頭が固くなった自分に反省~上場Jリート(ミニ)上場にあたって

頭が固くなった自分に反省~上場Jリート(ミニ)上場にあたって

  • 2019年05月23日

頭の固い自分に反省(その1)

ここ数年、野鳥の写真を撮ることにはまっている。近隣の都市公園に出かけて、野鳥を見つけては写真に収めている。野鳥の写真撮影には相応の望遠レンズが必要になるが、その大きさがばかにならない。現在、使っているレンズは直径10cm、長さが最短で30cm、重さが2kgである。これにカメラ本体の重量1kgが加わる。このかさばりと重量になると、通常の肩掛けバックに入らなくなるのでカメラリュックを購入した。それでもカメラにレンズを付けたままでは収まらないので、分割して収納していた。

そのうちに、サッとカメラを取り出して、すぐに撮影できるようにしたいと思うようになってきた。というのは、不思議とカメラの準備をしているときやカメラを収納した直後に野鳥が出てきて撮影チャンスを逃すことが多々あったからだ。また、屋外でレンズとカメラを装着するのにはゴミが混入するリスクが比較的高い。あこがれのハヤブサを撮ったときにゴミが混入してしまったことがあって、折角の写真が台無しということがあった(掲示の写真はそのときのもので、鳥の尾羽のうしろにゴミが見える)。そのため、レンズとカメラをセットしたままにしたいのだが大きさが50cm近くになってしまう。そのままでは現在持っているカメラリュックには入らない。やっぱりカメラリュックの買い替えか…とネットでカメラリュックを物色していて収納例の写真を見ていたところ、あっと気付いた。現在のカメラリュックの仕切りを付け替えれば入るではないか。ああ!何と自分の頭の固いことか。

頭の固い自分に反省(その2)

今年2月に開催された東証IRフェスタで日興アセットもブースを出展し、個人投資家の皆様のお話を聞かせていただく機会を得た。低金利環境下で個人投資家の方々も配当利回りの水準に高い関心を持っておられた。当社のETFの中では、「上場新興国債(1566)」、「上場外債(1677)」、「上場Jリート(1345)」への関心が高かった。

個人投資家の方によく聞かれる質問は、「『上場外債(1677)』の市場売買単位が10口、おおよそ、50万円程度(2019年2月23日現在)なので、もう少し売買しやすい単位にできないか」というものだ。この質問を受けるたびに本当に申し訳ないと思うのだが、「上場外債」は毎月分配型であるため、毎月の分配金の支払にかかるコストを勘案すると、どうしてもあまり小口にできないという事情がある。そのため、「上場新興国債(1566)」、「上場Jリート(1345)」は毎月ではなく隔月の決算・分配にしている。

これに対して、個人投資家の方から「毎月分配金を受け取りたい」とのご要望があって、前述の理由で決算を隔月から毎月にするのは難しいとお伝えしたところ、「『上場Jリート(1345)』とは別の新しいJリートのETF、ただし、決算期を『上場Jリート(1345)』の奇数月と同じではなく、偶数月にしたものがあれば両方投資する」と言われた。頭をガツンと叩かれたような気がした。

今回、個人投資家の方にご要望いただいた仕様そのままの、毎偶数月に決算・分配する「上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(ミニ)(証券コード:2552)」を6月3日に設定、4日に東京証券取引所に上場させる予定だ。このETFを見るたびに自分の頭の固さを思い出して、戒めることができるだろう。

柔軟な頭の持ち主、ETFの発明者 ネイサン・モスト氏を見習おう

ETFの仕組みの原型を考えた人は、米国人のネイサン・モスト氏(1914-2004)という人だ。以前にコラム(NO.6)でも書いたのだが、彼はもともと金融業界の出身ではなく、第二次世界大戦中、日本の潜水艦を捕促するソナー技術等の研究に従事した技術端の人だった。アメリカン証券取引所の仕事をしていた当時は株式バスケット取引の研究が盛んで、ETFはこの株式バスケット取引を効率的に行なうために開発されたものだった。しかも驚くべきことは、このETFのアイディアを思いついたのは70代になってからだったということだ。この人のことを想うと自分が恥ずかしくなることがある。ETFの発明者であるネイサン・モスト氏のように、発想や気持ちを柔軟にし、世の中の役に立つ商品を作り続けて、ETFの活用を広めてゆこうと改めて思う。


1566 - 上場インデックスファンド新興国債券(愛称:上場新興国債)
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1677 - 上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型(愛称:上場外債)
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1345 - 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(愛称:上場Jリート)
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2552 - 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(ミニ)(愛称:上場Jリート(ミニ))
※2019年6月4日上場予定
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今井 幸英

筆者
今井 幸英(いまい こうえい)

1985年4月株式会社日本興業銀行入社。みずほフィナンシャルグループ(みずほ総合研究所、興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現アセットマネジメントOne))を経て、2006年12月日興アセットマネジメントに入社、2008年8月よりETFセンター長。2018年11月よりETF事業共同グローバルヘッド、ETF事業本部長、ETFビジネス開発部長を兼務。長い運用商品開発の経験を活かし、ETFの開発、ETFビジネスの推進活動を行っている。