はじめての投資Q&A

  • 2019年12月26日

年末年始に考えたい「投資」の目標

投資初心者

当連載では、これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。
今回は『年末年始に考えたい「投資」の目標』をテーマに取り上げます。
今年もあとわずか、もうすぐ2020年が始まりますね。年末年始はイベントが盛りだくさんかもしれません。少しだけ時間を使って、将来に向けて自分自身の投資の目標を考えてみるのもいかがでしょうか。神山と一緒に考えていきましょう。


目標を立てる前に、まずやって欲しいこと

「投資の目標を立てよう」とお考えのみなさまは、すでにご自身で投資をする「目的」が明確になっているのではないでしょうか。

「将来のお金のことが心配だから…」などいろいろな背景があると思いますが、資産形成世代のみなさんには、こちらのQ&Aシリーズの最初の回(投資って何からはじめればいいんですか?~最初に知っておきたい3つのこと)でご紹介しましたが、引退後の「潤いのある生活」を目的にするようにお勧めしています。今何もせず、引退後に「まとまったお金」ができて、暇にまかせて「十分な知識」を持ってから投資するというのはあまりに遅いです。

ですから、知識やお金の前に、引退後に自分がどんな生活をしたいか、それに向かって今もっている自分の資産、ローン、生活費や病気などへの備えがどのくらい十分かを知っておく必要があります。あるいは「引退直前で資産はある程度貯まったが、これからは取り崩しもするだろうし、年金収入はこの程度だろう」という方も同様に、引退後の生活での『目的としての消費』を考えてから投資の目標を考えましょう。

 

投資の目的と投資期間を考えてみる

目的としての「潤いのある生活」を消費の面から考えて見ましょう。潤いとは、東京在住の人がたまには京都や九州に旅行しようとか、好きな車に乗ることとか、孫の進学に協力しようとか、最低限の衣食住への追加的な消費と考えられます。

危機感ばかりあおられる年金にしても、普段の貯蓄や生命保険、健康保険にしても、最低限の文化的な生活を維持するある程度の備えはすでにスタートしていると思います。そこで、潤い部分をいつどのくらい使うかをざっと考えて、それにあわせて「リスクをとっても増やすかいがある」という消費の上乗せ部分を投資の目的とするのです。

投資をしてお金を増やすことそのものが目的ではないですよね。引退後の生活をかけてではなく、将来楽しく消費するために投資をすることをおすすめします。1年後、5年後、10年後、15年後に将来実現したいことを思い浮かべながら考えてみましょう。

投資対象と投資する割合を考えてみる

自分が仕事で稼ぐ収入から、家賃やローン、食費などの生活費をのぞいて、将来の「潤いのある生活」のための投資に回せる部分があるとすると、実際にはどこに投資するかということが重要になります。

自分でいろいろと考える時間のある方は、信託報酬等のコストの安い「インデックス投資」を考えるとよいと思います。コストが安いと、結果として長い期間投資することで、パフォーマンスが目減りしにくい効果があります。例えば、ETFやインデックスファンドを使った投資です。ただし、どの資産にどの程度おいておくのかを自分で考えることを忘れないでください。こちらは、『アセットアロケーションって知っておくといいの?』のテーマで以前お伝えさせていただきました。

そして、さらに手軽に投資できるのは、「バランス型の投資信託」です。世界の株式、REIT、債券などにバランスよく投資するものを探してみましょう。

投資対象のイメージ

投資対象のイメージ

※上図はイメージです。



コアとなる投資資産の組み合わせは、大もうけするためにあるのではなく、世界の人が株などに投資すると平均的に得られるであろうリターン(例えば、年あたりインフレ率+3%など)を目指すのです。そのリターンがあるのとないのとで引退後にどのくらい資産状況が変わるのか、ためしに計算してみることもお勧めします。リターンの目標については、 『投資の目標はどのくらいを目指したらいいんですか?~ピケティに学ぶ。目指すは「インフレ率プラス3%」』で以前お話させていただきましたので、ご参考にしていただければと思います。

年あたり3%で投資した場合のシミュレーション

投資のシミュレーション

※上図はイメージです。また、考え方の一例を示したものであり、将来の運用成果を約束するものではありません。
※運用時の税金・手数料等は考慮していません。


まとめ

投資の目的を決めて、投資目標と投資期間をイメージしてみよう。そして、投資対象を順番に考えてみよう。



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神山直樹

神山直樹(かみやま なおき)
日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト
2015年1月に日興アセットマネジメントに入社、現職に就任。1985年、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)にてそのキャリアをスタート。日興ヨーロッパ、日興国際投資顧問株式会社を経て、1999年に日興アセットマネジメントの運用技術開発部長および投資戦略部長に就任。その後、大手証券会社および投資銀行において、チーフ・ストラテジストなどとして主に日本株式の調査分析業務に従事。

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