マーケット・ビュー

 

中国の景気刺激策は十分か?

中国本土の経済は低迷している。若年層の失業率上昇を受けて国内消費が冷え込んでいる一方、家計資産は大部分が不動産に投資されており、不動産価格の下落に伴って大きく目減りしている。コロナ後は、マクロ経済の回復の遅れや欧米との間で続く貿易摩擦が原因となって企業収益が落ち込み、国内株式市場は劣勢に立たされている。

On the ground in Asia 2024年9月

米FRB(連邦準備制度理事会)は、金融界が注目するなか数年ぶりとなる利下げを実施し、0.50%の大幅利下げを行った。これを受けて、米国債利回りは全般的に低下し、短期債利回りがより大幅に低下した。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.28%低下の3.64%、10年物の指標銘柄で同0.12%低下の3.78%となった。

グローバル投資委員会による中期展望:リスクはもはや低くない

9月26日にグローバル投資委員会(GIC)を開催した時点で、米国の経済成長は底堅くも幾分鈍化するという第2四半期での当委員会の見通しは現実のものとなっていた。しかし、米国のEPS(1株当たり利益)成長率については、(堅調ながらも鈍化するというGDP成長率の見通しに沿った)当委員会の予想は市場予想に比べて若干保守的なままであった。

FRB利下げが物語る現在の金融情勢

9月18日、米FRB(連邦準備制度理事会)は大方の予想通り利下げを実施した。(市場の予想は割れていたが)事前に一部で予想されていた通り、FRBによる利下げ幅は50ベーシスポイント(bps)となった。実際、9月17日時点では今回の50bpsの利下げ幅のうち41bpsしかFF(フェデラル・ファンド)金利先物に織り込まれていなかった。

Balancing Act 2024年9月

8月は序盤に市場のボラティリティが急激に高まったものの、最終的にグロース資産は概ね上昇し、世界の先進国株式市場の月間リターンは2.51%となった。月初には日本株式市場を筆頭として世界の株式市場が大幅に下落した。TOPIXは1日で12%下落し、日次の下げ幅としては1980年代以降で最大となった。

On the ground in Asia 2024年8月

米国の労働市場が急速に軟化している兆しや米FRBがハト派的な兆候を示したことを受けて、8月の米国債利回りは一段と低下した。7月の米FOMC議事録では出席者の「大半」が金融緩和を行う準備が出来ているとの見方をしていることがさらに示された。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.34%低下の3.92%、10年物の指標銘柄で同0.13%低下の3.90%となった。

Harnessing Change 2024年8月

当社では、アジア市場の中期的なファンダメンタルズの最大の変化は金利環境のシフトだとみている。労働市場の指標低迷やインフレ指標の沈静化が続くなか、FRBは間もなく利下げを開始すると予想されており、これがアジアに大きな影響をもたらすとみている。

変わることがないのは変化だけ:転換期の世界における投資

転換と変貌を遂げつつある世界において、まさに変わることのない唯一のものは変化である。しかし、変化は機会と脅威をともにもたらし得る。こうした変化に投資家としてどう対応するかが長期的な成功にとって極めて重要であることは明らかだ。

2024年11月の米国大統領選挙が近づくなか、ドナルド・トランプ氏が2期目を確保した場合に生じ得る不確実性と機会に焦点を当てながら、アジア株式の観点からみた世界の貿易、経済、地政学的な影響を探る。

Balancing Act 2024年8月

株式市場は7月も続伸した。しかし、当月は好調なスタートを切ったものの、ボラティリティが高まる兆しも見られ始めるなか月末にはそれまでの上昇分がほぼ帳消しとなった。企業業績見通しは良好に推移し、米国内では大半の企業の業績が市場予想を上回った。

グローバル投資委員会によるレビュー:見通しは依然良好、ただし下方リスクに要注意

8月13日、グローバル投資委員会(GIC)は臨時会合を開き、最近の不安定な市場動向の影響や、強まりつつある米国の成長鈍化懸念について改めて精査した。GICによる結論は以下の通り。

Harnessing Change 2024年7月

インドは、アジアにおいて引き続き長期的な成長ストーリーがあり、新たな投資資金を引き付け続けている。一方、中国は投資家心理が好転するポジティブな材料を待っている状態であり、バリュエーションは割安な水準にある。

日本の景気回復を損なわず円安から脱却するには

円安は日本の企業収益、国民総所得、経常黒字を押し上げ、日本経済の回復に重要な役割を果たしてきた。しかし、いずれ金融市場が方向転換する場合に備え、日本が円安の助けを借りずに景気回復を維持していく方法を考えるべき時期に来ているのかもしれない。

On the ground in Asia 2024年7月

当月の米国債市場は、米FRB(連邦準備制度理事会)の今回の利下げサイクルにおける初回利下げが大幅に前倒しされるとの見方が市場で広がるなか、大きく上昇した。FRBが政策金利を据え置いたことを受けて、利回りは月末最終日に全般的に低下した。

美容製品から自転車に至るまで前途有望なアジア小型株

世界の美容業界をより規模の小さい韓国企業が席巻するようになったのは周知の通りだ。1990年代に始まった「韓流」の波は、韓国の文化やエンタテイメントの世界的人気に火をつけた。今日、これには美容トレンドも含まれ、「Kビューティ」と呼ばれるスキンケア製品や化粧品で世界の美容トレンドを切り開いている。例えば「グラス・スキン」という言葉は美容意識の高い人々の間で世界的に定着しており、潤いと輝きに満ちた肌にするための10ステップのスキンケア法も広まっている。

Harnessing Change 2024年6月

中国については、ファンダメンタルズのポジティブな変化が実際に確認されてから選好度を引き上げる方針であり、非常に選別的なアプローチを維持している。アジア株式市場は、AI(人工知能)をめぐる熱狂状態やポジティブな構造改革などが相俟って、台湾、韓国、インドを中心に上昇した。

Balancing Act 2024年7月

株式市場は上昇し、米国市場は大手テクノロジー企業の業績上振れと好調な見通しを受けて史上最高値を更新した。経済指標が軟化を見せインフレが下振れするなか、米FRB(連邦準備制度理事会)が早ければ9月にも利下げを行う可能性が高まったことも、市場センチメントを下支えした。米国の雇用統計も、失業率が2021年11月ぶりの水準に戻るなど、好材料となった。今では市場はFRBによる利下げを年内2回と予想しており、相場が難なく上昇できる環境が整っているようだ。リスク資産の方向性を左右するのは来たる決算シーズンとみられるが、11月に米国の選挙が控えていることから、今後数ヵ月は市場のボラティリティが高まると予想される。しかし、FRBは「ノーランディング」(景気が減速も後退もしない状態)シナリオを首尾よくやり遂げた模様であり、市場ではこれが歓迎されリスク資産の追い風となるだろう。

On the ground in Asia 2024年6月

当月の米国債利回りは、複数の主要経済指標が市場予想を下回ったことを受けて、あらゆる年限で低下した。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.12%低下の4.76%、10年物の指標銘柄で同0.10%低下の4.40%となった。アジア域内の5月の総合インフレ率は、中国、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピンで加速する一方、インドネシア、インド、韓国でやや鈍化した。

グローバル投資の視点で中国債券を見直すべき時

最近、中国は世界のニュースの見出しに頻繁に登場するようになったが、その多くは特に明るい話題ではない。世界的な貿易障壁の高まり、銅からソーラーパネルに至るまでの中国産工業材料の余剰在庫増加、国内不動産市場の苦戦、消費者需要の鈍化などはいずれも中国株式市場の低迷要因となっている。

グローバル投資委員会による中期展望:成長はまだ続くが慎重さをもって臨む

基本シナリオとして、大半の主要国でGDP成長率がプラスになるとみており、欧州を除く全地域でやや景気上振れのリスクがあると考える。この基本シナリオでは、米国と欧州でインフレが緩やかなディスインフレ傾向を伴いながらレンジ内で推移する一方、日本ではリフレが継続し、中国でもリフレが加速すると予想している。

Balancing Act 2024年6月

中央銀行がインフレを抑制しながら世界的な景気減速を回避できる可能性が引き続き高まっているなか、市場は2024年に入って以降力強い上昇を続けている。米国ではインフレが市場予想を上回る水準にとどまっているが、個人消費と雇用に若干の軟化が見られるようになってきた。これを受けて金融引き締め環境の終焉が視野に入ってきており、米FRB(連邦準備制度理事会)は現在年内に1回の利下げを予想している。

Harnessing Change 2024年5月

欧米は景気サイクル後期にあり、バリュエーションが割高であるのに対して、アジアはサイクルの初期にあり、バリュエーションが割安となっている。このことは、世界の投資家に優れた分散の選択肢をもたらすだろう。

On the ground in Asia 2024年5月

5月の米国債市場はボラティリティがやや高まった。月末の利回り水準は、2年物の指標銘柄で前月末比0.162%低下の4.87%、10年物の指標銘柄で同0.181%低下の4.50%となった。アジア域内では、インフレ動向がまちまちとなった。また、マレーシア、インドネシア、韓国、フィリピンの各中央銀行は政策金利の据え置きを決定した。

日銀は国債買い入れ減額をゆっくりと着実に進める姿勢

日銀は6月の金融政策決定会合において大方の予想通り金利を据え置いたが、毎月の国債買い入れ減額にすぐ動くと見込んでいた市場参加者にとってはやや失望的な決定内容となった。そうした市場参加者のあいだでは買い入れ額が現在の6兆円から5兆~6兆円の範囲へ減額されると予想されていたことから、失望感が広がりドルが円に対して小幅に上昇した。

インド総選挙の結果と同国株式市場への影響

2024年のインド総選挙では、出口調査予測や市場予想に反して、ナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)が239議席しか確保できず、単独過半数に必要な272議席に届かなかった。前回の2019年選挙ではBJPが303議席を獲得していたことから、大幅に議席を減らしたことになる。

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* 運用資産総額(投資助言を含みます。)とその内訳比率は、日興アセットマネジメント株式会社、および海外子会社を合計したものです。

** 2024年6月末現在。

*** 2024年6月末現在。日興アセットマネジメント株式会社、および連結子会社の役社員を含む。