9月3日、菅首相(自民党総裁)は、同月29日投開票予定の自民党総裁選挙への出馬を見送る意向を表明しました。これをきっかけに、このところ伸び悩んでいた日本株式は大きく上昇しました。TOPIX(東証株価指数)は、2,000ポイントを上回り約30年4ヵ月ぶりの高値水準となりました。また、高値圏にはあったものの1,700ポイント台から抜け出せずにいたTOPIX Ex-Financials(以下、TOPIX(除く金融))も1,800ポイント台へ上昇するなど、勢いづく展開となりました。

新型コロナウイルスのデルタ株蔓延による緊急事態宣言の発令や景気回復の遅れなどを背景に、内閣支持率が低下していましたが、事実上の首相交代となることで、政治的閉塞感の打破への期待が高まり、株式市場が上昇したものと思われます。この後、11月までに実施される衆議院選挙に向けて、コロナ対策や経済対策などの新たな進展が期待されます。

TOPIXおよびTOPIX(除く金融)のいずれの指数も、米国株式と比べて、コロナ・ショック前の水準からの回復に出遅れが目立ちます(左グラフ参照)。9月3日現在の予想PER(株価収益率)を見ると、米国株式は約22倍、欧州株式は約17倍となっているのに対し、TOPIXは約15倍、TOPIX(除く金融)は約16倍と、相対的に割安な状況です。いずれも足元での低下傾向が続き、2015年末以降の平均を若干ですが下回っています(下グラフ参照)。

動き出した日本の政局や今後の政策、株式市場の割安感などに注目が集まるようであれば、この先、TOPIXおよびTOPIX(除く金融)の出遅れの解消が期待されます。

主要国・地域の株価指数の騰落率/株価指数と予想PERの推移

TOPIX(東証株価指数)の動きに連動を目的としたETF銘柄:「上場インデックスファンドTOPIX」
TOPIX Ex-Financialsの動きに連動を目的としたETF銘柄:「上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials」
ETF(愛称)
(銘柄コード)
対象指数 売買単価
(2021年9月14日終値)
上場市場 売買単位 最低投資金額(概算)
上場TOPIX
(1308)
TOPIX(東証株価指数) 2,161円 東京証券取引所 100口 216,100円
上場TOPIX(除く金融)
(1586)
TOPIX Ex-Financials 1,876円 1口 1,876円

* 最低投資金額(概算)は、2021年9月14日終値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。

※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。