4月の米国債利回りは比較的小幅なレンジで推移し、中期債がアウトパフォームした。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比約0.02%低下の4.01%、10年物の指標銘柄で同0.05%低下の3.43%となった。
現地通貨建てアジア債券は、インフレ減速を背景に域内各国の中央銀行が利上げサイクルを終了するのに伴い、好パフォーマンスが予想される。良好なファンダメンタルズ、質の高さを伴う利回り、低い外国人保有比率といった他の要素も、この債券資産クラスの追い風になると考える。
3月の米国債市場はボラティリティの高い展開となった。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.79%低下の4.03%、10年物の指標銘柄で同0.45%低下の3.47%となった。
3月上旬、米国のシリコン・バレー銀行(SVB)が突然破綻したことで、投資家はこの破綻が世界中の銀行に波及する兆候の有無を固唾を呑んで見守った。このことは、クレディ・スイス(CS)など、世界の大手銀行の株式、債券の売却を誘発した。CSの問題は、同行の年次報告書の公表直前に米国の規制当局が過年度の財務諸表に関する照会を行い公表延期になったことを契機に一気に深刻化した。
2月の米国債市場はイールドカーブ全体にわたって利回りが大幅に上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比0.62%上昇の4.82%、10年物の指標銘柄で同0.41%上昇の3.92%となった。
1月の米国債市場は利回りが低下し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比約0.226%低下の4.203%、10年物の指標銘柄で同0.366%低下の3.511%となった。
12月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比約0.12%上昇の4.43%、10年物の指標銘柄で同0.27%上昇の3.87%となった。
11月の米国債市場は利回りが概して低下し、月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.173%低下の4.312%、10年物の指標銘柄で同0.443%低下の3.607%となった。アジア諸国の10月のインフレ圧力はまちまちとなった。マレーシア、インドネシア、韓国、フィリピンの中央銀行は11月に政策金利を引き上げた。
10月の米国債市場は利回りが上昇し、月末の利回り水準が2年物の指標銘柄で前月末比0.205%上昇の4.485%、10年物の指標銘柄で同0.218%上昇の4.050%となった。アジア諸国の9月のインフレ圧力は概して高止まりした。当月は、MAS(シンガポール金融通貨庁)が為替政策の引き締めを実施するとともに、インドネシアと韓国の中央銀行が主要政策金利を引き上げた。
9月の米国債市場は利回りが上昇した。月末の利回り水準は2年物で前月末比0.786%上昇の4.281%、10年物で同0.637%上昇の3.832%となった。アジア諸国のインフレ圧力は8月も総じて高止まりした。当月は、マレーシア、タイ、インド、インドネシア、フィリピンの中央銀行が主要政策金利を引き上げた。また、フィリピンやインドネシア、タイの金融当局はインフレ予想を引き上げた。