3月の米国債は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡大による恐怖や不安が市場を覆うなか、月を通じて利回りが乱高下するボラティリティの高い動きを見せた。
当月はアジア株式市場にとって厳しい1ヵ月となり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的流行)と原油価格急落の影響によって市場が大きく下落した。
市場の下落は速さと深さの両面でかつてない規模となり、2月後半に最高値を更新したS&P500 指数は、その後約1ヵ月で34%下落することとなった。月末にかけては、市場は下落分の3分の1程度をなんとか回復したが、異例の市場ボラティリティに伴う混乱が落ち着き始めた今、問題はこの先どうなるのかということだ。
新型コロナウイルスの感染防止のための行動制限等により消費が蒸発したことなどから、世界の金融市場は大きなストレスを受けている。ただし、国・地域によりその度合いは異なり、先進国より新興国のストレスが高いとは限らない。
欧州社債市場は、2020年2月にスプレッドが直近の最低水準をつけて以来、大幅な下落に見舞われている。
4月7日、政府は事業規模108.2兆円の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を閣議決定した。
新型コロナウイルスの世界的な拡大を受けて、これまで重視してきた「リーマン・ショックからの米国の雇用回復→賃金上昇→消費拡大→貿易拡大が世界に波及」という大きなトレンドは…
新型コロナウイルス感染症「Covid-19」の流行はパンデミック(世界的流行)となった。株式市場は下落相場に陥り、ヒトとモノの移動が世界規模で制限され、政府と中央銀行は大規模な財政出動と金融緩和を通じてそれぞれの国の経済を支援するという困難な任務を背負うこととなった。
1月に世界的な重要性を持つようになった新型コロナウイルス感染症(Covid-19)は明らかに金融市場を揺るがし、公衆衛生上の甚大な難題をもたらした。
2月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界経済への影響をめぐる懸念が強まり投資家心理が悪化するなか、米国債市場は上昇した。