本日、東京証券取引所から日興アセットマネジメントとしては24本目のETFの上場承認をいただきました。新しいETFは東京証券取引所と日本経済新聞社が共同で開発した「JPX日経インデックス400」に連動するETF「上場インデックスファンドJPX日経インデックス400(愛称:上場JPX日経400)(1592)」です。

連動対象の指数は、東証上場銘柄(市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ)を対象に、優良・ガバナンスチェックを経た銘柄から選ばれます。適格基準(赤字)と流動性スクリーニングで1,000銘柄にしぼり、さらにROEと3年累積営業利益、時価総額によるスコアリングを行ない、ガバナンス項目(社外取締役、IFRS採用、英文開示)でスコアを加点したものから400銘柄を選定するものです。また、特定の大型銘柄の値動きに引きずられないように1.5%の組み入れ上限が定められています。

当社の日本株式に投資をするETFは、今回のETFを入れて13本になります。環境関連や中国関連といったテーマの切り口だけではなく、企業の質という切り口のETFは当社としても初めてのものになります。投資家の方々にも新たな投資手段を提供できるものと考えています。

JPX日経インデックス400のインパクト

持続的に企業価値向上が見込まれる企業を組入れる

この新指数は、日本の株式市場にとって大きな意味があると考えています。当該指数の算出・公表のプレスリリースには狙いとして「『投資者にとって投資魅力の高い会社』で構成される株価指数を創生します。これにより、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業価値向上を促し、株式市場の活性化を図ります。」とあります。市場に上場していることに安住することなく、投資家に支持される企業の質的改善を強くメッセージしている指数なのです。長らく日本の株式市場の問題点として指摘されてきた、ガバナンスの欠落や資本効率の悪さの改善を促すものとなっています。昨年12月1日~9日に、英国と米国の証券会社に往訪してそれぞれのETF市場の情報収集を行なってきたのですが、日本に対する関心は高く、逆に質問攻めにあってしまいました。その時に、このJPX日経インデックス400を紹介すると極めて好感触でした。日本経済の復活に加えて、質的改善が促されるという受け止め方をしていただいたという印象でした。残念ながら、訪問した10社以上の証券会社で、当該指数を既に知っていたところはなく、もっと海外投資家へ情報発信を強めていかなくてはならないと思いました。

ETFは取引所に上場すると国内外の投資家に売買されます。海外からの問い合わせが無い日はありません。そのような問い合わせのときに、不自由な英語でも説明ができるようにとの思いで充実させてきた当社の英語のディスクロージャーがあります。JPX日経インデックス400のスコア加点項目に決算情報の英文開示の有無がありますが、当社のETFにおいても英語の情報提供は、日本の他のETF運用会社には負けない、一番だと自負しています。そのような評価基準からすると、当社のETFは選んでいただけるものだと確信していますが、同じように認知をされないと評価もされないので、今回のJPX日経インデックス400と上場JPX日経400(1592)について知られていないようなことが無いよう、内外の金融規制を考慮しながら情報発信をしていきたいと思っています。

上場JPX日経400(1592)の仕組み

現金設定型のETF

さて、新ETF、上場JPX日経400(1592)は、1月28日に上場しますが、他の運用会社も同日に同じ指数に連動するETFを上場させる予定です。ただし、ETFの仕組みは異なります。当社の上場JPX日経400(1592)は現金設定型で、他社のETFは現物設定型です。

“現金設定型”と”現物設定型“の違いや特徴については、昨年3月に上場しました上場日経225(ミニ)(1578)についてのコラムNo.27「小回りの利く日経平均の小さいETF~上場日経225(ミニ)(1578)」でご紹介しています。

今後の上場JPX日経400(1592)を取り巻く環境

競争が激しくなっていく中、重要になってくる情報開示

JPX日経インデックス400は、昨年11月の「公的・純公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」の報告書の提言にもありますように、公的年金基金への利用が薦められています。機関投資家の投資が期待されますし、今年から始まったNISAの投資対象としても、優良企業投資ということですので好ましいと考えられています。そのようなことから、公募・私募問わず非上場の投資信託が設定されているようですし、当社の後を追って当指数を連動対象としたETFを、今までETFを出していなかった運用会社も設定・上場をしてくるところも考えられます。この先はETFの競争環境が厳しくなっていくのは必至だと思っています。そのような中で、投資家の方々にご支持いただけるETFの運用会社であり続けるためには、投資家にとって魅力のある資産クラスのETFの開発を行ない、投資家のコスト負担をおさえつつ高い管理・運用を実現していくこと、また、ディスクロージャーの改善を継続的にはかり、透明性を確保することをしていかなければ生き残れないと考えています。

先ほど触れました米国出張ではETFの発行会社にもお会いしてきました。米国市場の競争環境の厳しさをとくとくと説明されました。先進市場の例を参考にしつつ当社も研鑽に努め、投資家の方々に有用なサービスを開発していきたいと思います。 引き続き、日興アセットマネジメントのETF 上場インデックスファンドシリーズにご指導、ご鞭撻をお願いいたします。