神山解説

  • 2020年4月27日

vol.3 コロナで「大恐慌以来最悪の不況」の到来?今、株価指数を買うべきか?



「大恐慌以来最悪の不況」が来たのか?

4月14日に示されたIMFの世界経済見通しは、2020年の世界経済が-3.0%、先進国では-6.1%のマイナス成長となると予想しました。これは1年間のマイナス成長としてはリーマン・ショック時よりも悪いので、1930年代の「大恐慌以来」の不況とIMF(国際通貨基金)は表現しました。

ただし、リーマン・ショック時は米国の雇用者数は2年以上下がり続けました。しかし、今回のIMFのシナリオではもっと早くもとに戻る想定です。つまり、「大恐慌並みの不況」とは言っていません。1929年に始まった大恐慌で米国株式(NYダウ)はバブル的水準から3年近く下落を続け、9割ほど下落しました。表現には気をつけないといけません。

いまのIMFやその他のエコノミストの多くのシナリオ設定は、いわゆるロックダウン(都市封鎖)を含む行動制限とそれによる消費の蒸発は、この4-6月期で最悪期を越えて、7-9月からすぐに元に戻るとはいえないものの、ある程度急速に戻ると見ています。

 

それなら株価指数は今が買いなのか?

では、2019年終わりごろに世界の株価指数が高いので買うことをためらっていた人(投資のための余裕資金がある人)にとって、いまは株価指数を買うのによい時期なのでしょうか。 これは、「今の標準的な(コンセンサス)シナリオが正しければYes」です。

現在の世界の株価指数の水準は、おおむね4-6月期が最悪で、7-9月期から回復するというシナリオを織り込んでいますが、本当にそうなるかは心配が残るので、その分割安なはずです。ですから、市場の平均的なシナリオが実現するだけでも、株式投資に見合う十分なリターンが1年程度の期間で見込めるでしょう。

しかし、コンセンサスは、世界の感染症の専門家などの見立てに基づく政府の行動制限(例えば、4月下旬~5月上旬には少なくとも多くの地域で収束が見えてくるなど)のめどにも依存しています。仮に、主要国政府の一部がロックダウン解除を焦り、その後再拡大が見られて再度ロックダウンが世界的に起きるなどとなれば、現在の市場のシナリオは壊れ、もっと低い見通しに基づく価格(下がる)となるでしょう。

世界経済のイメージ

アフター・コロナの投資術 ~神山解説

現時点で、余裕資金のない投資家は、特に何かしなくても良いと思います。リスクを減らすという点においてには、今後の世界経済への見通しは、遅かれ早かれ正常化が進むということです。人間の努力と工夫を信じないとリスク資産への投資はできないですが、その機会がなくなったわけではないです。 これから新規資金を投入して、しかも1~2年で成果を得たい投資家は、「コンセンサスが正しいか、もしくは、もっと現実が楽観的に進むとき」には良い結果がでるでしょう。

しかし、感染症の拡大の今後は予測が可能というよりも不確実であり、それを知った上で投資をしていただきたいのです。つまり、現状のコンセンサスが正しければリスク資産を買うチャンスですが、それが数ヶ月のうちにもっと悪いシナリオになることも想定しておかないといけません。

現在与えられた情報では、世界の正常化が遠のいたという知らせよりも、どう経済を再開するかを考えるという話題が多いので、見方を変える必要はなさそうです。しかし、くれぐれも余裕資金であり、見通しが悪化してもしばらく待てるような資金での投資のチャンスです。ただし、資産形成世代が毎月積み立てなどをしている場合では、あとになってみれば価格の動きは平準化されやすいので、いまの投資行動を変更しなくても良いと思います。



神山直樹

<解説者>
神山直樹(かみやま なおき)

日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト
2015年1月に日興アセットマネジメントに入社、現職に就任。1985年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)にてそのキャリアをスタート。日興ヨーロッパ、日興国際投資顧問株式会社を経て、1999年に日興アセットマネジメントの運用技術開発部長および投資戦略部長に就任。その後、大手証券会社および投資銀行において、チーフ・ストラテジストなどとして主に日本株式の調査分析業務に従事。

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