- 2019年12月20日
よくわかるNISA講座① NISAでもETFを使ってみよう!
みなさんは、投資をする際にNISAやつみたてNISAをお使いでしょうか。
こちらでは、個人投資家向けの非課税制度であるNISAとつみたてNISAの歴史や利用状況を交え、使い方などを全3回にわたってご紹介します。
NISAのいいところ
みなさんは、投資をする際にNISAやつみたてNISAをお使いでしょうか。
こちらでは、個人投資家向けの非課税制度であるNISAとつみたてNISAの歴史や利用状況を交え、使い方などを全3回にわたってご紹介します。
NISA(ニーサ)は、一言で言うと「投資で得た利益を非課税で受け取れる制度」です。
通常なら、上場株式や株式投資信託の配当・分配金、売却益には20.315%(20%+復興特別所得税)の税金がかかりますので、実際に受け取れるのは利益の8割弱に減ってしまいます。しかし、NISA口座を利用した取引であれば、利益をまるごと受け取れます。このようにNISAは投資家にとってメリットの多い制度なのです。
なお、NISAはイギリスのISA(Individual Savings Account、個人貯蓄口座)をモデルにしてつくられました。日本版ISAということで、NISA(Nippon Individual Savings Account)という愛称がついています。
なぜNISAができたのか?
はじめに、そもそもNISAがどういう経緯でできたのかをお話します。
NISAが始まる前年の2013年までは、証券優遇税制といって上場株式や株式投資信託の配当・分配金、売却益に課される税率は10%に軽減されていました。これが2014年に20%に戻される(倍増する)のに合わせて、激変緩和措置としてNISAが始まったのです。つまり、NISAを利用しないということは、単に増税を受け入れることにもなるわけです。
NISAでETF投資
NISAで投資対象にできる商品は、「上場株式等」です。“上場株式”とは証券取引所に上場されている「個別銘柄」のことです。そして、後ろに付いている“等”にはいろいろなものが含まれていて、「株式投資信託」、「REIT」、そして「ETF」も対象となっています。これら「上場株式等」には、海外のものも含まれますので、投資家は非常に多くの商品から選ぶことできます。
ただし、実際には、NISA口座を開設できる金融機関ごとに取扱商品は異なり、特に銀行では「個別銘柄」や「ETF」などは買えませんので、投資家のみなさんは事前によく確認しておく必要があります。
ETFでの非課税イメージ

※上図はイメージです。
NISAは改良され続けている
2014年にスタートしたNISAは、その後改良が進み、徐々に使い勝手がよくなっています。
ざっと列挙しますと、
(2015年)
①NISA口座を開く金融機関を毎年変更できるようになった。
②一度NISA口座を閉じても、すぐに再開設できるようになった。
(2016年)
③毎年の投資上限額が100万円から120万円に引き上げられた。
④「ジュニアNISA」が創設された。
(2018年)
⑤口座開設時にマイナンバーを使用することで、住民票が不要になった。
⑥「つみたてNISA」が創設された。
(2019年)
⑦ロールオーバー時の上限額が撤廃された。
⑧一時的に出国した場合でも、NISA口座での保有が可能となった。
と、毎年のように何かが変わってきました。中でも、③や⑥や⑦は投資家にとってメリットのある、とても大きな変更だと思います。そして、2020年度の税制改正でさらに変更がありそうです。
NISAとつみたてNISAの利用状況
非課税口座数は順調に増え続けて、2019年6月末時点で、NISAとつみたてNISAの口座数は合計1,300万口座を超えています。非課税口座は日本に住む20歳以上の人であれば誰でも開設できますので、現在1億500万人いる20歳以上の1割以上が非課税口座を開設していることになります。
しかし、NISAとつみたてNISAの年齢別口座数の内訳を見ると、NISAについては半分以上が60歳以上で、資産形成層である若年層の大多数はNISAを利用していません。一方で、2018年からスタートした、つみたてNISAでは、資産形成層の30、40代が主体となり利用しています。今後、「成人したらNISAかつみたてNISAを始めよう!」というくらいに、これらの制度が浸透すればいいと考えています。
NISAとつみたてNISAの年齢別口座数の割合

出所:金融庁 NISA・ジュニアNISA 口座の利用状況調査(2019 年6月末時点)
非課税口座の開き方
NISAやつみたてNISAを使って投資をするには、「非課税口座」が必要です。これらの非課税口座は、日本に住む20歳以上の人であれば誰でも開くことができます。その手順をご説明します。
まずは、銀行や証券会社などの金融機関に投資信託を取引するための「総合口座」を開きます。その際は、本人確認書類、個人番号カード(通知カード)、印鑑などが必要となりますので、詳細は各金融機関にお問い合わせください。
それと同時かその後に、NISAやつみたてNISAの非課税口座の開設手続きをします。金融機関に備え置かれている「非課税適用確認書の交付申請書 兼 非課税口座開設届出書」を提出する必要があります。非課税口座は、他の金融機関と重複して開設されてないことが税務署を通じてチェックされます。
NISAとつみたてNISAの口座開設の流れ

非課税口座の注意点
非課税口座を開設した後でも金融機関の変更はできますが、その手続きは非常に煩雑です。また、NISAでは5年間の非課税期間を終えたときに次の非課税期間に保有資産を移管(「ロールオーバー」と言います)して非課税期間を10年に延長ができますが、ロールオーバーは前後の金融機関が同じでなければなりません。保有資産が値下がりした局面で非課税期間を終える場合も、ロールオーバーは有用な手段となります。みだりに金融機関を変更してしまうと、その権利を得られなくなることがありますので、注意が必要です。最初に非課税口座を開いた金融機関でずっと取引を続けるつもりでいた方がいいと思います。
【次回】よくわかるNISA講座② 意外と違う、NISAとつみたてNISA(2019年12月27日掲載予定)
筆者
汐見 拓哉(しおみ たくや)
日興アセットマネジメント 国内営業企画部 部長
SMBC日興証券を経て、日興アセットマネジメントに転籍。おもに投資信託のプロモーション業務に携わる。国内外の業界動向や制度・法改正の調査・分析、販売会社向け営業戦略の立案などを手がける。
■関連法令等の情報に基づき作成したものであり、将来変更になる可能性があります。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが少額投資非課税制度(愛称:NISA/ニーサ)に ついてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。 ■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。