【第8回】1時間目:「投資が必要」は本当に本当なのか?
長期ではイメージしづらいので、数年で区切って考える

長期ではイメージしづらいので、数年で区切って考える

  • 2019年03月04日

さて、ずっと見てきた40歳のこの人の「25年で5,000万円計画」ですが、改めて考えると「25年」って長すぎてイメージ湧かないですよね。でも25年間で平均5%の収益が必要なのは間違いないんです。そこでお勧めしたいのは、3年とか5年とかで期間を区切って、その中で5%の実現を考えるというやり方です。

図:10年間の計画(イメージ)


まず「今からの5年間だけ」にフォーカスして5%を獲得する手段を考える。今この瞬間からの5年なら何が最もリスクが少なく年平均5%を獲得できるだろうか、と考えるわけです。それより先のことは考えない。どうせ分かりませんしね。もちろん5年をさらに1年単位に区切って、毎年毎年5%を達成すべく頑張るという手もありますよ。市場とにらめっこして。でもそれは疲れそうですし、結局は失敗しそうです。少なくとも私達が投信を作る時に想定している時間軸とは違います。

やはり5年単位で物事を考えるくらいの市場との付き合い方がちょうどいいと思うんです。そういえばNISA(ニーサ)の非課税期間もちょうどこの5年です。さて、5年単位で考えなければならないとなると、「今は何が儲かるかな?」という思考とはまったく変わってきます。例えば「債券がいいかな、いや大きな景気の波を考えるなら少し株式を組入れるべきかな。日本株かな、でも長期で考えると日本だけでなく米国もかな」といった感じになると思います。

今さらっと言ってしまいましたが、「債券がいいかな、株式がいいかな」を考えるなんて、結構難易度の高い話ですよね。ここについては3時間目でお話する予定です。

さてこの人のケースは25年だから、5年がちょうど5つ入りますね。もし5つの期間すべてで年5%が達成できれば、25年通して年5%が達成できたことになります。つまり「65歳5,000万円計画」が成就するわけです。

ついつい私達の業界の人間は、無責任に「長期投資で考えましょう」なんて言ってしまいますが、実際に10年とか20年の長期で投資を考えるなんてそう簡単なことじゃありません。でも、だからと言って「期間なんて気にせず、その時々で良さそうなものを繋いでいけばいいじゃん」というスタンスでは、おそらくうまく行かないんですよね。

 セミナー実況中継 ~前を向く人の、投資信託~

※本記事は日興アセットマネジメントが「セミナー実況中継 ~前を向く人の、投資信託~」として出版した内容より抜粋したものです。

講師 今福 啓之

講師
今福 啓之(いまふく ひろゆき)

日興アセットマネジメント マーケティンググローバルヘッド
2008年2月に「日興AMファンドアカデミー」を開校、金融商品やサービスについてわかりやすくご説明することの重要性を深く認識し、長年にわたり投資に関する正しい知識を学んでいただけるようなプログラムを推進している。



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