2021年の株式市場を、日米それぞれの「コロナ・ショックからの回復」「さらなる上積みの可能性」の観点からみた上で、リスクを確認しよう。
2020年のコロナ・ショックは誰にも予想できなかったものの、回復の道筋は多くの市場参加者が昨年 4-6 月に想定していた通り進んだ。経済は新型ウイルスの新規感染者数の増加に左右されず、主要先進国は医療崩壊を避けつつ、行動制限をコントロールしながら生産活動を再開させ、国内消費の支援を続けた。その結果、非接触型関連を中心にモノの消費が回復し、一部の国ではサービス消費の回復もみられるようになった。
米国は、過去10年間の大部分において悪材料が最も少ない市場とみなされ、新興国を中心として世界の他の国々がそれまでの10年間における不均衡な過熱状態からの調整に苦戦するなか、米国のオーバーウェイトを維持してきた者は報われる結果となってきた。現在、米国はCovid-19(新型コロナウイルス感染症)の感染動向が最も深刻化している一方、各国による協調的な金融緩和によって米国以外の国々は成長に向かうリフレ環境がまさに生まれつつあるかもしれない。