2012年3月30日
新興国国債は、欧州債務問題の深刻化などを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まったことなどを受け、2011年半ばに大きく下落しましたが、2012年に入り、欧州債務問題に進展がみられる中、世界経済に回復の兆しが見え始めたことなどから持ち直す動きとなりました。市場が落ち着きを取り戻したことに加え、新興国の景気が相対的に底堅いことや、債務問題を抱える先進国などと比べ財政の健全性が高いこと、また、相対的に利回りが高いことなどが、新興国国債の押し上げ要因になっているとみられます。
国債の信用度(債務返済能力)をみるうえで、一般に経済成長率や財政状態がどの程度かということが重要となります。2012年(予想)のGDP成長率と政府債務残高の関係をみると、先進国や欧州のGDP成長率は低く、政府債務残高は高い見通しとなっています。一方、新興国のGDP成長率は高く、政府債務残高は低い見通しとなっています。これは新興国経済の高成長や所得の拡大などにより税収入が増加していることなどが背景にあると考えられます。また、こうしたことに伴ない新興国では信用格付の改善傾向が続いていることなどを考えると、引き続き、新興国国債の投資魅力は高いといえそうです。
こうした比較的高い経済成長とともに比較的健全な財政状態が引き続き見込まれる新興国の国債への投資にあたっては、ETF(上場投資信託)の活用が便利です。新興国には信用リスクや政治リスクが存在する国もあり、投資にあたっては国の選別などに留意する必要がありますが、ETFを活用することで、手軽に分散投資が可能となります。
ETF(愛称) (銘柄コード) |
対象指数 | 売買単価 (2012年3月30日始値) |
売買単位 | 最低投資金額(概算)* |
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上場新興国債 (1566) |
バークレイズ・キャピタル自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックス | 54,500円 | 1口 | 1口54,500円 |
*最低投資金額(概算)は、2012年3月30日始値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。
(IMF「World Economic Outlook, September 2011」などをもとに日興アセットマネジメントが作成)
※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。