日銀は6月の金融政策決定会合において大方の予想通り金利を据え置いたが、毎月の国債買い入れ減額にすぐ動くと見込んでいた市場参加者にとってはやや失望的な決定内容となった。そうした市場参加者のあいだでは買い入れ額が現在の6兆円から5兆~6兆円の範囲へ減額されると予想されていたことから、失望感が広がりドルが円に対して小幅に上昇した。
2024年のインド総選挙では、出口調査予測や市場予想に反して、ナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)が239議席しか確保できず、単独過半数に必要な272議席に届かなかった。前回の2019年選挙ではBJPが303議席を獲得していたことから、大幅に議席を減らしたことになる。
円安の進行を受けて、日本が世界における自国の購買力へのさらなる試練に対処できるかどうか、議論が高まっている。大半の購買力平価指標で見ると、米国で1ドルに相当する商品群は日本では100円未満となっており、ドル円レートは「公正価値」を示す当該尺度から大きく乖離している。
インフレの上振れにより米国で金利が近い将来引き下げられる可能性に疑問が投げかけられたため、市場ではボラティリティが再び高まっているようだ。米国が大幅な財政赤字を抱えながら好景気を維持しているなか、今や米FRB(連邦準備制度理事会)は市場が従来予想してきたほどの利下げを行えないものとみられる。こうなると、長期の米国債は多くのストラテジストが考えているほど魅力的ではない。
米FRB(連邦準備制度理事会)が緩和サイクルへの転換を先送りする可能性をめぐる懸念が強まるなか、4月は米国債が大幅に下落した。当月発表された経済指標に目を向けると、労働市場が堅調に推移したほか、インフレ率が市場予想を上回る結果となった。
市場環境はここ1ヵ月で大きく変化した。話題は米国の利下げから利上げの可能性へと変わり、中国株式市場は魅力的なバリュエーションと実効性のある政策実施期待が相まって大幅に上昇している。
11月に予定されている米国大統領選挙は長い影を落とし続けており、第45代大統領(ドナルド・トランプ氏)と第46代大統領(現職のジョー・バイデン氏)とのあいだで争いがヒートアップするにつれ、同国の分断は広がるばかりだ。このような二極化は投資の世界でも顕著で、特に厄介な論戦の的となっているのが、環境・社会・ガバナンス(ESG)報告に関する規制格差の拡大である。
大方の予想通り、日本銀行は政策金利の誘導目標を0-0.1%に据え置くことを全会一致で決定した。今回注目すべき変更点は、日銀が総合消費者物価指数(CPI)の見通しを前回時点の前年比2.4%から2.8%に上方修正したことである。
インフレの先行き不透明感はますます強まっており、米国債をはじめ先進国ソブリン債全般にとって不利な状況となっている。米国は非常に大きな財政赤字を抱えており、米FRB(連邦準備制度理事会)は、インフレ圧力が継続的な低下から上昇に転じる可能性が十分にあることから、今や利下げ時期の決定にあたって難しい立場に立たされている。
アジア全体の重大な焦点となっているのは、引き続き中国の経済および株式市場だ。中国の不動産セクターは、依然として脆弱である。しかし中国株式は、財政および資本市場の両方における追加支援策や市場期待の修正を受けて、2023年末から今年1月にかけて見られたパニック売りから回復している。