「上場パンダ」って何?
中国株に投資ができるETF「上場パンダ」を大解剖!
- 最終更新日:2021年1月6日(公開日:2019年6月25日)
今や名目GDP世界第2位*となった中国。私たちの身近にも中国発のサービスが日々増えています。中国はかねてより海外からの投資に規制を設けており、海外の個人投資家が中国株に投資をすることにハードルがありました。現在はネット証券などからお取引いただける個別銘柄も増えましたが、現地通貨(人民元)での取引や、日本株や米国株に比べて情報が少ないといったハードルがまだまだあります。本日は、そんな中国株に投資ができるETF、上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300(愛称:上場パンダ)をご紹介します。
*出所:IMF「World Economic Outlook, October 2020」
1.中国株の魅力
中国は今でこそGDP世界2位の経済大国となりましたが、発展に勢いが出てきたのは2008年の北京オリンピック前後から。 IT・通信技術の発展の波に乗り、アリババやテンセント、バイドゥといった世界的な大企業も多数誕生しています。最近は成長のスピードの鈍化も心配されていますが、IMFによると2021年の中国の経済成長見通しは8.2%であり、世界経済全体の成長見通し5.2%(2020年10月13日発表)と比べるとまだまだ勢いがあるといえます。なんといっても人口が多く、一般消費者向けビジネス(保険、食品、通信)関連の底堅さに特徴があります。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
※1996年~2019年を対象
※公表値をもとに日興アセットマネジメントが作成
2.中国株にETFで投資をするメリット
海外投資全般に言えることですが、日本から海外の個別銘柄に投資をする場合、現地時間・現地通貨での取引であることに加え、日本語での情報が限られており、どの銘柄に投資するのかを選ぶのが難しい、といったハードルがあります。ETFはもともと投資対象が指数のため、あらかじめ一定の基準を満たした銘柄群に分散投資ができるメリット、また、東証に上場しているETFであれば日本円で投資ができるといったメリットがあります。
3.上場パンダってどんな銘柄?
上場パンダは中国本土A株市場に投資が可能なETFです。現在、東証には中国本土に投資ができるETFが4銘柄上場しています(2020年12月末時点)。銘柄によって仕組みや連動する指数が異なるのですが、中国本土に投資ができるという部分では同じです。では、上場パンダの特徴を詳しく見ていきましょう。
3-1.対象指数はCSI300
上場パンダはCSI300という指数に連動を目指すETFです。このCSI300は上海証券取引所と深セン証券取引所にまたがる「中国A株」市場に上場する4,000以上*の銘柄の中から、流動性や企業の規模などを加味した上位300銘柄で構成されています。年に2回の見直しが行われ、常に市場の情勢を反映することを目指しています。
*2020年11月末時点
3-2.CSI300の構成銘柄にアリババは入らない?
中国といえばアリババやバイドゥ、テンセントといった大企業の名前が浮かぶ方もいるかと思いますが、実はこれらの3つの銘柄は香港や米国に上場しているため、いずれもCSI300には組み込まれていません。
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
3-3.CSI300の構成銘柄
CSI300の構成銘柄は、内需系の銘柄が中心となっています。構成銘柄上位には中国平安保険(集団)、招商銀行など保険・銀行といった金融関連企業と、貴州茅台酒などの食品関連企業が多く、国内の一般消費者の需要により成功した企業が目立ちます。
■CSI300構成銘柄トップ10
※2020年11月末時点
※上記銘柄については、個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
なかなか日本から直接投資するのが難しい中国市場の中で、代表的な300銘柄に分散投資できるのがポイントです。
ご参考:
GDP世界第2位の中国株式に投資 上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300 愛称:上場パンダ(1322)
4.上場パンダは日中ETF相互上場の対象銘柄
上場パンダは、日本取引所グループと中国・上海証券取引所によって構築されるスキーム、「日中ETFコネクティビティ」の対象銘柄でもあります。
4-1.日中ETFコネクティビティとは?
2018年10月の日中首脳会談において、「日中証券市場協力」に関する覚書が締結されました。その具体的な内容のひとつとして実現したのが、日中ETFの相互上場「日中ETFコネクティビティ」です。
日中ETFコネクティビティについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
日中ETFコネクティビティの構築
※日本取引所グループのサイトに移動します。
4-2.上場パンダはどう変わった?
上場パンダは2008年4月に上場したETFですが、2019年6月に日中ETFコネクティビティの対象となったことで、これまでのCSI300の構成銘柄を直接保有する手法から、中国側のパートナー企業であるE Fund Management Co.,LTDのETFに投資する方法へと変更しました。また、信託報酬率(実質的な負担)の引き下げが実施され、年率0.95%程度(税抜)から年率0.50%程度(税抜)となりました。
5.どうやって取引するの?
上場パンダは中国の銘柄を対象としたETFですが、東証に上場しており日本円でお取引いただけます。既に証券口座をお持ちの場合、追加の手続き無しで、国内株の個別銘柄と同じように取引をすることができます。また、上海市場、深セン市場は日本の市場よりも1時間遅れて取引が始まりますが、上場パンダは東証の立会時間(前場9:00~11:30、後場12:30~15:00)でのお取引となります。銘柄コードは「1322」です。
まとめ
いかがでしたか?中国株にご興味がある方はぜひ、日中ETFコネクティビティで注目される上場パンダをご活用いただけますと幸いです。
日興アセットには他にも米国株や、先進国・新興国といったテーマの指数に連動する海外株ETFがございます。すべて東証上場で日本円のお取引が可能なので、海外投資に挑戦してみたいという方におすすめです。日興アセットのETFの情報はこちらでご覧いただけます。