はじめての投資Q&A

  • 2019年02月07日

投資の勉強ってどうしたらいいの?~”潤いのある生活”のための投資には、勉強はいらない?!

投資初心者

当連載では、これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。

前回は「投資って何から始めればいいんですか?」というお悩みについてお答えしました。そこで、いざ投資を始めてみようと思っても、「金融の知識がない」、「どうやって勉強したらいいのかわからない」といった投資の知識不足がハードルだと感じる方も多いと思います。さらには、「忙しくて勉強する時間もない」、「難しい勉強は苦手」というお悩みも・・・そうなると、投資をあきらめるしかないのでしょうか。今回は、「投資の勉強」がテーマです。

そもそも「勉強しなければ投資ができない」のはおかしい

投資をすることの前提に、知識がないといけないと考えると、ほとんど永遠に投資することができないでしょう。なぜなら多くの人は投資や金融の専門家ではないからです。例えば、テレビを買いたいと思ったときに「テレビがなぜ映るのかを勉強しないといけない」などと言いませんよね。投資も同じで、専門知識は無限にあるのですが、知っておくべきことは少ないのです。投資の目的に応じて、正しい投資先を選ぶ知識だけを集中して学んでください。だまされないように心がけることは必要ですが、経済について専門家のように詳しくなったり、市場の上げ下げで波乗りするように売買したりするための知識は、前回お話ししたような引退後を含む将来の“潤いのある生活”を目指す投資では不要だと思います。

「なにを勉強するか」より「そもそもなぜ投資するの?」を気にしてみよう

まずなによりも最初に考えていただきたいことは、「そもそもなぜ投資をするのか」です。前回もお話したように、私は将来の“潤いのある生活”のために投資をすることをお勧めしています。でも、“潤い”の程度や金額などは人それぞれ違いますよね。そこは、自分でしっかり考えないといけないことです。ここに時間を割いてください。ある程度自分で考えていないと、金融機関の人も助けてあげることができないのです。

では具体的にはどうしたらよいでしょうか。まず、将来のお金の設計について考えてください。引退後に毎月どのくらい年金などがもらえるのか、毎月の生活費にどのくらい余裕を持ちたいか。ざっくりでいいんです。何か感触がもてれば十分で、現実が変わればそのときに考え直せばいい。避けたいのは、「今、何が一番人気なの?儲かるの?」という観点で投資先を決めてしまうことです。

専門家になる必要はない。"潤いのある生活"のための投資は、しばしば退屈

投資の目的を考え、将来のお金のイメージがある程度できてくると、何に投資をすることが適切なのか、考えを進めていくことができます。最低限の生活が保障される中で、旅行に行ったり、外食したり、観劇を楽しんだりする“潤いのある生活”を求めるとすれば、少しはリスクをとってでも投資を始めて、「誰かに働いてもらう」ことが必要になってきます。“潤いのある生活”のために、「いまあるお金の中で、どのくらいのお金を元本保証されない投資=リスクを取る投資にまわしてよいか」を考えることが一番大事です。目的に応じた投資先や商品について学ぶことはとても重要ですので、おいおいこのコーナーでお話していくつもりです。先に少しだけ例をあげると、減っては困るお金なので元本を保全しようと思うなら、預金、国債や債券などがあります。一方、投資にまわすと決めたお金は、事業のリスクをとるかわりに高いリターンが期待できる株式に投資するなどの選択肢があります。

逆に言うと、しっかりと目的を持って、目的にあった投資を行えば、それ以外は特に勉強しなくて良いのです。経済や市場の動きに詳しくなるのは専門家に任せて良いのです。毎日のニュースに一喜一憂してあれこれ考えるのは、脳の機能低下防止には良いかもしれませんが、将来の“潤いのある生活”を目指す投資は、しばしば退屈なのです。

まとめ

勉強よりも大事なのは、「そもそもなぜ投資をするのか」。自分の将来のお金についてじっくり考えてみましょう。

【次回】お金がないと投資できないんですか?(2019年2月28日掲載予定)



神山直樹

神山直樹(かみやま なおき)
日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト
2015年1月に日興アセットマネジメントに入社、現職に就任。1985年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)にてそのキャリアをスタート。日興ヨーロッパ、日興国際投資顧問株式会社を経て、1999年に日興アセットマネジメントの運用技術開発部長および投資戦略部長に就任。その後、大手証券会社および投資銀行において、チーフ・ストラテジストなどとして主に日本株式の調査分析業務に従事。

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