マーケット・ビュー

 

マルチアセット 2021年6月

経済指標はインフレ率を中心に浮き沈みが激しいものの、金利は低下して大半の「サプライズ」がすでに織り込まれたことを示唆している。これはグロース資産にとってポジティブな材料と言える。イールドカーブが第1四半期に見られたように急にスティープ化するよりも安定する環境の方が、グロース資産のパフォーマンスは良くなるからだ。

インフレと投資戦略

リーマン・ショックを経て、2010年ごろから世界は長らくデフレ懸念に見舞われていたが、コロナ・ショックをきっかけに主要国で多額の財政出動が行われ、大部分のお金がいまだに消費者の預貯金として蓄えられていることから、インフレ期待が醸成されつつある。簡単に言えば、巣ごもり消費では使い切れないほどのお金が、今後数年にわたり供給が追いつかなくなるほどの需要を生み出す、ということだ。

ネットゼロカーボン: 取り組みに熱気も、その本気度やいかに?

「近頃の人はあらゆるものの価格を知っているが、何の価値も知らない」、というオスカー・ワイルドの名言がある。

進歩の代償ということについて言えば、彼の言葉はそれほど事実から離れていない。産業革命以降、確かに人類は相当な進歩を遂げてきた。しかし、これによって犠牲となってきたのが環境である。工業化による経済発展や富の創造は、エネルギー消費量の急増や、それに伴う温室効果ガス排出量の増加をもたらした。こうした温室効果ガス(炭素)の排出は、世界の気温が着実に上昇する一因となってきた。

これからのリスクを考える

最初に、「テーパリング(tapering)」の意味がしばしば誤解されているので明確にする。テーパリングとは、「先細り」を意味する taper から派生した言葉であり、量的緩和そのものが終わるのではなく、スピードダウンすることだ。米国の例を見ると、2014年年初から資産購入ペースのスピードダウンを半年ほど続けた後、2015年に入ってから購入額の水準を維持した。2015年12月に利上げを開始したが、保有資産の規模は縮小せず、緩和縮小は大変ゆっくりと進められた。

アジア小型株の投資魅力

アジアの小型株は、大型株を長期的にアウトパフォームしてきた実績があるとともに伝統的株式ポートフォリオに優れた分散効果をもたらすことから、長期スタンスの投資家にとって多くの投資メリットがあると考える。

アジア債券 Monthly Outlook 2021年4月

4月の米国債利回りは安定化した。米国の国内経済指標が景気加速を確認する内容となりインフレ指標も市場予想を上回ったにもかかわらず、債券利回りは低下基調に転じた。米FOMC(連邦公開市場委員会)の声明では、金融政策の方向性に関する新たな変更は発表されなかったが、経済見通しについてはより明るいトーンが示された。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.001%低下の0.161%、10年物で同0.115%低下の1.628%となった。

アジア株式 Monthly Outlook 2021年4月

当月のアジア株式市場(日本を除く)は、中国その他複数の域内諸国で2021年第1四半期のGDP成長率が市場予想を上回ったことなどを受けて同地域の景気回復をめぐり楽観ムードが広がるなか、まずまずの上昇を見せ月間リターンが米ドル・ベースで2.5%となった。

マルチアセット 2021年5月

米国債市場は、今年の各市場にとってリフレ・トレードの重要なバロメーターとなっている。大半の資産クラスは米国債利回りの動きに沿ったパフォーマンスを見せてきており、プラスであれマイナスであれ強い相関性が続いている。第1四半期の最後に1.74%でピークをつけた米国債10年物の利回りが4月は低下に転じ、年初からの激しい下落相場はようやく一息ついている。その波及的影響として、ドルが下落するとともにグロース株が対バリュー株でのパフォーマンスの劣後を一部取り戻した。米国の大手テクノロジー企業の決算内容が好調であったことも、グロース株への資金回帰を促した。

インフレと金利と株式市場

製造業の急回復で銅などのコモディティ価格が上昇し始め、米国経済が正常化すれば労働力不足となり、インフレが起こりやすくなるのでは、といったことが心配されている。さらに、米国でトランプ前政権の緊急対策に加えバイデン政権が追加的に財政を拡大させれば、自粛期間中に溜まっていた飲食などの需要だけでなく世界の総需要も急拡大し、供給が追い付かずにインフレとなる可能性がある(2020/6/25、「コロナ後のインフレを考える」で指摘)。しかし、これらは株価下落をもたらすとは思えない。“経済回復・正常化”→モノの価格・賃金の上昇→インフレ懸念・金利上昇→“経済悪化・株価下落”という因果は、経済回復・正常化⇒経済悪化・株価下落であり、矛盾しているからだ。

パーム油投資をESGの視点から考察

パーム油企業への投資は物議を呼ぶか、それとも好機をもたらすか。本稿では、パーム油セクター、そして同セクターが直面している重大なESG問題について詳細に考察する。結論から言うと、当社では、ESG面のポジティブな変化はパーム油企業にとって大きなチャンスとみており、持続可能性に関するゴールに向けて尽力し、自ら掲げたESG目標を上回る成果を挙げている銘柄への投資をめざしている。

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日興アセットマネジメントのサステナビリティレポートでは、当社の全社的なESG投資の促進に加え、トップダウンとボトムアップの両側面から取り組んでいるコーポレート・サステナビリティの活動についてご説明しています。

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* 運用資産総額(投資助言を含みます。)とその内訳比率は、日興アセットマネジメント株式会社、および海外子会社を合計したものです。

** 2024年3月末現在。

*** 2024年3月末現在。日興アセットマネジメント株式会社、および連結子会社の役社員を含む。