はじめての投資Q&A

  • 2019年08月29日

投資をするタイミングがわかりません

投資初心者

当連載では、これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。 これまで、投資対象や投資方法について詳しく学んできました。今回は実践編のお悩みとして、「投資のタイミング」についてがテーマです。具体的にどうしたらいいのか、一緒に考えていきましょう。

いつ買えばいいですか?最初に投資を始めるタイミングは?

こたえはずばり「いまでしょ!」です。投資のタイミングをはかることはあまりお勧めしません。未来に下がると分かっていれば下がったときに買えばよいのですが、未来のことが正確にわかる人には会ったことがないし、いないと思います。
その意味で、「やらない」か「やるか」の選択でしかないと思います。

 

どう買えばいいですか?買い付けの心理を助ける方法~購入時期の分散

時間分散は実践しやすい方法です。ひとつには、毎月の給料などの一部を積み立てるという意味で、毎月決まった額を投資にまわすことができます。もうひとつには、価格が下がったら投資商品を買うといって、上がり続けてしまった場合に買い損なう(投資できない)こともありません。また、いつも決まったタイミングで買うようにしておけば、買い損なっていらいらしたりすることもなく、仮に買っている投資商品の価格が下がっても、そのときには同じ金額でたくさんの単位を買うことができます。
それから、一時的に得た資金(例えば退職金など)を投資する場合も、一度に買わず、3ヶ月くらいで30%、40%、30%と3回に分けるという考え方があります。買い始めてから価格が上がっても安く買った部分があるのでうれしいし、下がってもまだ買い付け単位が安いので平均コストを下げることができます。本当に心配な事態が起こったら買い付けを止めることもできます。もっともこれは、リターンが一番高い方法ということではなくて、「3ヶ月くらいかけると後悔することが少なくなる」という心理的な負担を少なくする買い付け方法です。購入時期を分散することで、そもそも投資を開始するのは「いまでしょ!」と言えるわけです。

投資の目的に立ち返ろう。長期の目線を持っておくことが大事

投資の目的を決めずに投資する人が多すぎると思います。「何がいいの?」とか「どれが人気なの?」などという買い方をしていては、目的を見失いやすいです。長期の投資の目的は、引退後の“潤いのある生活”でした。そうだとすれば、自分が働けないときでも誰かが働いてくれて分配してくれる世界中の株式や、家賃収入を長期に期待できるREIT(リート)などへの投資を検討したいですね。
また、一般的には、「分配金がいくらか」だけを見て投信を選ぶこともよくないです。引退後に、分配金が多い設計になっているファンドの投資割合を多くしていくなどは、分配金を投資の成果として“潤いのある生活”に充当することができるため適切な場合もあるでしょう。目的に応じて商品を選ぶことをいつも心に留めて、金融機関の担当者などと対話してみてください。


まとめ

投資のタイミングに迷ったら、「決まった日に買う」や「3回に分けて買う」など時間分散も有効。
長期の投資の目的を忘れずに。



【次回】投資のあとに何かする必要はありますか。(2019年09月26日掲載予定)



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神山直樹

神山直樹(かみやま なおき)
日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト
2015年1月に日興アセットマネジメントに入社、現職に就任。1985年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)にてそのキャリアをスタート。日興ヨーロッパ、日興国際投資顧問株式会社を経て、1999年に日興アセットマネジメントの運用技術開発部長および投資戦略部長に就任。その後、大手証券会社および投資銀行において、チーフ・ストラテジストなどとして主に日本株式の調査分析業務に従事。

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