共和党のトランプ氏(現大統領)と民主党のバイデン氏のどちらが大統領になっても、米国経済の成長率予想の差はほとんどないとみている。そもそもコロナ・ショックからの脱却において、政府や中央銀行のとるべき(とることが出来る)政策に大きな違いはない。また長期的に政策の差はあるが、経済成長全体に与える影響は小さいと見ている。
中国では、多くの工場や製造施設、生産ラインがロックダウン(都市封鎖)期間中の数ヵ月に及ぶ操業停止を経て現在稼働中であり、世界第2の経済大国がCovid-19(新型コロナウイルス感染症)の影響から徐々に回復するなか、最近では同国の主要経済指標が上昇傾向を示し始めている。
5月のアジア株式市場は、米中2国間の緊張激化という悪材料が世界中での経済活動の段階的再開をめぐる楽観ムードを上回り、小幅下落となった。最近中国が香港に新たな国家安全法を導入する動きを見せたことも、センチメントの重石となった。アジア株式(日本を除く)の月間市場リターンは米ドル・ベースで-1.2%となった。
米国債は、利回りが引き続き低水準のレンジ内で推移しながら、パフォーマンスが満期ゾーンによってまちまちとなった。
世界中の大半の国々は、Covid-19(新型コロナウイルス感染症)の封じ込めにある程度の成果がみられていることから、流行拡大を防ぐために実施した規制を様々異なる段階ながらも緩和しつつある。感染者数の増加抑制が続いていることを受けて規制緩和後の「第二波」に対する不安は後退しており、多くの地域における感染検査数の増加と陽性者数の減少は、おそらく中南米の大部分などを除き世界の一部地域でCovid-19が封じ込められたことを示している。
「デフレではない」とはいえ、デフレ的環境から脱却したと自信を持てない日本に住んでいると、コロナ後の世界を考えるときにインフレになりそうだとは言いにくい。しかし、日興アセットマネジメントの6 月のグローバル投資委員会(GIC)では、エジンバラやロンドン拠点の株式・債券のファンドマネジャーから、これから5 年程度の中長期で投資環境を考えるときには「世界的なインフレの可能性」を想定した方が良い、という話題が出された。
最近のグローバル株式市場は、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)のパンデミック(世界的な流行)によりボラティリティが高まるなかで大幅な下落に見舞われたが、これに動揺して株式投資が正しい判断だったのか考え込んだ投資家も多いだろう。なかには、分散投資ポートフォリオの一部として株式を保有するメリットに疑問を持つ向きすらあるかもしれない。
マッツ・スティーンという人物について聞いたことがある読者はおそらくいないだろう。 彼のオンラインのキャラクター名である「Lord Ibelin Redmoore」や「Jerome Walker」であれば、聞いたことのある人がわずかながらいるかもしれない。ノルウェー人のマッツは、2004年にリリースされ世界で数百万のファン層を誇るオンライン・ロールプレイングゲーム「World of Warcraft(WoW)」の熱心なプレイヤーだった。
人は、健康であったり病気になったり、機嫌が良かったり悪かったりする。それでも、人は10 歳から20 歳になれば一般に成長する。経済も同じで、景気が良くなったり悪くなったりするが、長い目で見れば成長する。“景気”という言葉は、景気循環(サイクル)というように経済の上下動部分だけを取り出してみる考え方だ。
新型コロナウイルスを封じ込めるべくシャットダウン措置(都市封鎖、外出禁止、事業休業など)が世界中で実施されたことにより、世界的なリセッション(景気後退)に陥ることはほぼ確実だが、今回のリセッションは自ら招いたものだと再認識する必要がある。