11月の米国債市場ではイールドカーブがフラット化した。米国大統領選挙後、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)ワクチンの良好な臨床試験結果を受けて投資家心理が回復したことから、リスク資産市場は上昇した。その後、欧米におけるCOVID-19感染者数急増のニュースを受けて当面の景気悪化リスクが強まったため、米国債利回りは月上旬の上昇分を一部吐き出した。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.006%低下の0.149%、10年物で同0.034%低下の0.841%となった。
中国は、コロナ禍の影響から経済が大幅に落ち込んだものの、感染拡大の初期段階で行動制限等の措置を素早くとったことにより、現状、生産など経済活動は他国に先駆けて正常化しつつある。
当月は、米国大統領選挙を控えた神経質なムードや欧米でのCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染者数の増加を受けて、株式市場が世界的に下落した。しかし、アジア株式(日本を除く)は、域内におけるCOVID-19感染拡大ペースの減速や中国の景気回復に対する楽観的な見方の広がりを追い風に、月間市場リターンが米ドル・ベースで2.8%と、比較的堅調なパフォーマンスとなった。
米国大統領選挙が終わった今、候補2名はパラレルワールドを進んでいるようだ。明らかな勝者であるジョー・バイデン次期大統領は政権移行プランと就任のことを考えているが、ドナルド・トランプ大統領は選挙プロセス自体に異議を唱え続けている。そのような状況ながら、明白なことが1つある。民主党が大統領選で圧勝するとともに上院での過半数を覆すといういわゆる「ブルーウェーブ」は実現しなかった。上院は接戦の模様だが、それでも2021年1月に行われる2議席の決選投票を経て共和党が過半数を維持する見通しである。ポートフォリオ・ポジショ二ングの観点で言うと、ブルーウェーブは「リフレ・トレード」と密接な関係があった。米国で大型の追加景気対策パッケージが実施されれば、債券利回りが上昇してグロース株からバリュー株への資金シフトが起きるであろうからだ。選挙後の数日で市場が異なる結果へと再調整するなか、当初は債券利回りの低下を受けてグロース株がバリュー株をアウトパフォームした。
10月の米国債は利回りが上昇した。当月は、米国の大統領選挙と財政出動策がニュース見出しと市場の注目点となった。米国や西欧諸国におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大ペースの加速をめぐる懸念や後者におけるロックダウン(都市封鎖)の再実施を受けて、利回り上昇圧力は一部相殺された。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.026%上昇の0.155%、10年物で同0.19%上昇の0.875%となった。
中国の債券市場が厚みと規模において拡大を続けるのに伴い、注目していくに値する興味深いトレンドが生まれてきている。それらのトレンドの一部は新しいものではないが、なかには追加的な超過収益の実現に対する投資家の興味をそそるような、より目覚ましい進展もあると考える。
11月13日時点、米国大統領選挙はいまだ開票中であるが、民主党バイデン氏の当選確実の報道に基づき、「バイデン“新”大統領」就任を想定し、バイデン氏が掲げる政策の中から投資に直結しそうな内容について考察する。
2020年前半に起こったCOVID-19の世界的な流行を受けて、世界のあり様は根底から覆された。そのような環境下で、日本の企業は今やこの「ニュー・ノーマル」に適応するという新たな課題に直面している。
協調的な財政出動および金融緩和によって世界の需要は下支えされる可能性が高く、したがって向こう数年にかけてリフレが見込まれる。 当社では、これによって成長機会が全般的に拡大し、最終的にポートフォリオ分散の余地が広がるとみている。
今年の世界金融市場の混乱を受けた無差別的な格下げの波が魅力的な投資機会をもたらしているなか、当社はアクティブ運用のクレジット戦略によってお客様により優れた資産運用サービスを提供できると考えている。
足元、コロナ・ショックの混乱期(2020年3月から6月)に世界のエコノミストが想定した経済回復シナリオに沿って、米国の経済回復は順調に進んでいるといえる。米国を含む主要国で新型コロナウイルスの感染者が再度増加しているにもかかわらず、当初の医療崩壊懸念を含む混乱はおおむね避けられ、注目は経済回復の進度に向かっている。
前月まで3ヵ月連続で力強い上昇を見せていたアジア株式市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な流行)による打撃からの世界経済の回復が失速しつつあるかもしれないとの懸念を受けて、当月はついに利益確定売りに押された。当月のアジア株式(日本を除く)のリターンは米ドル・ベースで-1.5%となった。
9月の米国債利回りは狭いレンジで推移した。欧州におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行第2波、米株式市場のボラティリティの高止まり、追加財政出動をめぐる合意形成の難航継続などの要因が市場センチメントの重石となった。最終的に、月末の米国債利回りは2年物で前月末比0.003%低下、10年物で同0.021%低下した。
経済指標は最近やや軟化を示しており、米国の財政政策による景気対策第4弾が行き詰っていることから、今後も悪化が見込まれる。景気対策は最終的(おそらく2021年序盤)に実現するであろうが、足元での支援がないなか、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)による失業増加が恒久化し、景気回復をさらに遅らせるとみられる。COVID-19の第2・第3波も回復を鈍化させるだろう。しかし、重要な点として、死亡率が低下しており、世界は引き続き広範なロックダウン(都市封鎖)を行わずとも新型コロナウイルスと共存できるようになっていくことが示唆されている。
Covid-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)は、オンライン・ベースの医療サービスの採用を加速させている。遠隔医療は、その重要性が増すとともに普及および受け入れが拡大しており、アジアの医療制度に革命と拡大をもたらすだろう。
それなりに平和な時には、継続的な技術の向上や人類のありようを改善しようとする競争を可能とする余裕が生まれる。
今年のアセアン株式の株価は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な流行)によって二極化しており、長期スタンスの投資家にとって豊富な銘柄選択機会が生まれている。アセアン地域で当社が最も高い確信を持つ市場やセクターについて解説する。
米中の対立は、今後おおむね現状で推移するだろう。オバマ政権で中国とある程度友好的な関係を保った時期はあったが、もともと米国は20年以上の長きにわたり中国との不公正や価値観の相違を強調していたこともあり、トランプ政権は、その流れを受けて中国への関税を高くするなどの政策を実行した。このような方向性は、もともと保護主義的で米国内での生産に前向きな野党民主党でも強まっている。加えて、防衛や軍事を含む安全保障の観点から、米国のテクノロジー技術の移転制限や米国内の人々の行動情報の流出防止を求めるようになってきた。
インターネット関連銘柄は大躍進し、年初来パフォーマンスが市場全体を大幅に上回っている。これらの企業は、この先のコロナ後の世界で極めて大きな役割を果たしていく見通しであり、さらなる成長余地がある。
8月の米国債市場ではイールドカーブがスティープ化した。債券利回りは当初狭いレンジで推移したが、月半ばには米国の7月のインフレが加速したことと米財務省が国債の定例入札で大幅な発行増額を発表したことを受けて急上昇し、インフレの加速予想からより長期のゾーンの利回りが押し上げられた。最終的に、月末の米国債利回りは2年物が前月末比0.025%上昇の0.132%、10年物が同0.177%上昇の0.706%となった。
アジア株式は、世界各国による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発進展、米ドル安の継続、中国経済指標の底堅さが追い風となって3ヵ月連続で上昇し、月間市場リターンが米ドル・ベースで3.5%となった。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって個人の生活にどのような影響が及んでいるかは人それぞれ異なるが、共通する体験は数多くあり、それらはきっと読者諸氏にとっても馴染みがあることだろう。端的に言えば、我々が社会全体として新しい状況に適応するなかで、生活や仕事の仕方が変わってきている。こうした新しい行動様式から、今後どのような業界や企業が繁栄していくかという手掛かりは得られるのだろうか。その答えはイエスと(おそらく)ノーの両方だろうが、少なくとも先般の状況を観察することは、現在の状況を理解する手助けとなるとともに、この先の展開を見通す手掛かりとなるかもしれない。当レポートでは、ロックダウン期間中に我々が行った考察のなかから、投資家の今後のリターンに影響を及ぼす可能性があると考えるものをいくつか紹介してみる。
現時点で最大の話題は「いつ総選挙を行うか」だろう。菅首相は自民党総裁を安倍前首相から9月に引き継いだが、2021年9月にいったん総裁の任期を迎える。菅首相は、その時期までにもっとも良いタイミングで解散・総選挙を行い、総裁・首相としての政治基盤を固めようとするだろう。
世界の経済指標は、改善と悲観的な市場予想からの上振れを見せ続けている。これが良い知らせであるのは間違いないが、経済活動が依然としてCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミック(世界的流行)前の水準を大きく下回っていることは否めない。株式市場のパフォーマンスが(少なくとも米国では)好調で、絶え間なく過去最高値更新を試す展開となっていることは、経済の実態からはますますかけ離れているように見受けられる。しかし、経済以外では、投資家が拠り所にできる良い知らせがいくつかある。米国で発表された第2四半期の企業収益は、テクノロジーおよびeコマース・セクターを中心に非常に好調であった。これに、年内にCOVID-19のワクチンが開発される可能性をめぐる楽観ムードや、米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策戦略の変更を考え合わせると、市場の強さは(正当化はされないとしても)より理解しやすい。過去においては、FRBはこのような「浮かれ相場」を、結局「宴たけなわなタイミングで酒を下げる」、つまり金融引き締めを行うことで抑制するケースが多かった。しかし、今回はFRBがインフレ加速を是認している模様であることから、投資家の純粋な買い増し衝動を抑制する材料はほとんどないようだ。
グロース株相場はいつまで続くのか、バリュー株はどうなるのか、といった質問が増えている。金利水準との関係などを話題として、どのような推移となるかを考えるアプローチもある。しかし、個人投資家にとってグロースかバリューかは重要ではない。