Series4. ファンドの買い方・選び方

7.「低コストインデックスが最強!」 ...というほど簡単じゃない
特に長期なら「コストよりもリターンが先」です。

「手数料が安いことが最重要」――とばかりに、ノーロード(販売手数料無料)で低コスト(低信託報酬)の投信以外を最初から除外する風潮が一部にあるようです。

その「2つのフィルター」そのものに問題はありませんが、それだけで選ぶことが唯一の正解とは言えません。特に低コスト化が進んでいる投信のほとんどが、業種を絞ったり銘柄を選んだりせず、一般的な指数通りに広く薄く投資する、いわゆる「インデックスファンド」であることを考えると、特に。

以下はロボティクス関連企業にしぼった毎月3万円の積立シミュレーション。インデックスファンドの対象指数となることの多い「世界株式指数」との比較です。現在の評価額における2倍近い金額の差は、「コストより、リターンが先」という当たり前の視点を思い出させてくれます。

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期間:2004年1月末~2020年12月末
ロボティクス関連株式指数(ROBO STOX指数)と世界株式指数(MSCI World、ネット・円ベース)に積立を行なったシミュレーション
※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。

インデックスファンドのリターンは、いくら商品の中で徴収される手数料(信託報酬)が低かったとしても、良くも悪くも基本的に指数通りです。指数とズレて勝手に上がってはいけないのがインデックスファンドだとも言えます。

しかしメディアやネット記事の一部には、「リターンがコントロールできない以上、とにかくコストの低いものを買うのが最善であり、それ以外を選ぶ者は無知なだけでなく、金融機関のカモになりかねない残念な人である」といった意見があります。

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その時に出てくる「コストが大事」というイメージ図は、上のようにコスト1%と0.1%などといった極端に異なる前提での比較だったりします。しかし実際に起こっている「価格破壊」のほとんどは、世界株式指数や日経平均株価など同一指数のインデックスファンド内における、0.1%未満の非常に小さな値下げ競争です。

つまり、現実に起こっていることと、メディアやネット記事の説明のロジックが著しくミスマッチなのです。同一指数のインデックスファンドである以上、その手数料の値下げが上のイメージ図ような大きなリターン差になることはあり得ず、リターンを決めるのは結局のところ指数の行方に他ならないからです。

シニカルな視点で「コストファースト」な商品選びをするのでなく、「コストより、リターンが先」という当たり前の思考を持ちたいものです。