2022年12月22日
新興国への投資マネーの流れが回復の兆しを見せています。国際金融協会が発表した11月の速報値によると、新興国への資金流入額(株式と債券)は374億米ドルとなり、資金流入額は前月から4倍近く増え、1年5ヵ月ぶりの高水準となりました。
この背景には、米国における利上げペース鈍化観測の高まりや、それに伴なう米ドル高の一服があります。2022年3月から続く米国の利上げとそれに伴なう急激な米ドル高の進行は、新興国から米国への資金の巻き戻しを加速させ、株式市場の下落や長期金利の上昇などを通じて、新興国経済へ悪影響を及ぼすとみられていました。加えて、米ドル建ての資金借り入れ比率が高い新興国企業の、実質的な利払い負担の増加による財務悪化が懸念されていたことから、足元の米ドル高の一服などを受け、新興国経済に対する過度な不安が和らいだとみられます。
新興国の株式については、経済の成長力に比べ割安感が強まっていることも資金流入を支えているとみられます。10月に発表されたIMF(国際通貨基金)のGDP成長率予想では、2023年の新興国の成長率は3.7%と先進国の成長率(1.1%)を大きく上回っています。なかでもインドでは、旺盛な内需を背景に底堅い成長が続いており、2023年の成長率は世界の主要国で最高の6.1%と予想されています。一方、中国の成長率予測はゼロコロナ政策が景気の足かせとなり、4.4%にとどまるとされています。しかし12月に入り、中国では新型コロナウイルスの防疫規制の緩和が続いており、経済再開による景気回復への期待が高まっています。規制緩和に伴ない、足元で感染が拡大しているほか、1月下旬の春節(旧正月)などには、人の往来が一段と活発になることもあり、今後の感染再拡大には注意が必要なものの、中国当局は23年には景気てこ入れに焦点を絞る方針を打ち出しており、消費喚起や企業支援などの政策が打ち出され、景気の下支えとなることが期待されます。
新興国の株式市場への投資には、新興国株式の動向を表す代表的な指数「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」への連動を目的としたETF(上場投資信託)の活用をご検討されてはいかがでしょうか。
ETFの愛称 〔銘柄コード〕 |
対象指数 | 売買単価 (2022年12月21日終値) |
上場市場 | 売買単位 | 最低投資金額(概算)* |
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上場MSCIエマージング株 〔1681〕 |
MSCI エマージング・マーケット・インデックス | 1,615円 | 東京証券取引所 | 10口 | 16,150円 |
*最低投資金額(概算)は、2022年12月21日終値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。
※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。