ETFの特色は主に4つあります。

1.『簡単に分散投資』ETF投資は比較的少額で指数を買うのと同じ効果が期待できます。

自分で東証株価指数(TOPIX)に連動する株式投資を行なおうとすると、数十億円単位のまとまった資金が必要になりますが、上場TOPIX(1308)ですと、東証株価指数(TOPIX)のETFの価格が2,400円程度ならば、売買単位が1口単位なので2,400円程度で購入が可能です。上場TOPIX(1308)の保有で、TOPIXを構成している約2,000銘柄に分散投資ができるのと同じ効果が期待できます。

そしてETF投資は、個別銘柄に投資をするよりリスク低減が図れます。

例えば、100万円で株式を購入してみましょう。

100万円でA社の株式を購入したとします。購入時点では、A社株式は一株1,000円だとすると、1,000株購入できます。このA社株式は半年後にはもしかしたら一株2,000円になるかもしれません。そうなると100万円が200万円になります。一方、多数の銘柄に投資をした場合、全投資銘柄の株価が2倍になるという可能性は、個別銘柄の投資よりは低いと思われます。

逆に次のようなパターンも考えられます。

100万円でA社だけの株式を購入して、A社が倒産すると100万円の投資分はほとんどなくなってしまいます。ところが、同じ100万円を投資するにしてもA、B、Cの3社の株式を約33万円ずつ投資をしたら、その内A社が倒産してもB社とC社に投資をした分約66万円は残っているわけです(投資後の値動きは考慮しないものと考えます)。更にこれが3社だけでなく日経平均株価の225社の株式を購入したとすると、1社が倒産しても残りの225社中224社の株式分が残ります。しかも残った224社の銘柄の中には値上がりする銘柄もあるかもしれません。これが分散投資のメリットです。

※売買委託手数料、税金等は考慮していません。この資産はイメージであり、実際とは異なります。

2. ETFは保有費用が安いため、長期投資にも適しています。

ETFの取引と保有について、【売買コスト】と【保有コスト】の2種類のコストがかかります。

【売買コスト】は株式と同じ売買委託手数料です。ただ、最近この手数料が低下してきているので売買委託手数料の負担も軽くなり、手軽に投資できるようになってきました。

【保有コスト】は、主に信託報酬です。ETFは、普通の非上場の投資信託に比べ信託報酬が安いと一般的に言われています。ETFは、普通の非上場の投資信託とは異なり、販売会社への手数料やそのファンドにかかる事務費用(運用報告書の印刷費等)が安価であることから管理コストが安くなっています。

コストの種類 費用名
保有コスト 信託報酬など
売買コスト 売買委託手数料など

用語

信託報酬:
毎日一定の率でファンドの信託財産から間接的に差し引かれる運営費用のことで、内訳は運用会社の運用にかかる費用と、信託銀行が投資信託の資金を管理する際の費用、販売会社の販売等にかかる費用(ETFにはかかりません)の3種類です。新聞やウェブサイトで公表されている基準価額はこの信託報酬が差し引かれた後の金額です。

3. 値動きがわかりやすい

ETFは指数の動きに連動するように運用されるインデックス型と連動対象指数を定めないアクティブ型があります。特にインデックス型のETFは値動きがわかりやすいのが特徴です。ETFの市場価格は、その一口当たり純資産価値(基準価額)をベースに今の指数の動きを折り込んで投資家が売買するので、おおむねその市場価格も指数に連動していきます。そのためETFの価格変動は対象指数の動きで説明ができます。例えば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)ですと、身近に情報を得られることから値動きを把握しやすく、上場225(1330)上場TOPIX(1308)の値動きも容易に把握できます。

4. いつでも売買できます

取引所の取引時間中であれば、いつでもETFの売買が可能です。普通の非上場の投資信託は、1日1回その日の終値で基準価額が算出され、その基準価額で1日1回の設定解約しかできません。一方ETFは株式と同じように指値注文や成行注文で相場を見ながらリアルタイムで売買できます。ただし、1日に何回も売買を重ねると、その分売買委託手数料等がかかってしまう場合がありますので注意が必要です。

なお、ETFの基準価額も普通の非上場の投資信託と同じく1日1回算出されますが、この基準価額はETFの設定と交換(・解約→売買ではありません:ETFの仕組み参照)に使われます。

用語

指値注文と成行注文:
株式もETFの売買注文の出し方のことで、例えば「△△△の株式を“○○○円で”売りたい(買いたい)」といった希望の金額を指定して注文を出すことを、指値注文といい、金額は指定せずに「△△△の株式をいくらでもいいから買いたい(売りたい)」といった銘柄と株数のみを指定した注文の仕方を成行注文といいます。

2023年10月6日更新