マーケット・ビュー

 

米国の関税:一か八かの大勝負が始まる

4月2日、米国はすべての国からの輸入品に10%の共通基本関税を課し(4月5日開始)、約60ヵ国に対してはより厳しい関税(貿易黒字が大幅な国に対しては最大50%)を課すという相互関税政策を発表した。例えば、日本に対して発表された基本関税率は24%、対中国は(従来の20%に加えて)34%、対台湾は32%、対EU(欧州連合)は20%で、対ベトナムでは46%にも上った。

進展をみせるベトナム

我々はこの1週間、ホーチミン市で企業やアナリスト、政府関係者と対話したが、投資家のあいだでは慎重ながらも楽観的なムードが漂っていた。ベトナムは、輸出の低迷や債券市場の危機、重大な政変から持ち直して1年が経過し、転機を迎えている。目先の見通しは際立ったものには見えないかもしれないが、現在進められているより深い構造的シフトが、ベトナムを持続的かつ長期的な成長へと導く可能性がある。

Balancing Act 2025年3月

2月の資産市場は両悪入り混じったパフォーマンスを見せ、株式が売り込まれる一方で債券は上昇した。グローバル株式の月間リターンはマイナスに転じ、MSCI Worldインデックスで-0.81%となった。地域別のパフォーマンスはまちまちで、米国ではS&P500種指数が1.42%下落する一方、欧州ではユーロ・ストックス50指数が3.34%上昇した。

金利ある世界への回帰は日本にとって何を意味するのか

緩やかながらも着実に金融緩和の脱却を進めている日銀は、1 月に短期金利を 17 年ぶりの高水準となる 0.5%に引き上げた。日本経済が数十年にわたる停滞から回復の兆しを見せるなか、金利ある世界に戻ることが日本の家計や企業、政府にどのような影響をもたらすのかを分析してみる。

On the ground in Asia 2025年2月

2月序盤は、貿易戦争に関する脅威が再燃したことを受けて米国債利回りが上昇した。しかし、米国の経済指標が相次いで市場予想を下回り、エコノミストたちが第1四半期の経済成長予想を下方修正すると、市場では米FRB(連邦準備制度理事会)の年内利下げ回数の増加が織り込まれ、その結果、利回りは一転して低下した。

Harnessing Change 2025年2月

DeepSeekが中国市場に活気をもたらしており、中国のITセクターは、規制当局による大々的な取り締まりが始まって5年ほど経つなか、2025年に入ってから復活劇をみせている。さらに、追い風となる政策環境が続き、消費主導型経済への構造改革を促進する政策が今後もさらに実施されていくとみられるなか、中国の景気回復と成長が進む可能性は十分にある。

インドのヘルスケアセクターへの道

今朝、以前働いていたシンガポール中心部にあるビルの前を通った。2023年までは欧州系のグローバルな投資銀行がキーテナントとして入居していたはずだが今やその姿はなく、一方で1階の一区画に入居していた歯科医院は残っていた。医療産業は衰えることを知らない産業であり、世界中のあらゆる国の経済と密接につながっている。人の命が有限であり続ける限り、病気を処置していくための治療法が必要となる。

Balancing Act 2025年2月

1月は、前月に弱含んだ債券と株式がともに上昇するなど、ほとんどの資産クラスでリターンがプラスとなった。グローバル株式はMSCI Worldインデックスで月間リターンが3.4%と、年初の低調なスタートから一転して上昇に転じた。一方、グローバル債券は、ブルームバーグ・グローバル総合債券インデックスで月間リターン(米ドル・ベース)が0.6%となった。

Harnessing Change 2025年1月

1月はDeepSeekが世界で話題となった。この低コストAI(人工知能)モデルの登場を受けて、設備投資を見直す動きが広がる可能性がある。さらにDeepSeekの登場によって、よりコスト効率や拡張性の高い、アクセスしやすいAI環境へのシフトもみられ始めている。また、AIプロジェクトのネックとなっていた多額の設備投資を行うことなく、最先端のテクノロジーを取り入れることができる中国企業が増えていく機会がもたらされている。

On the ground in Asia 2025年1月

米国債市場は、供給圧力が大幅に高まり利回りが上昇するなか、2025年は低調な出だしとなった。その後、米国の2024年12月の総合CPI(消費者物価指数)上昇率が市場予想通りとなる一方、コアCPI上昇率が市場予想を若干下回ったことを受けて、米国債利回りは低下した。

DeepSeekはAIのパラダイム・シフトを起こしたか

少し前まで、AI(人工知能)という言葉はSF小説の世界でしか見られなかった。カルト映画の名作「ブレードランナー」の原作となったフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や、同名映画の製作につながったアイザック・アシモフの「われはロボット」といった作品で大きく取り上げられていた。

フューチャー・クオリティ・インサイト:コロナ禍の記憶と今も続く企業への影響

新型コロナウイルス感染症の世界的大流行時に他の多くの家庭もそうだったように、我が家にも新しい住人が仲間入りした。ふわふわの子犬、名前は「ベンジー」だ(右写真)。長男が巣立つことになったので、恥知らずのようではあるがその代わりに犬を飼うことにした。家のどこにいても息子のジェイミーが私たちの後をついて回り、食べ物をねだっていたというわけではないが(少なくとも、いつもそうだったわけではないが)、彼が大学進学でいなくなったときに家中が静かになったと感じたが、コロナ禍を受けたロックダウン(都市封鎖)時にはその感覚がさらに強まった。

日銀に倣って漸進主義をとるFRB

米FRB(連邦準備制度理事会)は市場の予想通り、1月29日に政策金利を据え置いた。FOMC(連邦公開市場委員会)メンバーは、翌日物金利の誘導目標を4.25~4.5%に据え置くことを全会一致で決定した。しかし、パウエルFRB議長は、金利は依然「中立金利を大きく上回っている」と述べた。

貿易不安が広がるなか日銀は利上げ:AIの間接的なリスク低減効果に注目

日銀は1月24日に翌日物金利を0.25%引き上げた。これは予想通りの結果であり、金融市場は織り込み済みであった。今回の利上げによって無担保コールレートは0.50%と2008年以来の高水準に達した。また、2024年に日銀が金融政策引き締めに転換してから3回目の利上げとなり、合計利上げ幅は世界金融危機以降で最も大きいものとなっている。

Balancing Act 2025年1月

12月は大半の資産クラスでパフォーマンスが悪化し、前月好調だった債券と株式はともに下落した。グローバル株式市場は、月中に史上最高値を記録したもののその後調整に転じ、月間市場リターンがMSCI Worldインデックスで-2.3%となった。ブルームバーグ・グローバル総合債券インデックスのリターンも米ドル・ベースで-2.2%となった。

日本がアメリカの関税に対抗するには

米国の今後の政策、特に貿易相手国に課すかもしれない関税措置については、不透明な部分が多い。次期米政権の厳しい発言の矛先は特に中国に向けられている模様だが、中国は程度の差こそあれ日本など多くの国々の貿易相手国である。関税実施のスピード感や程度について、市場では気を揉む状況が続いているが、現時点では過去の関税措置の影響を検証しておくのが有益だろう。

Harnessing Change 2024年12月

トランプ次期大統領が新興国市場に与える影響について懸念はあるものの、過去のデータによると中国、韓国、台湾は最も貿易感応度の高い市場であるにもかかわらず、トランプ大統領の第1期の期間にS&P500種指数をアウトパフォームした。ここで得た教訓は、先入観を持たないこと、そしてトランプ氏の大言壮語よりも、大幅なファンダメンタルズの変化が起こり得るということだ。

On the ground in Asia 2024年12月

12月の米国債利回りは総じて上昇した。一方、米FRB(連邦準備制度理事会)が2025年の利下げはこれまで示唆していた回数よりも減少する可能性があることを示し、米ドルは上昇基調となった。FRBのガイダンスがタカ派的にシフトしたことに加えて、経済指標が好調となったことや2025年の利下げ見通しが変化したことを受けて、利回りは上昇した。

米国の財政・通商政策が不透明ななかFRBと日銀は様子見モード

12月18日の米FRB(連邦準備制度理事会)、その翌日の日銀による政策金利決定はいずれも市場予想通りの結果となった。FRBはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%引き下げて4.25~4.5%とし、日銀は無担保コール翌日物金利を0.25%に据え置いた。いずれの場合も主な焦点となったのは、これらの予想通りとみられる決定をめぐってどのようなメッセージが発信されるかであった。

Balancing Act 2024年12月

11月は大部分の資産クラスが好調に推移し、債券と株式がともに上昇した。米国大統領選挙で共和党候補が勝利したことを受けて株式市場が上昇し、グローバル株式市場(MSCIワールド・インデックス)は月間上昇率が4%を超えた。一方、グローバル債券市場(ブルームバーグ総合債券インデックス)は米ドル・ベースで1%超上昇した。

動画ライブラリー

日興アセットマネジメントのサステナビリティレポートでは、当社の全社的なESG投資の促進に加え、トップダウンとボトムアップの両側面から取り組んでいるコーポレート・サステナビリティの活動についてご説明しています。

サスティナビリティ・レポート

ARKスペシャルサイト

日興アセットマネジメントは、企業活動における二酸化炭素排出量を相殺するため、英国のカーボン・フットプリント社(Carbon Footprint Ltd.)の協力を得て、カーボンクレジットの購入を通して二酸化炭素削減プロジェクトに資金を提供することで、2018年より「カーボン・ニュートラル」の認証を得ています。

About Nikko Asset Management

運用資産総額* 36兆9,017億円**
就業者数*** 952
ポートフォリオマネージャー 108
アナリスト/エコノミスト/ストラテジスト 64
トレーダー/その他スペシャリスト 50

* 運用資産総額(投資助言を含みます。)とその内訳比率は、日興アセットマネジメント株式会社、および海外子会社を合計したものです。

** 2024年12月末現在。

*** 2024年12月末現在。日興アセットマネジメント株式会社、および連結子会社の役社員を含む。