マーケット・ビュー

 

気候変動はメガトレンド

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」。これは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長がニューヨーク市の国連本部で行った最近のスピーチで述べた言葉である。そして、確かにここ数年は異常気象という点では非常に厳しい状況で、欧州やアジア、北米で山火事、ハリケーン、記録的な猛暑などが続いている。

目的を持った債券の再興

債券の概念は、融資に家畜や穀物が使われていた数千年前に遡る。より近代的な解釈が生まれたのは12世紀のベネチアで、戦争や国家の取り組みの資金調達に債券が一般的に使われるようになり、後にオランダの堤防のようなインフラ開発の資金調達でも使われるようになった。

エネルギー安全保障とフューチャー・クオリティ

2023年は市場にとって素晴らしい年であった。とはいえ同年、世界は過去最高気温を記録するとともに、数々の大きな気候災害を目の当たりにした。ハワイの山火事、北アフリカの干ばつ、南米で相次いだ洪水、日照り、地震、土砂崩れなど、数え上げればきりがない。筆者が言いたいのは、中央銀行は短期的には金融リスクや市場をコントロールできるかもしれないが、母なる自然にはかなわないということだ。

Balancing Act 2024年2月

歴史上最も積極的な金融引き締めサイクルの1つとなった今サイクルの先行きシナリオとして、一見不可能なように思われたソフトランディング(リセッションを回避した緩やかな景気減速)は、可能であるばかりか実現の可能性が高まっている。米国の経済指標は、まずまず好調な労働市場や金融環境の緩和、そして足元では世界的な製造業サイクルの好転を追い風に、(またしても)好調さを増している。世界の需要は総じて堅調であり、上向く可能性のある経路も増えつつある。

On the ground in Asia 2024年1月

昨年10月中旬以降、大幅に低下してきた米国債利回りは、米FRB(連邦準備制度理事会)が利下げは当面ないと示唆したことを受けて、投資家のあいだでFRBによる早期利下げ開始への期待を修正する動きがみられたため、1月は反転上昇した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.042%低下の4.21%、10年物の指標銘柄で同0.033%上昇の3.91%となった。

Harnessing Change 2024年1月

インド市場は引き続き魅力的である。企業収益の成長はアジア地域で最も高水準にあり、バリュエーションは過去のレンジの中央近辺で推移しているほか、経済成長は好調でインフレは抑制されている。

運用マネージャーとして、最も重要なことの1つであり、最も難しいことの1つは、誤りを犯したことを認めるタイミングを心得ていることだ。投資において、判断ミスはしばしば起こり得る。綿密なリサーチや投資哲学の厳格な適用、規律あるポートフォリオの実行は、リスクを最小限に抑え、長期的に優れたリターンを生み出すことのできる強固な運用ポートフォリオを構築するのにいずれも重要な役割を果たす手段だが、これらは将来を予測することはできない。

Balancing Act 2024年1月

金融環境は2023年10月後半以降、大幅に緩和している。過去2年間において米FRB(連邦準備制度理事会)は早計な金融緩和へと傾く市場の期待を何度も押し返してきたが、12月のFOMC(連邦公開市場委員会)会合ではそうせず、インフレが目標に向かって順調に減速傾向を辿っているとの市場の見方と実質的に同じ見解を示した。

Harnessing Change 2023年12月

金利がピークを打ち、また米ドルが高値をつけた可能性があることは、市場全般の好材料になる可能性があり、特に流動性の影響を受けやすい市場や利下げ余地が大きい国、ファンダメンタルズのポジティブな変化が見過ごされてきた分野でこのことが言える。重要な転換期を迎えている中国経済は、高度な製造業やテクノロジー、自給自足、海外のよりハイエンドな市場での成長を促進する経済へと軸足を移しており、当社ではこれらの分野を有望視している。

On the ground in Asia 2023年12月

12月の米国債市場は、発表された様々なデータを受けて米FRB(連邦準備制度理事会)が2024年に利下げに踏み切るとの市場の見方が引き続き支えられるなか上昇した。FRBは、12月に3会合連続でFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を据え置き、また2024年に3回の利下げを行うことを示唆した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.431%低下の4.25%、10年物の指標銘柄で同0.447%低下の3.88%となった。

Balancing Act 2023年12月

「高金利の長期化」シナリオを織り込む市場の調整は、株式と債券の下方相関性が強かった10月をピークに、流れが一巡した感がある。潜在成長率を上回る成長を続けている米国経済が企業収益を堅調に下支えしていることから、当社では「高金利の長期化」は株式にとって必ずしもマイナス材料ではないとの見方を維持している。

On the ground in Asia 2023年11月

11月の米国債市場は、様々な指標が景気減速を示唆する内容となったことや、タカ派とされる米FRB(連邦準備制度理事会)の理事が金融政策引き締めへの積極的な姿勢を後退させる可能性を示唆したことを受けて上昇した。月末の利回り水準は2年物の指標銘柄で前月末比0.407%低下の4.68%、10年物の指標銘柄で同0.604%低下の4.33%となった。

グローバル・マルチアセット2024年の見通し

過去1年を振り返ってみると、投資の世界では2023年に関する予測の多くが外れることとなった。2023年の初めには、中国は政府の景気刺激策と経済活動の再開に支えられ、景気回復を迎えるように見受けられたが、そうとはならず、経済成長は期待外れに終始した。

グローバル株式市場2024年の見通し

金融規制当局は、過去の運用実績は将来の運用成果を示唆するものではないという文言を好む。しかし、私たち投資家はよく、この先の市場環境がどのようなものになり得るかのヒントを得るために過去に目を向ける。活かすことができるパターンや回避できる罠が存在する場合が多いからだ。しかし、2024年においては、過去に目を向けてもいつもの有用な知見が得られないかもしれない。

グローバル債券市場2024年の見通し

サステナブル債券ユニバースは規模と成熟度が増してきており、債券への分散投資ポートフォリオを構築する際に「ベスト・イン・ユニバース」のアプローチをとる投資家であれば、グローバル債券市場の新規発行額の約15%を占める同分野を検討しないわけにはいかないだろう。しかも、この割合は今後大幅に増加する見込みである。2

Harnessing Change 2023年11月

中国は、短期的にはネガティブな材料があるものの、先進製造業やテクノロジーへと軸足を転換しており、引き続き長期投資機会が豊富だとみている。他では、世界で最も有望な成長ストーリーの一部はインドやインドネシアで見出すことができ、また台湾や韓国は半導体産業の回復に伴う緩やかな需要拡大サイクルの恩恵を今後も享受するとみられる。

日本株式市場 2024年の見通し

2023年の日本株は、TOPIXと日経平均株価が1990年以来の高値を付け、世界のほぼすべての株価指数をアウトパフォームして先進国のなかで羨望の的となるなど、非常に良好なパフォーマンスとなった。2024年は国内の様々な業界の再編が進むとともに長期的な改革措置の年になり、市場はグローバルな要因よりも日本固有の動向によって左右されると予想する。

2024年の世界のマクロ経済見通し

世界経済は緩やかな成長を見せインフレは減速する公算が大きいが、以下に挙げるような数多くの要因からして、投資環境は追い風どころか確実・安定からもほど遠い状況になるだろう。したがって、特異な時代が続くなか、投資家は過去の経済・金融市場の回復における従来のモデル、特に1990年代半ば以降最もうまく機能してきたモデルに大きく依存すべきではない、と依然考えている。

アセアン株式市場2024年の見通し

2023年は世界的な金融引き締めと際立つドル高に注目が集まり、これらがアセアン諸国を含む大部分の新興国にとって大きな逆風要因となった。2024年の焦点は金利引き上げから成長、より具体的には世界経済が減速するなかで成長が見込まれる分野を見つけることに移るとみている。アセアン地域は、成長ストーリーが比較的良好であり政策環境がより緩和的であることから、相対的に好調に推移すると予想する。

シンガポール株式市場2024年の見通し

2023年のシンガポール株式市場は、年初の予想よりも低調となった。しかし、2024年のシンガポール株式市場は、ポジティブなドライバーが増える可能性がある。当社では、シンガポール経済のテクノロジーおよびサービス・セクターの両方を有望視しており、外需は概して堅調さを増すとみている。

アジア金利・通貨2024年の見通し

年初のコンセンサスでは2023年は米国債利回りが低下するとみられていたが、実際には利回りは上昇した。ベンチマークである米国債10年物利回りは、米国銀行危機の最中で経済困窮への懸念が高まっていた2023年4月の3.25%という低水準から、経済指標が米国経済の継続的な底堅さを示した10月末にかけては16年ぶりの高水準となる5.02%にまで上昇した。

アジア株式市場2024年の見通し

読み始める前に、500mlのボトルの水を用意して、それを飲みながら読み進めてほしい。興味深いことに、これはChatGPTが消費する水の量と等しい。生成人工知能(AI)のチャットボットと対話するたびに、ChatGPTは(データセンターやサーバーなどを冷却するために)通常約500mlの水を「飲む」(消費する)。

ここ数週間の英国では嵐のような天候が続いたが、雨と風の合間に新鮮な空気を吸いに出かけるのはいいものだ。筆者の地元であるスコットランドのビーチでさえ、しばらくは人気のサーフィン・スポットになっている。サーフィンは、運動、アウトドア、そして特に悪天候との闘いからの完全な気分転換を兼ね備えた娯楽として、なぜか筆者には個人的にいつもとりわけ魅力的に映る。

アジア・クレジット市場においては、ファンダメンタルズや需給環境が引き続き追い風となっている。一方で、足元ではアジア投資適格債のスプレッドが史上最低水準近辺にあるなど、バリュエーションは厳しい状況にある。ネガティブなリスク要因は依然残っているが、多くの好材料が織り込まれている様子である。

中国株式市場2024年の見通し

中国株式市場にとって2023年は非常にボラティリティが高い年となり、年間リターンはマイナスとなった。2023年の序盤には、新型コロナウイルス大流行の収束を受けて中国経済の活動再開が急速に進むとの楽観論や大きな期待が広がるなか、中国株式市場のリターンが回復してより安定的かつ堅調に推移していくとの見方が優勢となった。

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** 2023年12月末現在。

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