2013年半ばから堅調な推移が続いてきたJリート市場は、足元でやや軟調な値動きとなっています。これにはいくつかの要因が考えられますが、その大きなものとして「金利要因」と「需給要因」が考えられます。

Jリートは投資家からの出資に加え、借り入れや社債などで資金を調達していることから、金利が収益に与える影響が大きくなります。金利(一例:10年国債利回り)の低下傾向が続くなか(左グラフ)、Jリートは上昇傾向となっていましたが、金利の低下余地が少なくなったことなどから、足元では金利が上昇する局面もあり、Jリート市場の押し下げ要因となりました。

また、 Jリートはその利益の大部分を投資家に分配するため内部留保が少なく、事業規模拡大のために新たに物件を購入する際には、増資などで調達した資金を充てることが一般的です。アベノミクスによる景気回復期待や日銀による資金供給などを背景とした調達環境の改善を受け、Jリートの資金調達は増加しています(右グラフ)。一方で、不動産市況の改善に伴なう物件価格の上昇を受け、投資採算の取れる価格での物件購入が困難になっているとの懸念も高まっており、市場が増資に対して弱気な見方をしがちになっていることが、 Jリート市場の重しとなっているようです。

ただし、Jリートのリスクプレミアム(分配金利回りと10年国債利回りとの差分)は、2013年以降も一定水準を保っており(右グラフ)、 Jリートの投資収益率が足元で大きく低下している訳ではありません。また、今後、金利上昇が予想されるものの、景気回復に伴なう空室率の改善や賃料上昇が続き、金利上昇を乗り越える収益が見込めるようになる中で、 Jリート市場は堅調な推移を取り戻してゆくものと考えられます。

Jリート市場への投資には、「東証REIT指数」への連動をめざす「ETF(上場投資信託)」の活用をご検討されてはいかがでしょうか。

J-REITの市況および増資等の状況とリスクプレミアムの推移

※Jリートの発行済口数は、 Jリートの時価総額を東証REIT指数で   除して算出した簡易的なものであり、実際の口数とは異なります。

(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)

「東証REIT指数」に連動する投資成果をめざすETF:上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型
ETF(愛称)
(銘柄コード)
対象指数 売買単価
(2015年3月11日終値)
上場市場 売買単位 最低投資金額(概算)
上場Jリート
(1345)
東証REIT指数 1,833円 東京証券取引所 100口 183,300円

*最低投資金額(概算)は、2015年3月11日終値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。

※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。