Series4. ファンドの買い方・選び方

1. 分散投資って、聞いたことあるけど
いろんな段階での分散があることを整理しておくと、後々の理解がスムーズになります。

昔から「卵をひとつのカゴに盛るな」と言われます。確かに1つの会社の株式だけに投資しているよりは100社に分散した方が、少なくとも全部が割れる(倒産して価値がゼロになる)心配は減りそうです。自分で100社を買うのは大変ですから、投信の出番です。

ではその投信も、1本でなくたくさんの本数を買って分散した方が良いのでしょうか。例えば預貯金が1,000万円ある人が100万円の投信を買ってみようと思った時、10万円ずつ10本に分散するのが正解なのでしょうか。書類や郵便物が10倍になって面倒なだけかもしれません。

単純に「分散が大事」とするのでなく、「資産運用には、色んな段階での分散がある」ことをまず理解しましょう。

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「分散」というとバランスファンドのことや、複数の投信のあわせ持ちのことをイメージする人が多いようですが、以下のように3つの段階それぞれに「分散」が存在しています。

一般の個人にとって最も重要なのはおそらく下図の一番下。極端に言えば、当面のお金(預貯金)と将来のためのお金(資産運用)の関係について明確な方針があるのなら、預貯金と株式投信の1本だって全く構わないのです。

投信間の「あわせ持ち効果」などから考えるのでなく、全金融資産と将来設計の大きな絵を見据えた預貯金と投信の分散から、つまり下図の下から上に向かって考え、実行することが重要なのです。

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