最近、日経平均株価の史上最高値更新がニュースを賑わしている。市場環境が追い風であるのに加えて、海外投資家が日本についてポジティブなコメントを様々発しており、これを裏付けるように海外勢の旺盛な日本株買いが見られていることから、同指数はその後も上昇基調を維持している。
「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」。これは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長がニューヨーク市の国連本部で行った最近のスピーチで述べた言葉である。そして、確かにここ数年は異常気象という点では非常に厳しい状況で、欧州やアジア、北米で山火事、ハリケーン、記録的な猛暑などが続いている。
債券の概念は、融資に家畜や穀物が使われていた数千年前に遡る。より近代的な解釈が生まれたのは12世紀のベネチアで、戦争や国家の取り組みの資金調達に債券が一般的に使われるようになり、後にオランダの堤防のようなインフラ開発の資金調達でも使われるようになった。
2023年は市場にとって素晴らしい年であった。とはいえ同年、世界は過去最高気温を記録するとともに、数々の大きな気候災害を目の当たりにした。ハワイの山火事、北アフリカの干ばつ、南米で相次いだ洪水、日照り、地震、土砂崩れなど、数え上げればきりがない。筆者が言いたいのは、中央銀行は短期的には金融リスクや市場をコントロールできるかもしれないが、母なる自然にはかなわないということだ。
歴史上最も積極的な金融引き締めサイクルの1つとなった今サイクルの先行きシナリオとして、一見不可能なように思われたソフトランディング(リセッションを回避した緩やかな景気減速)は、可能であるばかりか実現の可能性が高まっている。米国の経済指標は、まずまず好調な労働市場や金融環境の緩和、そして足元では世界的な製造業サイクルの好転を追い風に、(またしても)好調さを増している。世界の需要は総じて堅調であり、上向く可能性のある経路も増えつつある。
昨年10月中旬以降、大幅に低下してきた米国債利回りは、米FRB(連邦準備制度理事会)が利下げは当面ないと示唆したことを受けて、投資家のあいだでFRBによる早期利下げ開始への期待を修正する動きがみられたため、1月は反転上昇した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.042%低下の4.21%、10年物の指標銘柄で同0.033%上昇の3.91%となった。
インド市場は引き続き魅力的である。企業収益の成長はアジア地域で最も高水準にあり、バリュエーションは過去のレンジの中央近辺で推移しているほか、経済成長は好調でインフレは抑制されている。
運用マネージャーとして、最も重要なことの1つであり、最も難しいことの1つは、誤りを犯したことを認めるタイミングを心得ていることだ。投資において、判断ミスはしばしば起こり得る。綿密なリサーチや投資哲学の厳格な適用、規律あるポートフォリオの実行は、リスクを最小限に抑え、長期的に優れたリターンを生み出すことのできる強固な運用ポートフォリオを構築するのにいずれも重要な役割を果たす手段だが、これらは将来を予測することはできない。
金融環境は2023年10月後半以降、大幅に緩和している。過去2年間において米FRB(連邦準備制度理事会)は早計な金融緩和へと傾く市場の期待を何度も押し返してきたが、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)会合ではそうせず、インフレが目標に向かって順調に減速傾向を辿っているとの市場の見方と実質的に同じ見解を示した。
金利がピークを打ち、また米ドルが高値をつけた可能性があることは、市場全般の好材料になる可能性があり、特に流動性の影響を受けやすい市場や利下げ余地が大きい国、ファンダメンタルズのポジティブな変化が見過ごされてきた分野でこのことが言える。重要な転換期を迎えている中国経済は、高度な製造業やテクノロジー、自給自足、海外のよりハイエンドな市場での成長を促進する経済へと軸足を移しており、当社ではこれらの分野を有望視している。