前回のコラムでご紹介しました日興アセットのディスクロージャーですが、ETFの先駆的市場である米国と比べるとまだ一歩追いついていませんでした。そこでさらなる開発を行ないました。

1年以上前のことですが、ある指定参加者の方から次のことを言われたことがありました。国内籍ETFを使った方が、投資家にとって会計・税金・売買コスト・管理等、有利なことはわかっているが、最終の機関投資家に取引所売買高の大きな米国のETFを提案した方が、容易に約定がとれる上に、指定参加者等にとっては収益性が高く、さらに、国内籍ETFはETFの保有銘柄(ポートフォリオ)の日々開示や、設定用バスケットすら情報端末であるBloombergに開示していないので扱いにくい。
調べてみると、確かにBloombergにおける国内籍ETFの開示は、四半期末の保有銘柄(ポートフォリオ)開示のみとか、設定用バスケットの開示が皆無といった状態で、米国籍ETFの開示レベルには遠く及んでいませんでした。そこで、この点だけでも米国籍ETFに追いつきたいと思い、Bloombergに上記データを提供する当社のプロジェクトがスタートしました。
開発は、対処療法的な対応にはせずに、将来の変更・応用にも耐えられるようなシステムの作りにしました。まず、ETFの保有銘柄(ポートフォリオ)や設定用バスケットのデータベースを整備するところから始めました。そのため少し時間がかかったものの、当社からの当該データの提供は今年の9月から、Bloombergからの配信は10月からスタートしました。本件は、現在国内の他のETF管理会社は行なっていない、当社が先行しているサービスとなっています。

機関投資家の評価が向上した日興アセットのETF 「上場インデックスファンド」

前述の指定参加者の方に、当社ETFのディスクロージャーの進化を最近説明したとき、米国籍ETF並みの開示レベルになったとご評価いただきました。また、機関投資家が国内籍ETFを使った方が会計・税金・売買コスト・管理等、有利なことに気づき、引き合いが多くなったとのこと、そのきっかけは、日銀によるETF買い入れ額が市場出来高に対比させて大きい(ご参考:「月刊資本市場 2012.3(No.319)」 26ページ表6)のはなぜか考えたことから始まっているとのことを教えてくれました。そして、当社ETFのディスクロージャーが良いことから安心して売買に臨める(これは機関投資家への提示プライスが他社ETFに比較してよくできる、また、提示プライスが他社ETFと同じとした場合、ヘッジロス等で収益を逃すリスクが少ないという意味)ので、機関投資家から銘柄指定が無ければ当社ETFを薦めるといってくださいました。

機関投資家のETF売買は、主に立会外取引や店頭市場で行なわれますが、その売買が活発になれば、裁定・ヘッジ取引を通して、今度はETFの投資対象先の取引所内の株式売買や先物取引が活発になり、さらに取引所内のETF売買も活発になっていくと思っています。個人投資家の取引所内における売買も、空の板で値段が飛んでしまうようなことが防げ、指値でなくとも安心して売買ができるようになって、利便性がさらにアップすることに繋がります。

様々な金融グループの再編が行なわれ、系列の結びつきを強化する会社がある一方で、当社は独立した運用会社として、前述のように投資家および市場関係者(指定参加者等)への真のサービスで勝負をしています。ETF投資をご検討の際は、ぜひ、日興アセットのETF「上場インデックスファンド」をご利用ください。

以上