日経平均株価が30年ぶりに3万円台に乗せるなど、コロナ禍にありながら強い株式市場(以下、市場)となっている。これは主に①バイデン米政権の大型財政政策への期待、②主要国での新型コロナウイルス感染拡大の鈍化と正常化期待、③主要国の製造業の雇用や収益の改善、に支えられている。一方リスクは、①バイデン大統領が早い段階で富裕層増税やキャピタルゲイン課税強化などを語り始めること、②ワクチン接種の効果が想定外に低いこと、③旅行・飲食など非製造業の回復が遅れ、消費者が補助金などを貯蓄し消費に回さないこと、などが挙げられる。
1月の米国債市場はイールドカーブがスティープ化した。米国の財政支出拡大見込みを受けて、米国債利回りは年初に急上昇した。月後半には、米国株式市場のバリュエーションが高水準にあることやCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチン接種が一様には進んでいないことに対する懸念から、市場でリスク回避志向がある程度強まった。
1月の市場は特に月末にかけて不安定な展開となったが、当社ではこのような状況がしばらく続くと予想している。2020年3月下旬以降ほぼ休むことなく続いているリスク資産の力強い上昇が、11月初旬の米国選挙を受けて再び勢いを増したからだ。
2020年はシンガポールにとって試練の年だった。経済は落ち込み、株式市場のリターンはマイナスに陥った。だが、2021年の見通しは、輸出の回復に伴い、輸出品を中心とした製造業が経済回復をけん引し改善すると考える。
2020年は世界にとって紛れもなく恐ろしい年であった。喪失、痛み、不安、そして別離の1年であり、テクノロジーや社会的特権も全く歯が立たなかった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生以来、政府、企業、個人は不完全で変わり続ける情報に基づき社会的・経済的に重要な決定を下すことを余儀なくされ、その決定がもたらした進路をたどるしかなかった。
2020年は恐怖や不安、不確実性が渦巻き、心肺停止寸前となった世界経済を電気ショックで蘇生させたような1年だった。一方、芸術品から金、不動産に至るまで投資家と資産のオーナーにとっては、2020年は資産の増大、投資の成功、そして信頼感が回復を実現した1年となった。2020年を通して当社のレポートをお読みいただいた読者は、資産価格の高騰に驚かなかっただろうが、世間一般はあっけにとられただろう。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)は、新興諸国を中心に世界各地で甚大な人的・経済的被害をもたらした。
NT倍率の上昇が続いており、日経平均株価がTOPIX(東証株価指数)の上昇を上回る状態が続いている。NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)は、2019年初めの13倍台からおよそ 2 年の間に15倍台に上昇した。
2021年は、世界がCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)に対抗すべくワクチン開発を進めるなか、コロナ危機の終わりの始まりとなった年として記憶されるであろうと考える。日本では、パンデミックの影響が後退し経済活動が正常化するにつれ、景気が徐々に回復すると予想している。
米国の資本主義は大きな社会的分断の上に築かれたものだが、時として、それに耐えられなくなり、国民の大部分が反旗を翻すことがある。今回のケースでは、新型コロナウイルス流行の影響で所得格差が広がり、不安がさらに深まった。しかし、過去4年間においては一般大衆が様々に異なる方法で反撃し、互いに争い合う結果に終わった一方、富裕層はかつてないほど栄えた。
中国にとって2020年が波乱に満ちた1年だったと言ったとしても、それは控えめな表現だろう。2019年と2020年を通して、米国からの政治的制裁の猛攻に耐えてきた中国は、2020年の年明け早々に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行に見舞われた。
過去12ヵ月間において、金融市場で議論されるトピックは大きく変わった。論点はマクロ経済指標から、感染者数や入院患者数、ワクチン接種など、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)関連の問題へと移ってきた。
当月のアジア株式市場(日本を除く)は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチンが世界的な景気回復をもたらすとの楽観ムードや米国の追加財政出動、中国の堅調な経済指標を追い風に着実な上昇を見せ、月間リターンが米ドル・ベースで6.8%となった。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、英国・EU(欧州連合)間の自由貿易協定合意を発表した際、英国の詩人T.S.エリオットを引用して「私たちが始まりと呼ぶものは、終わりであることがよくあります。ですから、終わらせることは始めることでもあります。終わりはスタート地点なのです。」と述べた。
12月の米国債市場では、イールドカーブがややスティープ化した。月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.027%低下の0.122%、10年物で同0.075%上昇の0.915%となった。当月は、欧州(特に英国)におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染者数の増加や米国の財政出動に関する不透明感をめぐって、投資家の懸念が強まった。
年の変わり目とは、マーケット解説者たちがしまい込んでいた水晶玉を取り出し、来る年の予言をする季節である。しかし、2020年を正しく予測できた者はいなかったであろう。2020年を発端とした出来事が世界に影響を及ぼし続けることは避けられず、2021年の予測の誤差をさらに高くしている。数え切れないほどの「来(きた)る年」の展望レポートは、2021年が2020年とは正反対になると予測している。いろいろな意味で、このような予測が当たることを願うばかりである。既承認、未承認を問わず、多くの新型コロナウイルス感染症ワクチンが、これまでに実施された臨床試験の結果と同様に、新型コロナウイルスの変異種に対しても効果を発揮することを願わずにはいられない。
2020年がパンデミック(世界的流行)の年として記憶されるのは間違いないだろう。金融市場の観点からはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)はもはや古いニュースと考えたくなるが、ウイルスは経済見通しにとって依然大きなリスクを呈している。
2020年3月ごろに新型コロナウイルス感染拡大を抑える目的で導入した行動制限やロックダウン(都市封鎖)などの影響で世界的に株式やREITの価格が急落(以下、コロナ・ショック)した後、J-REIT市場(以下、REIT)は株式市場に比べて回復が遅れている。
1891年に開催されたシカゴ万国博覧会で使用された照明機器で交流の電流が使用された。その後まもなく、ナイアガラの滝のそばに建設された水力発電所で交流発電機が初めて採用され、電化の時代が幕開けした。当時、発電所から遠い場所で必要な時に電球を点灯できることは、神がこの世に光をもたらしたのと同じくらい奇跡的なことだった。そして、それはすべてテスラのおかげだった。
また四半期が過ぎたが、(英国では)依然として出張やオフィスでの会合が制限されている。筆者は空き時間を過ごすために、新鮮で面白い新作映画を探すものの結局見つからず、「ジェイソンボーン」シリーズなど自分にとっての定番物を鑑賞することに落ち着いてしまうことが多い。これらの映画が公開されて以降のテクノロジーの進化や、ハリウッド映画が描写するような人々の居場所を追跡する様子がいつの間にか誰にとっても現実となったことを目にするのは興味深い。その他にも面白いと思ったのは、次に何がやってくるか分からず、予想だにしない旅へと導かれることを魅力として強調する点だ。