Series4. ファンドの買い方・選び方

2. 土台と柱と器
預貯金の基礎の上にどんな「家」を建てていきましょうか。

多くの人は「難しい勉強なんてしたくない。何買えばいいか教えてほしい」と思っているはず。でも残念ながらその答えは、「家を建てるように、まずは焦らず全体の設計図を描き、後は『下から上に』それぞれのパーツとして適切な投信を買っていきましょう」、となります。

使途が決まっているお金や、何かに備えておきたいお金は、どんなに利息が低かろうと絶対に預貯金に確保。言わば家を建てる前のコンクリートの「基礎」です。基礎がないのに家を建てる(投信にチャレンジする)のは時期尚早です。

ぶれない土台=バランスファンド

目的が明確なら、預貯金の「基礎」の上に直接「株式の柱」でも良いのですが、まずはその前に、地震でも揺れにくい「ぶれない土台」を作っておくのが良さそうです。いわゆるバランスファンドを1〜2本選ぶのが良いでしょう。

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バランスファンドを「土台」として持っていることで、市場の下落時にも、相対的に下落率が少ないものを多く持っていることが、心の動揺を抑える働きをしてくれます。また、万が一預貯金に予定していた以上のお金が入り用となった場合には、バランスファンドから一部を工面することも可能です(そのためにも、守り重視のバランスファンドもひとつ持っておきたいもの)。

株式の柱

資産を増やすために欠かせないのが「土台」の上に載せる「株式の柱」。家の大黒柱を替えないのと同様、ずっと持っておきたい株式ファンドを数本選び、大きな家を作りましょう。

まとまったお金がない場合、またはそれを「土台」に充てた場合は、毎月の「本気の積立」で買っていくのが選択肢。投信積立は、変動が大きく長期で上昇する投信が適していると言われます。それは、下落時に多くの口数を「仕込む」ことが、後の上昇時により大きな効果を発揮する傾向があるからです。

いずれにしても、ちょっとやそっとでは止めたくない、「その投資対象への惚れ込み方」が成功の鍵を握りそうです。

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インカムの器

「インカム」とは定期収入といった意味であり、「インカムの器」とは具体的には毎月分配ファンドのことです。毎月分配を目の敵にする意見もありますが、そもそも分配とは運用会社に保有者一律に一部解約をしてもらう仕組みでしかなく、分配の有無そのものに損も得もありません

とにかく「土台」と「柱」は極力長く売らずに持ちたいのですから、どうしても定期的な現金を作りたいならば「専用の器」を別に持てば良い、という考え方です。

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