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前回の上場SP500米国株(1547)のご紹介に続き、上場チャイナ株(1548)の設定に至るまでについてお伝えします。

日本の投資家にとって利便性の高い中国投資をめざすETF

今回ご紹介するのが、『上場インデックスファンド中国H株(ハンセン中国企業株)<愛称:上場チャイナ株>(1548)』です。このETFが連動をめざす指数は「ハンセン中国企業株指数」です。この指数は中国本土企業で香港証券取引所に上場している株式(中国H株)から構成されています。この指数(中国H株)は香港ドル建てになりますが、香港ドルの為替レートの変動は中国人民元の変動とほとんど似た動きになっています。よって投資規制が多くある中国人民元建ての中国本土株(中国A株)と比較して、中国経済の動きを反映しつつも投資規制が少ない中国H株の投資は中国A株の投資を補完・代替する運用として有効なものであると考えています。

当社には既に中国株式に投資するETFとして上場パンダ(1322)があります。こちらは上海と深セン市場に上場している中国人民元建て株式(中国A株)の代表指数であるCSI300指数に連動をめざすETFです。中国A株市場は個人では直接投資のできない市場で、外国人の投資枠が制限されていますが、その投資枠を得た当社は、日本の投資家の皆さまに発展する中国経済に手軽に投資する機会をご提供しています。しかし、このETFに限らず中国A株に連動するETFは、投資規制があることと需給が集中することによりプレミアム/ディスカウント(純資産価値より割高/割安で取引されること)になりやすい構造になっています。現在、指定参加者(証券会社)がその値付けにおいてかなり努力をしているものの、それが避けられないものになっています。一方、今回の上場チャイナ株(1548)は、規制が少ない中国H株が投資対象ですし、香港市場と東京市場は時差も1時間なので理論的にはプレミアム/ディスカウントになりにくいETFです。しかも中国A株の動きに近いので、補完・代替だけでなく中国株式の主力投資対象としてもご検討いただけるETFだと思います。

上場チャイナ株(1548)の組成構想は、上場パンダ(1322)を立ち上げてから、早い段階で検討を始めていました。最初は中国本土から資本が出ていて香港の会社(レッドチップ)からなる指数を使ったETFにしようか、大変迷ったこともありました。しかしながら、上場チャイナ株(1548)の連動指数であるハンセン中国企業株指数は指数先物があり、現物株・先物ともに流動性もあり、ETFの流動性を高められるとの判断から現在のものになりました。このETFは原則指数どおりの銘柄を指数どおりの比率で投資します。
余談ですが、上場チャイナ株(1548)の開発時の呼び名は上場ドラゴンでしたが、残念ながら、この名称は正式には使われませんでした。先月、香港に出張の折、ハンセン中国企業株指数の指数会社であるハンセンインデックス社を訪問した際、名称の話題で盛り上がりました。香港のETF業界では、上場パンダ(1322)の仕組みやネーミングの評価がなかなか高く、ハンセンインデックス社は上場パンダに負けないネーミングをという気持ちが強かったようです。上場タイガー、上場Hパンダ・・・金融商品のネーミングは結構大事なのですが、あまり凝り過ぎると何がなんだかわからなくなり、なかなか難しいものです。

さて、次回は、今月同時に設定・上場します最後3つめのETF「上場インド株(1549)」についてお伝えします。