
投資信託 | ETF | ||
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分配金 | 普通分配金は課税対象。元本払戻金(特別分配金)となる場合(非課税)がある | 分配金は課税対象。元本払戻金(特別分配金)はない。 | |
NISA | 対象 | 対象 | |
つみたてNISA | 対象商品のみ(186銘柄)*1 *取扱いは金融機関ごとに異なる |
対象商品のみ(7銘柄)*1 *取扱いは金融機関ごとに異なる |
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二重課税調整(外国税額控除)の対象 | 取引している金融機関に問い合わせ | 東京証券取引所ホームページで確認*2 |
*1つみたてNISA 対象商品の分類 2020年12月23日時点(PDF)
※金融庁のサイトに移動します。
*2投資信託等の二重課税調整制度の対象となる可能性の高いETF・REIT(PDF)
※日本取引所グループのサイトに移動します。
信用取引
ポイント
・ETFは、株式の取引と同じ売買ルールなので、信用取引が可能。
投資信託 | ETF | ||
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信用取引 | × | ○ |
貸株サービス
ポイント
・ETFは貸株サービスを利用することができる。
投資信託 | ETF | ||
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貸株サービス | × | ○ |
まとめ
同じインデックス投資でもETFと投資信託ではそれぞれの特徴があります。特徴をご理解いただき、投資をご検討いただく際に参考にしていただければ幸いです。
投資信託 | ETF | ||
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メリット | 定期・定額が可能で、つみたてに向いている。 | リアルタイムで、市場の価格を見ながら、成行や指値などの方法で売買が可能。 相場の急落時などに売却しやすい。 |
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デメリット | 投資信託の値段=基準価額が算出されるのは1日1回のため、購入時に価格を確認することはできない。 | つみたてなど定期・定額購入は難しい。 |