Series4. ファンドの買い方・選び方

6. インデックスvs. アクティブではなく 「&コンセプト」で
時代に即した整理のもとで「良し悪し」の議論をしましょう。

組入銘柄を選別する「アクティブファンド」のタイプはコストが高いだけで、日経平均など特定の指数通りに動く「インデックスファンド」には長期的には勝てないのだから、とにかくインデックスファンドだけを見ればよい。その中でコスト(信託報酬)の安いものから選ぶのが最善である――といったメディアの論調が気になります。

まず理解したい大原則は以下のポイントです。

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下のイメージ図にある通り、信託報酬が異なるどの投信も、同じ指数を参照するインデックスファンドである限り、背景のグレーの指数通りに推移していきます。信託報酬が低いことは、ファンドマネージャーにとっては指数との連動性を高めやすくなるメリットではありますが、だからといって指数を外れてどんどん上がるわけではない(上がってはいけない)のがインデックスファンドなのです。

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なお、インデックスファンド以外をすべてアクティブファンドとしてしまう伝統的な分類方法は、現実に鑑みてやや無理があります。株式ファンドは今、以下の3つに分類するのが適切と日興アセットは考えています。

1)指数連動型
● いわゆるインデックスファンド
● 特定の一般的な指数に連動するように運用
● 運用成果は指数次第

2)指数意識型
● 業種などを限定しない、いわゆるアクティブファンド
● 特定の一般的な指数をベンチマークとして意識しながら、「指数+α」をめざして運用
● どうしても指数との被りが多くなり、値動きも似る結果、インデックスファンドとの「勝ち負け」の議論になりがち

3)コンセプト型
● 業種やテーマ(投資アイディア)を絞り込むタイプ
● 一般的な指数を意識せずに運用(指数との勝ち負けを目的にしていない)
● これまで適切な分類がなかったため、2)と一緒にされてきた。

「アクティブファンドの多くは指数に負けているから、インデックスファンドで良い」という意見は、過去多かった2)における、ベンチマークとの勝ち負けのことを言っている場合が多いようです。

近年のいわゆるテーマ型に分類される3)は、そもそも一般的な指数を意識しないものが多いため、それらインデックスファンドとの優劣の議論(アクティブ運用の有効性とコスト批判)自体が的外れです。検討すべきは、その産業への絞り込みや投資アイディア自体をどう考えるかでなければなりません。