日本銀行のETF買い入れ手法に学ぶ!ETFの活用法~時間分散効果~
- 2020年2月14日
「分散投資が大事」、資産運用の話でよく耳にする言葉ですが、何をどう分散したらいいのかは分かりにくいですよね。
ここでは、日本銀行のETFの買い入れの方法をヒントにした、『時間』を分散することに着目した投資のアイデアをご紹介します。
1. 日本銀行のETFの買い入れとは?
ETFは、日本銀行の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入」で年間の買い入れ額が示され、より多くの投資家の注目を集めるようになりました。2016年7月以降は、年間6兆円の規模で日本株ETFの買い入れが行われています。
▶【ETFの歴史】ETFの歴史⑤~日本編~2010年、日銀によるETFの買い入れがスタート
日本株ETFと言うのは、日経平均株価指数・TOPIX(東証株価指数)・JPX日経インデックス400に連動するETF、設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業の株式に投資するETFで、これらのETFが日本銀行の買い入れの対象です。日本株ETFの買い入れ額はタイムリーに日本銀行のホームページで公表されています。
出所:日本銀行 指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果
それでは、実際の日本銀行によるETFの買い入れの額の残高の推移を見ていきましょう。
日本銀行によるETF買い入れの推移(2010年12月15日~2020年1月31日)
※2020年1月末現在
※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成。
※グラフおよびデータは過去のものであり、将来の運用成果などを約束するものではありません。
日本銀行は買入のルールを定めたうえでETFの買い入れを行っており、午前中(前場)に日本株の株価が下落した日の午後(後場)に、大半の日本株のETFを買い付けている状況です。
2020年1月末時点の日本銀行によるETFの買入額累計額は約28兆7,500億円、含み益は約7兆6,700億円、評価益としてはプラス26.7%となっています。さて、個人投資家が日本銀行の買付のルールを参考にETFの買付をしてみると、運用結果はどうなるのでしょうか。
2. 積立投資の運用結果は?
日本銀行が買い入れをしているようなルールに基づいて個人投資家がETF投資を行った場合、どのような運用結果になるのかをグラフでご紹介します。
日本銀行のように、平日に毎日午前中と午後の株価の動きをチェックするのは大変な作業なので、前週末(前週金曜日)の日経平均株価の値動きと比較をすることとし、投資対象のETFの上場日である2013年3月25日からのシミュレーションを行ったとします。
上場インデックスファンド日経225(ミニ)(1578)の積立投資のシミュレーション結果と日経平均株価の推移(2013年3月25日~2020年1月31日)
※上記はシミュレーションの結果であり、当ファンドの運用成果をお約束するものではありません。
※購入時の手数料等は考慮していません。
※グラフおよびデータは過去のものであり、将来の運用成果などを約束するものではありません。
グラフは、2013年3月25日〜2020年1月末の期間に、日興アセットマネジメントの日経平均株価に連動するETFである「上場インデックスファンド日経225(ミニ)(1578)」に、下記の条件で積立投資を行った場合のシミュレーションです。
・1週間のうちで、前週金曜日と比べて日経平均株価の終値が2.5%以上下落した日に買い付け
・1万円の範囲内で口数を買い付け
・ 該当日の市場価格の終値で買い付け
・ 前週金曜日の日経平均株価の終値から2.5%以上下落していない日は、買い付けはしない
グラフを見ると、期間中の投資金額が約137万円に対して、含み益は48万強となり、プラス35.3%の評価益となりました。
市場が下落したときに買い付けをしていますので、市場が反転して上昇した場合、評価損益の改善が早くなる傾向を見てとれます。
このように、積立投資は、時間をかけることにはなりますが、結果として市場環境に負けない運用成果を出すことができる可能性が高まるのです。
3. 自分の投資のルールがあると迷わない
『市場が下がった時に買う』『定額で買う』『毎月買う』など、投資に充てられる金額と相談しながらご自身の投資のルールを定めることが、ETFを活用した長期投資を続けるポイントです。
できるだけ早い時期からこうした運用の感覚を身に付けると、将来にわたる資産運用に役立ちます。
4. 長期の積立投資をETFで
投資対象企業は資本を調達して生産活動を行い、資産価値を上げることをめざしていますが、成長に時間がかかります。個人投資家にとって長期投資は、企業の成長速度に合わせた有力な資産運用の方法です。市場の不確実性が高まり株式などの資産が売られる時ほど、より安く買えるチャンスといえます。市場が下がった時に投資できれば、大きな成果を得られる可能性も高まります。
世界経済はめまぐるしく変化しており、リターンを生み出し続ける個別銘柄や投資テーマを見極めることは非常に難しくなっています。そこで、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など特定の指数に連動する運用をめざす「インデックス運用」は、有力な選択肢の1つと考えられています。当社では、上場インデックスファンド日経225(1330)や、上場インデックスファンドTOPIX(1308)もご用意しています。
▶【ETFのキホン】日経平均株価とTOPIXはどう違う?
日本のETF市場の中心を担う2つの指数を大解剖!
一般的にインデックスは、優良な企業や収益性の高い企業などの視点で選ばれ、市場での淘汰で生き残った銘柄で絶えず構成されているため、インデックス運用を通じて成長している銘柄に分散投資し続けることが可能といわれています。
ETFは、長期投資にやさしい低コストであり、インデックス運用のため、運用状況が把握しやすいという特長があります。このような特長を生かし、ETFを積立投資の手段のひとつとしてお考えいただければと思います。
記事内でご紹介したETFについて
【日経平均株価に連動する運用をめざすETF】
1578 - 上場インデックスファンド日経225(ミニ) (愛称:上場日経225(ミニ))
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留意事項
商品概要
1330 - 上場インデックスファンド225 (愛称:上場225)
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留意事項
商品概要
【東証株価指数(TOPIX)に連動する運用をめざすETF】
1308 - 上場インデックスファンドTOPIX (愛称:上場TOPIX)
商品トップページ
留意事項
商品概要