はじめての投資Q&A

  • 2019年02月28日

お金がないと投資できないんですか?
~少額、低コストで気軽に投資できる時代がやってきた

投資初心者

当連載では、これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。

前回のお悩みのテーマ「投資の勉強」と同じくらいお伺いするのが、「投資するお金がない」というお悩みです。「投資はお金持ちがやるもの」という印象をお持ちの方も多いかもしれません。まとまったお金がないと投資はできないのでしょうか。

「まとまった金額になってから」ではなく「少額から」始められる!現代に生まれて良かった!

戦前の日本であれば、投資はお金持ちのすることと言えなくもありませんでした。株式市場でたくさんの銘柄を買うには、かなりのお金が必要でしたし、海外の株式を買うことは大変面倒だったでしょう。また、債券もあまり種類はなく、大口の顧客でないと手に入りにくかったので、投資はお金持ちがすることとみなされても仕方なかった面があります。

しかし、運がいいことに、現代には投資信託やETFがあるおかげで、私たちは1万円あるいはそれ以下でも、例えばグーグルやアップル、ソニーなどの世界中の株式や、ブラジルや中国などの海外の債券にもまとめて投資ができるようになったのです。自分が寝ていても(リスクさえ取れば)、優秀な世界中の社長さんや従業員が一生懸命働いてくれた成果を得るチャンスがあるのです。投資信託やETFはそのような投資の道具なんです。

*個別銘柄の組入れを約束するものでも売買を推奨するものでもありません。当社ファンドにおける保有・非保有及び将来の個別銘柄の組入れ・売却を示唆するものではありません。

投資はお金持ちのものではない。目的は普通の人が少し潤いのある生活をすること

この連載ではいつもお伝えしていますが、引退後の“潤いのある生活”のために投資することをおすすめしています。例えば、「退職金のようなまとまったお金ができる頃には、すでに他の人より多めになっていること」が目標です。

例えば、AさんとBさんがいると仮定します。わかりやすくするために、二人が持っている金額を100万円としましょう。引退後の“潤いのある生活”を目標にリスクを取って投資を始めることにしたAさんは毎年3%のリターンを目指します。一方、Bさんは普通預金に置いたまま(金利はほぼほぼ0%)にすることにしました。30年間で、AさんとBさんの差を計算してみましょう。Aさんは平均すると毎年3万円、30年で90万円増(単利で計算)、Bさんは0円でした。30年後に引退するとして、Aさんは190万円、Bさんは100万円で、引退生活をスタートすることになります。毎年3%確実に増やせるということではないのですが、安心確実だけれど普通預金などで得るものは0%、多少のリスクを取って年間3%のリターンを目指していれば30年で90%増を狙うことになります。この差を見ると、「お金持ちになってから、あるいは、まとまったお金ができたら投資を始める」のが正しいわけではないことがわかりますよね。

*考え方の一例を示したものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。

”潤いのある生活”のための投資を始めるタイミングは「いま」

「知識が身についたら・・・」、「まとまったお金ができたら・・・」それまで待たなくてもいいのです。まずは「できるだけすぐスタートする」そのために最低限何が必要かだけ考えましょう。

いますぐ始めたほうが良い理由は、投資を始めるのが早いほど、投資に回すお金が収入のほんの一部だとしても、長い時間をかけることでリターンが大きくなりやすいからです。毎月の収入から、家賃や住宅ローン、生命保険とかいろいろ支払いますよね。それでも実は無理しない範囲で貯蓄ができている部分があるかもしれません。残ったお金の中から、いくらずつ投資に回せるかを考えてもらえれば良いのです。投資信託やETFを使って、世界中の人々の努力や工夫の成果を集められる幅広い企業群に少しずつ投資してみてください。実際に投資を始めてみると、さらに自分が何を知りたいのか、何がわかっていなかったのか、などが見えてくると思います。

まとめ

まとまったお金や専門知識がなくても投資は“いますぐ”始めることができる。世界中の資産への投資を少しずつスタートしてみよう。

【次回】投資のリスクが怖いです!~なぜリスクを取るのか?をきちんと知っておく(2019年3月20日掲載予定)



神山直樹

神山直樹(かみやま なおき)
日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト
2015年1月に日興アセットマネジメントに入社、現職に就任。1985年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)にてそのキャリアをスタート。日興ヨーロッパ、日興国際投資顧問株式会社を経て、1999年に日興アセットマネジメントの運用技術開発部長および投資戦略部長に就任。その後、大手証券会社および投資銀行において、チーフ・ストラテジストなどとして主に日本株式の調査分析業務に従事。

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